世代とお金、特に若者とお金の話をまとめ。<若者は物を買わない…ではなく買えない 収入が減ったという事実>、<サラリーマン男性の小遣い、史上2番目の低さ 最低はいつだった?>、<消費税や物価の上昇があって、小遣いは減るが出費は増加する地獄に…>、<若者がお金を使わないから不況は嘘?資産があるのは高齢者ばかり>などの話をやっています。
2022/04/04別投稿をまとめ:
若者がお金を使わないから不況は嘘?資産があるのは高齢者ばかり
●若者の三種の神器が「車、海外旅行、お酒」だった時代は過去の話
2020/07/24:
"モノを買わない若者"は一体何にお金を使うか 2019年11月28日 11時15分 プレジデントオンラインという記事は、若者の文化や価値観を研究する原田曜平さんが、ミレニアル世代の消費傾向を探り出すという話。
若者の三種の神器が「車、海外旅行、お酒」だった時代は過去の話であり、イマドキの大学生たちは、バイト収入を何に使っているのかと見る話です。これは座談会形式であり、調査人数が少なすぎて信頼性が極めて低いものです。ただ、とりあえず、以下のようにまとめられていました。
<若者たちの消費対象は、モノから体験へと確実に変わりつつあるようです。(中略)今回の座談会では、新しい体験ができる場や友達と快適に過ごせる場、人間関係の構築など「見えないモノ」に使っているという話が出ました。今後、若者向けの商品やサービスを考えるにあたっては、こうした消費行動を念頭に置く必要があると思います>
●若者は物を買わない…ではなく買えない 収入が減ったという事実
2017/03/30:若者が物を買わなくなったようにみえるのは、価値観自体が変わっているからといった話もうちでは過去にやっています。そういった面があることは否定しません。ただ、その説明だけですと、「若者は物を買わない」論には嘘があると考えられます。
というのも、そもそも「お金がない」っていうのも紛れない事実のようであったため。家計調査でもはっきり減少が見られるため、「減ったのは物欲ではなく収入である」といった側面もありそうなのです。それが明らかなのが、総務省の家計調査での一世帯当たりの実収入のデータでした。
二人以上の世帯のうち勤労者世帯では、2000年に月間56万2000円だったのが、2015年には52万5000円まで低下しています。つまり、この15年間で月額4万円近くも収入が減っているんだそうです。より正確にはおよそ3.7万円で、年間にすると44万円くらいのマイナスといった計算になります。(2017/04/05 23時:計算ミスを修正しています)
というか、これは「若者が」という調査じゃらありませんから、日本人が貧しくなっているってことですね。政府は理由をいろいろとつけて、成果を強調していますが、家庭という単位で見ても所得が減っているのは事実のようです。なお、「実収入」という言い方をしていますが、これはいわゆる税込み収入であり,世帯員全員の現金収入を合計したものだそうです。
(
「消費者に価値は正確に分からない」前提に立て:日経ビジネスオンライン 水野 孝彦 2017年2月15日より)
さらに忘れてはいけないのは、2000年以降に消費税増税のような税金の増加や物価の上昇が起きているということ。これを考慮すると、1家庭あたり月4万円、年間44万円では済まず、もっと大きく減っていると考えられます。
実質賃金というのは、そういった物価を考慮したもので、これも当然下がっていることがわかっています。ただ、小遣いの金額みたいなものは実質賃金ときちんと連動していないのではないか?と思っていました。ところが、そうじゃなくて、サラリーマンの小遣いも下がっている…というのが、以降の元から投稿していた話になります。
●サラリーマン男性の小遣い、史上2番目の低さ 最低はいつだった?
