東大の矢作直樹教授、下村文科相らの人間サイエンスの会に呼ばれていた

　はてなブックマークで、以下のようなコメントがあったように、「人間サイエンスの会」という名前からして、「これヤバイやつだ！」と一発でわかるものです。

ncc1701 「人間サイエンスの会」という単語の並びを見ただけでヤバいと思えるリテラシーを身に付けておきたい。冗談抜きで、江戸しぐさに続くエセ科学の公教育への侵入はありうるぞ。2015/01/15


●下村文科相が幹事長を務める超党派議連「人間サイエンスの会」

　何度も何度も書いているんですが、政治家の方って何でこう科学的根拠や学術的な裏付けのないものに一生懸命なんでしょうね。馬鹿じゃないと政治家になれないんでしょうか？

下村文科相が幹事長を務める超党派議連「人間サイエンスの会」のカルト臭がハンパないことに | BUZZAP！（バザップ！）　2015年1月14日18:00 by 深海

人間サイエンスの会（NS）はNPO団体である国際総合研究機構（IRI）の創立者が創設した超党派の国会議員連盟で、説明によると「主として人間に係る潜在能力や地球の未来について研究・議論・推進する会」とされています。

人間サイエンスの会は会長を自民党所属の山本有二衆議院議員が努め、幹事長にはなんと下村博文文部科学大臣の名前が見られます。

その他にも幹事として自民党の古川禎久衆議院議員、民主党の大島敦衆議院議員、松原仁衆議院議員が名を連ね、事務局長は自民党の宮下一郎衆議院議員という、現役閣僚を含む国会議員約20人による錚々たる議員連盟。

●高村正彦・自民党副総裁も「人間サイエンスの会」の会員

　IRIの方のサイトには以下のような説明があります。

IRI　人間サイエンスの会

「人間サイエンスの会」の体制

講演会などは、議員連盟「人間サイエンスの会」（略称：NS ）と特定非営利活動法人国際総合研究機構(内閣総理大臣認証NPO法人、略称：NPO-IRI:アイリ)が共催しています。

NSの役員は、以下の通りです。（国会議員以外の方の連絡先は上記に記載しています）

会　長：衆議院議員 山本 有二元金融大臣・再チャレンジ大臣・財務副大臣など
幹事長：衆議院議員 下村 博文元内閣官房副長官・文部科学大臣政務官・法務大臣政務官など
幹　事：衆議院議員 古川 禎久前 環境大臣政務官、元 法務大臣政務官など
事務局長：衆議院議員 小泉 俊明国土交通大臣政務官、元 財務・金融委員など
事務所：小泉俊明議員会館事務所（1-419号）
〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館　４１９号室
電話[phone] Fax [phone]
事務局長秘書:（小泉俊明議員秘書ＮＳ担当　池田）
顧　問：元幹事長 北岡秀二　本会共同創立者、元法務政務次官、参議院文教科学委員長など
顧　問：前幹事長 南野 知惠子元法務大臣・厚生労働副大臣・文部科学・厚生労働委員長など
顧　問：元事務局長　宮下 一郎元財務大臣政務官、元厚生・環境・防衛各大臣秘書官など

会員には、現内閣関係者、河村 建夫元内閣総理大臣官房長官、元文部科学大臣、
高村 正彦元外務大臣、元防衛大臣・法務大臣・経済企画庁長官
末松 義規内閣府　副大臣、元　衆議院消費者特別委員長
白 眞勲参議院拉致問題特別委員長、元外交防衛委員会、等　約２０名が加盟。

　ちなみにIRIによる「人間サイエンスの会」の説明は以下でした。

「人間サイエンスの会」（NS）とは

「人間サイエンスの会」は超党派の国会議員連盟（衆参議員が約２０名加盟）です。

NSは主として人間に係る潜在能力や地球の未来について、ほぼ毎月、幅広く講師を国会議員会館の会議室に招き、講演会を開催しております。これを議員が、官僚、学者、医者・統合医療・代替医療、健康法・能力開発などの指導者・実践者やこの分野に関心の深い一般の方々と共に聴き、議論をし研究しております。本分野の理解を深め、国民の健康・生き甲斐の創生・能力の向上、国民と社会の健全化・活性化、自然との調和、平和と福祉の推進などを目的とする会です。

