個人的にはこういう目標を立てるみたいなの大嫌いなんですが、非常にユニークでおもしろいです。
●ニトリのキャリアプランは風変わり、新卒にいきなり70歳時の目標を聞く
ニトリ、28期連続増益を支える異端経営 「当たり前」をひたすら徹底で独自施策続々 | ビジネスジャーナル 文=福井晋/フリーライター 2015.05.24
正社員は入社した年から年2回の「キャリアプラン」提出を義務付けられ、これを参考に社員の配属先を決めるというが、この書類の記載内容が少々変わっている。ニトリHD関係者によると、「最初の記載欄が『70歳ビジョン』になっている」というのだ。新卒採用の場合、22歳ぐらいでいきなり「70歳のありたい自分の姿」を思い描けというわけだ。そうして面喰らっていると、上司から「そのためには社内でどの部署を、どの順番で異動し、どんな業務経験を重ねたら『70歳のありたい自分』に近づけるかを逆算して考えろ」と指導されるという。
「そうした、まったく現実感のない遠い将来からありたい自分のキャリアを埋めていき、10年後、5年後、3年後のキャリアアップを考えているうちに、自分の将来目標が明確になり、キャリアアップの道筋が明確化してくる」(前出関係者)
●ニトリ自体が「30年で100店・売上高1000億円」の超長期経営目標を達成
これはニトリらしい考え方です。というのも、ニトリ"は72年に「日本一の家具小売業」の将来像を描き、「30年で100店・売上高1000億円」の超長期経営目標を立て"、"03年に1年遅れで達成してい"るためです。
「逆算の経営」と記事では書いていましたが、"長期、中期、短期の経営計画に落とし込"んで、見事に達成しました。
●僅か7店・年商30億円のときに100店・1000億円の目標
この目標を立てた当時のニトリですが、既に有力なチェーン店だったわけではありません。1979年(1972年じゃない理由は後述)で7店だったようです。100店は14倍です。
そして、それよりもっと差があるのが売上高。当時は30億円だったそうですから、33倍もの大きな目標を掲げていたことになります。
似鳥昭雄(21) 30年計画 「100店・1000億円」をめざす ねたまれ悪い噂、刑事が尾行 2015/4/21付 日本経済新聞 朝刊
1979年(昭和54年)は大きな転換期だった。その前年、チェーンストア経営を普及するための経営・研究団体のペガサスクラブに加盟した私は長期計画を立てることにした。当時の店舗数は7店で年商は30億円にも満たない。分相応に100億円ぐらいの計画を立案したが、クラブを主宰する渥美俊一先生は「もっと大きな計画にしろ」という。
そこで100店・1000億円という途方もない計画を立てた。立案したのは79年だが、多店舗化をしようと決めた72年にさかのぼり、そこから30年後の2002年を達成の時期に定めた。
●チェーンストア理論の勉強して、ニトリが間違っていたことが判明
おもしろかったのが、当時は"新入社員を含めてチェーンストア理論を学んでもらおうとして、一緒に徹底的に勉強した"ところ、「理論とうちの会社のやっていることはずれているのではないか」と、当時の会社方針に疑問が出てきてしまったことです。
ニトリは失敗ばかりしながら成長してきた企業ですが、これもある意味失敗です。しかし、失敗に気づき、直せるからこそ成長できます。社長が部下の意見を聞かない・言わせないという企業では、こうはなりませんね。
最初の記事では、"「こういうスキルを磨きたいので、こういう部署へ行きたい」と自己申告すると、かなりの確率で志望がかなう"ともありました。
このような希望や意見が通ることはモチベーションの向上にも役立っているのかもしれません。
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