2015/7/5:
サラリーマンの小遣い、過去2番目の低さ - ランチ代は上昇(マイナビニュース6月30日(火)11時0分)によると、新生銀行が、20代から50代の有職者の男女約2,300名を対象に実施した「2015年サラリーマンのお小遣い調査」の結果を発表しました。
男性会社員の毎月のお小遣い額は、2014年より1930円減少し、3万7642円と1979年の調査開始以降、なんと2番目に低い金額となったそうです。女性会社員も、男性会社員同様に減少しています。小遣い額は前年から2244円減少し、3万4468円という数字になりました。
今年は史上2番目の低さ。では、最低はいつだったのでしょう。1979年の調査開始以降ということなので、きっと最低はリーマン・ショック後など最近の話だろうと予想しました。ところが、違うんです。なんと"最低額は1982年の3万4100円"だというはるか昔。つまり、最近としては、2015年が最低金額ということです。

●消費税や物価の上昇があって、小遣いは減るが出費は増加する地獄に…
非常に困ったことに、小遣いが減っているのにランチ代は上昇しているんですよね。記事では、以下のような話もありました。
<小遣い額は減少した一方、男性会社員の1日の平均昼食代は、昨年の541円から601円に上昇。その理由について、
消費税や物価の上昇から、外食などの値上げが広がったことによるものと指摘されている。 女性会社員も男性会社員と同様に、昼食代は昨年から上昇し(昨年512円から154円の上昇)、666円となった>
なお、食べログが行った別の調査では、"外食ランチ予算は「700~1,000円」が半数以上となっています。女性の約3割が「1,000円以上」で、予算は男性よりも多い"となっていました。600円台である上記の調査とかなり異なります。
(
食べログ、「ビジネスパーソンのランチ事情」調査結果を発表!|株式会社カカクコムのプレスリリース 株式会社カカクコム 2015年6月30日 10時45分より)
ただし、これは平均値ではありませんし、外食への関心が高い食べログユーザーだからこそとも考えられます。"食べログ利用頻度が高いほど、予算も増える傾向"というデータもその可能性が高いデータ。ですので、"ビジネスパーソンの約3割が外食ランチ派"というのもかなり高く出ているのではないかと。私が会社員時代は、外食は月に1回くらいでしたね。高くつくので、ほとんど外食しませんでした。
●見かけの賃金に騙されるな!日本の本当の賃金は2年以上低下し続け…
最初の方で「実質賃金」の話をしました。賃金が増えたように見えても、インフレなどがあると実際の給料は減っている場合があるため、実質賃金というのは大切なんですよ。そして、現在日本はこの大事な実質賃金が低下していることがわかっているのです。
<5月の実質賃金が前の年の同じ月と比べて0.1パーセント減り、25か月連続で減少したことがわかりました。
厚生労働省によりますと、働く人一人あたりの平均賃金を示す5月の現金給与総額は26万8389円で、前の年の同じ月に比べ0.6パーセント増えました。ただ、物価の上昇を考慮した5月の実質賃金は速報値で、前の年の同じ月に比べて0.1パーセント減り、25か月連続の減少となりました>
(
「実質賃金25か月連続減少、5月も0.1%マイナス」 News i - TBSの動画ニュースサイトより)
ですので、実質的な小遣いが低下するというのであればわかるのですけど、見かけの小遣いまでが減って、しかも近年では最低というのは驚き。何でかな?と一応推測してみると、景気の実感が報道で言われている以上に悪く、財布の紐を締めているという可能性がありそうです。
一方で、高級品が売れるみたいな景気の良いニュースも多いのが不思議ですが、こうしたニュースは一部を取り出したニュースであるため、全体の傾向を示してはいませんから注意が必要。実際に高級品が売れていたとしても、富が偏在化が進んでいる、格差が広がっているといったこともあり得そうです。
●74・1%がアベノミクスの恩恵を感じない…日本生命保険による調査
もともと書いていた話は以上で終わっていたのですが、下書き後に今回の話と関係ありそうな
アベノミクスの恩恵7割感じず 2015年 07月03日 18時59分 提供元:共同通信という記事を発見したので追加しておきます。
<日本生命保険は3日、今夏のボーナスに関するアンケートの結果を発表した。平均支給額は前年比0・1%増の59万4千円となった。ただ「アベノミクスの効果」への問いには7割が「感じない」と答えた。
ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「アベノミクスの恩恵が、幅広い層のボーナスにまで広がっていないことを示しているのではないか」と指摘した。「感じない」は74・1%、「感じる」は10・6%だった>
賃金を上げてしまうと単年度の影響では済まないため、賃金はほとんど上がっていないという記事を読みました。ボーナスは一時的なのでそれに比べると上がりやすい方なのですけど、その上げやすいボーナスですら上記のように微妙。小遣いが下がってしまうのは必然かもしれませんね。
●若者がお金を使わないから不況は嘘?