●「瞑想者のキュウリへの非接触効果」や「瞑想とピラミッドパワー」

　ということで、IRIに関係が深い「人間サイエンスの会」なんですが、このIRIが間違いなくヤバイようです。(再び BUZZAP！より)

親組織となるIRIのサイトには研究論文の「瞑想者のキュウリへの非接触効果」(引用者注：キュウリにヒーリングを施すみたいです)が外国誌に掲載されたことが掲載されており、月刊「ムー」が超心理学レポートとして6ページに渡り大きく紹介したと誇らしげにコメント。

さらに自らの機関紙「I.H.M.WORLD」でも「世界初！『瞑想とピラミッドパワー』を科学的に検証する！」とした特集を組んでいます。

機関紙上ではピラミッドパワーだけでなくフリーエネルギー、バシャール、ヘミシンク、チャネリングメッセージなどのスピリチュアルワードが次々と登場。

●人間サイエンスの会の講演会テーマもヤバイ

　BUZZAP！では、人間サイエンスの会の講演会テーマからは以下のようなところを拾っていました。

「気療講座 自他治癒力を身につけよう」
「抹殺された神より視る、作られた日本近代神話」
「神から授けられた無限なる叡智、潜在能力引出し法」
「奇跡のオンパレード ～世界が認め始めたゴットミラクル～」
「あの世はある！ -ヘミシンクが可能とする死後体験-」

　記事では、"幸福の科学大学の霊言を「科学的根拠を持って一般化・普遍化されているとはいえず、学問の要件を満たしているとは認められない」と切って捨てた文部科学省にはぜひ(中略)コメントをいただきたいところです"と書いていました。

　本当ですね、幸福の科学大学と全然変わりありません。まあ、下村博文文部科学大臣は元幸福の科学信者なんで、当たり前といえば当たり前なんですが…。

　　■大川隆法総裁が下村博文大臣を誹謗中傷、幸福の科学元信者と暴露
　　■下村博文の疑似科学知識 EM菌、予言者ジュセリーノ、ナノ純銀除染など(下村博文さんは他の疑似科学ネタも大好きです)


●あの東大の矢作直樹教授も「人間サイエンスの会」に呼ばれていた

　講演者の名前を覗いていると、知っている方がいました。東大病院・矢作直樹のセミナーで霊感商法 「人は死なない」主張もで書いた東大の矢作直樹教授です。

第153回　平成25年６月２０日　矢作 直樹 氏 | 人間サイエンスの会

第153回　平成25年６月２０日　
矢作 直樹 氏

日時：平成25年６月２０日（木）　午後３時～５時
場所：衆議院第一議員会館　大議室 (地下１階)
演題：科学をはるかに超えた現実―救急医療の現場から―

(中略)

医療現場では、私たちの予測と異なって明らかに助かって社会復帰することが無理と思われた症例が無事だったり、その逆だったりすることがしばしば起こります。また医療現場や身の回りでは憑依のような霊障を経験します。このような事例は、交霊によりこの憑依をはずす（浄霊）ともとにもどることも経験します。こうした経験と先人の教えから私たちのからだは目に見える体とその働きによる心のほかに目に見えない意識体としての霊魂があることがわかります。
近代の教派神道の教祖たちにみられるように神人合一（本人が高次意識と繋がること）により天啓をいただき、それを言葉に発したり自動書記をしたりしてその教えを残してきた事例は多々あります。
今回は、私たちが霊心体により成り立っていることをお示し、現代の科学では到底説明できない天壌無窮の世界の素晴らしさを感じていただければ幸いです。

　矢作直樹教授は「この会が“サイエンス”を謳っているのにも関わらず、今日のお話はまったく科学的でないことをはじめにお詫びいたしておきます」とおっしゃっていました。

　でも、大丈夫です。他の話も大概似たようなものですから、「人間サイエンスの会」の趣旨には完璧に合致しています。

　ただ、問題なのはこういう内容の話をありがたがっているのが政治家で、しかも、教育に関わる官庁の最高位にいる人まで混ざっているというところです。

　本当この国はどうかしていますわ…。


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