2010/11/21:
負けが決まってる勝負を死ぬまでやらされる若者世代。 ひろゆき@オープンSNSに「日本全体の金融資産の6割は、60歳以上の人が保有しています。ちなみに、8割の金融資産は、50代以上が所有しています」とあって、へー、そうなんだ、データを見たいなぁと思いました。
ただ、そのデータを調べる前に、この記事自体の内容を軽くまとめ。以下のような内容でした。
・現状、20代、30代の人は、払い込んだ年金のうち6割ほどしか貰えないこと。
・「最近の若者はお金を使わない」とか、「夢の無い若者が増えている」とか、マスコミによると、不況も若者のせいにされてしまうこと。
・働いてる世代の給料を減らして、既得権益を持つ働いてない世代にお金を回し、会社が潰れているだけなら良いが、国家が破綻するのは大問題だということ。
●年代別個人金融資産残高によると資産があるのは高齢者ばかり
では、データ探しに。いくつか見つかったのですが、一番良かったのが、
年齢階層別の金融資産保有割合をグラフ化してみる 2009年01月31日 Garbagenews.com。
まず2004年末と若干古いですが、2006年3月に内閣府/野村総合研究所が発表した
【高齢者の金融資産の有効活用及び社会的責任投資等への資金流入の可能性に関する調査(PDF)】から抜き出してあったものから。60代以上で6割近く、50代以上で4分の3くらいを占めていること、20歳はわずか1%、30代を入れても1割未満であることもわかります。
<年齢階層別金融資産保有高 (年代別個人金融資産残高、2004年度末)>
70歳以上 25.7%
60代 28.7%
50代 23.6%
40代 12.6%
30代 8.0%
20代 1.3%
●数年でさらに悪化か?若者はより貧しくなっている可能性
上記を元にGarbagenews.comさんでは、最新データに置き換えています。私も書いておきながらわかっていないので、ここは読み飛ばして良いですが、この算出に用いたのは、以下のようなものだそうです。
・個人の金融資産の額。日銀の資金循環統計における、家計部門の金融資産残高(2008年3月末時点の1490兆円)より。
・各年齢層別の金融資産の保有額。総務省統計局の「家計調査」から「資産・負債編」のうち、2007年末の年齢階層別の「世帯数」「貯蓄(預貯金・保険・有価証券をあわせたもの。いわゆる金融資産)」より。
これらを元にすると、以下のように世代による富の偏りがさらに進んでいることわかります。
<年齢階層別金融資産保有高 (年代別個人金融資産残高、2007年度末)>
70歳以上 27.9%
60代 32.1%
50代 21.0%
40代 12.1%
30代 5.7%
20代以下 0.4%
「計算方法が多少違うこともある」との断りがありますが、2004年と見比べると、金融資産の偏りが、より高年齢に移動しているのが確認できます。
60歳以上 54.4% → 60.0%
50歳以上 78.0% → 81.0%
特に強烈なのは20代で3年で激減しています。
20代以下 1.3% → 0.4%
●高齢者は金融資産があるが負債も多いは嘘 それどころか…
これらは人口を考慮していませんし、年齢が上である方が給料や貯蓄が増えますので、高齢者の方がお金があるというのは、当たり前と言えば当たり前です。しかし、Garbagenews.comさんがすごいのは、これにさらに住宅ローンをはじめとした各種負債を考慮したデータを出してくれていることです。
<年齢階層別純貯蓄額 (貯蓄-負債)(万円)>
70歳以上 2336万円
60代 2253万円
50代 1103万円
40代 183万円
30代 -192万円
20代以下 -132万円
30代以下はマイナスがついていますが、間違いではありません。住宅ローンなどの負担が大きく純貯蓄額はマイナスであるとのこと。負債を考慮した方が、むしろ格差が広がってしまった感じですね。
これについて、Garbagenews.comさんは、「高齢者は金融資産を持ってるかもしれないけど、負債も抱えているだろうから、そんなに『使え使え』と急かしても無理では?」という論調は成り立たないと書かれています。また、「若年層がお金を使わないから景気が悪くなる」という論調に、あまり根拠がないとも書かれています。
それでもなお、高年齢になると負債も払いきってるんじゃないの?と、思われる方もいるかもしれません。また、今の若い世代も年を取ってからどんどん貯蓄が増えていき、退職金でどさっと増えるんだよということなのかもしれません。まあ、たぶんそれを素直に信用する人は、あんまりいないと思いますが…。
とりあえず、最近の若者は「お金を使わない」のではなく、「お金を使えない」というのが、データの上からも裏付けられるようです。
●最新データの算出方法には問題があったか?
2010/11/24:コメントでご指摘いただいたので、総務省統計局の「家計調査」から「資産・負債編」のデータを探してみました。
はっきりわからなかったんですが、、
家計調査年報 ≪貯蓄・負債編≫ 平成19年あたりじゃないかと思います。
こちらには、以下のようにありましたので、「単身世帯」については含まれていないのかもしれません。そうなると、上記の2007年のデータは2004年と遠からぬ数字になっているものの、正確とは言えなそうです。
「家計調査は,全国の世帯(学生の単身世帯を除く。)を調査対象として,国民生活における家計収支の実態を明らかにすることを目的として実施しており,そのうち
≪貯蓄・負債編≫は,二人以上の世帯に関する貯蓄・負債の保有状況の実態を明らかにし,世帯の属性別の貯蓄や負債の保有状況についての詳細な統計を提供するものです」
あと、純貯蓄額の方は目安くらいにはなるんでしょうか?算出方法が私には理解できなかったので、さっぱりわかりません。
なお、2004年のデータはこの総務省のものを用いていませんので、こちらは影響ないはずです。つまり、高齢者に金融資産が偏っており、若者はほとんどないというのは本当です。また、細かい計算には問題があるものの、負債を考慮すると若い世代では借金の方が大きくなることも間違いないと考えられます。
●実感のない金融資産上昇の理由 わかりやすい形で経済格差が拡大
2013/8/8:あまりいいものは見つかりませんでしたが、新しいデータはないかと探してみました。一番マシそうだったのは、
(PDF)家計金融資産の偏在と 運用面の課題 - 大和総研 土屋 貴裕というものです。
このレポートはタイトルでわかるように、「金融資産の偏在」がテーマに。前半の話は、高齢者世帯に資産が偏っているよという話でしたが、ここではいわゆる経済格差の問題を指摘しています。
1.全世帯に見る金融資産の偏在
全体では、平均的な残高は、2000 ~ 2010 年にかけて100 万円近く増加したものの、中央値は100 万円減少している(図表1上段)。金融資産を多く保有する一部の世帯によって、平均値が引き上げられているが、日本の多くの世帯で資産残高が減少しつつある可能性が指摘できよう。実際、金融資産保有残高の回答比率を見ると、金融資産が300 万円未満の世帯と3,000 万円以上保有するという回答が趨勢的に増える一方で、300~ 1,000 万円未満と1,000 ~ 3,000 万円未満までの回答は低下している。中間的な資産保有世帯が減少し、多くの資産を持つ世帯と、少ない資産しか持たない世帯が増え、資産の偏在が拡大している様子がうかがわれる。
私は経済格差はむしろあった方が良いという考え方ですが、これは悪いパターン。「経済格差はむしろあった方が良い」というのは、上がどんどん伸びることで下や中間を引っ張るのが理想であり、むしろ上が伸びないときは下位層も上がっていかないからということです。
ところが、ここでは上位者が増えているのに、「下や中間を引っ張る」ことができていません。明らかにダメなパターンです。
2018/11/26追記:以上のように当時書いていたものの、その後知った研究によると、経済格差が拡大するときの方が経済成長が鈍化するとのこと。そもそも高所得者層が中低所得者層を引っ張るというのは嘘かもしれません。
あと、「平均は100 万円近く増加、中央値は100 万円減少」の意味について説明していなかったので補足。平均値はお金持ちの影響を受けるために良い数字ではありません。一方で中央値は人口の真ん中の人の数値を見るので実感と近くなります。お金持ちがさらに金持ちになったので平均値は上がったが、中低所得者層はむしろ貧しくなっているということを示していました。
●若い人はますます貧しく…の傾向に変化はあったのか?
気になる年齢別の話は以降です。残念ながらサンプルの少ない20歳代はないので、30歳代が最も若い世代になります。
<30 歳代>
"30 歳代の金融資産残高は(図表1中段)、40歳代以上の家計と比べて、平均、中央値ともに最も残高が少ない。時系列を追うと、平均的に残高が減少し、中央値はさらに減少している。保有資産残高を問う回答の構成を見ると、保有資産が300 万円未満とする世帯が大きく増加し、1,000万円以上保有する世帯が減少している"
やはり前回見たときと同傾向。わかりやすすぎるほどわかりやすく、若い人の資産が減っています。そして、続く40歳代も同じ傾向を示していました。
<40 歳代>
"40 歳代の金融資産残高は(図表1下段)、平均は横ばいか小幅な減少に近いが、中央値は減少している。これは保有資産が300 万円未満の世帯比率が増加し、300 万円以上の資産を保有する世帯が減少していることを受けたものである"
では、50歳代で傾向が変わるのでしょうか?
<50 歳代>
"50 歳代では、平均的な金融資産残高は小幅な減少だが、中央値はさらに減少している(図表2上段)。これは、保有資産が300 万円未満の世帯比率が増加しているためである。資産保有額の水準は高いが、傾向は40 歳代と似ている"
こちらも結局同傾向です。ただし、金融資産が3,000万円以上の世帯比率は増加傾向。とはいえ、これは"50歳代前後で、遺産を相続する可能性が高まってくることが理由かもしれない"として、遺産相続のせいという見方が示されています。
…ということで別に豊かになっているわけではないのですが、金融資産の移転として、この遺産相続が注目されているのが理解できる話ですね。
●高齢者はお金持ちだが、ここでも経済格差が拡大し貧困が増加
次はいよいよリタイアする人の出てくる60歳代。高齢者での貧困家庭が問題という言われ方もしていますが、60歳代ではそれほど顕著ではないようです。
<60 歳代>
60 歳代(図表2中段)は、主に退職金を受け取ることもあり、金融資産残高の水準は他の年齢層よりも高い。唯一60 歳代の金融資産保有額のトレンドのみが、平均値で増加傾向であり、中央値が明確な減少ではない。保有資産3,000 万円以上の世帯が増加している一方で、300 万円未満の世帯比率はそれほど上昇していないことが背景となっている"
最後、70歳以上という区分。ここで高齢者の貧困が顔を出してきました。
<70 歳以上>
"70 歳以上は(図表2下段)、金融資産を取り崩していく年齢層にあたり、保有資産残高の水準は傾向として60 歳代よりも少ない。平均残高のトレンドは横ばいに近いが、中央値は減少傾向である。保有資産300 万円未満の世帯が増加していることが背景であり、50 歳代までの世帯よりも平均資産は多いものの、一部に金融資産保有額が少ない世帯が増えているとみられる"
●貧困世帯の増加、若者の金融資産の減少というトレンド
レポートではこれらのまとめとして、"金融資産の偏在は、世帯主年齢階級別と同一の年齢階級内でそれぞれ拡大し、金融資産は60 歳代の一部へ偏在してきたと考えられよう"としています。
"家計金融資産が、全体の平均値で小幅増加傾向になっている"とは言ってもそれは一部の話、特にこの"60 歳代の家計の一部において、金融資産が3,000 万円を超えて大幅に増加してきたことに由来すると考えられる"ようです。
一方で"全体の中央値が低下してき"ているわけですから、平均値が増加しても豊かになっているとは言えません。最初にバラしていた通り、経済格差が拡大しているだけという結論。金融資産の平均値が微増しているのに実感がないのは、実際には貧困世帯が確実に増えているからということです。
それから、もう一つの傾向としては、依然として若い世代での資産は、減少傾向が顕著だということ。…残念ながら明るい話題はありませんでした。
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