毎度お馴染み、不正経理の話です。慶応大学絡みだと以前、
森川富昭・慶応大准教授、徳島大学病院時代の賄賂で逮捕 談合捜査で判明がありましたが、森川富昭・慶応大准教授の場合は徳島大時代のものが問題でした。
●慶応大薬学部の40代教授が研究費約500万円を不正取得
慶応大薬学部教授が研究費不正 500万円、懲戒解雇 - 47NEWS(よんななニュース)
慶応大は10日、薬学部の40代の男性教授が研究費約500万円を不正取得したなどとして、懲戒解雇処分にしたと発表した。公的資金も含まれるが、大学は「さらなる不正の疑いもあり、調査を継続しているため内訳は公表できない」とした。
2015/07/10 16:39 【共同通信】
●架空の出張などの手口
大学によると、処分は2日付。不正を行ったのは、2011年度から14年度にかけてです。
手口は以下のようなもの。
・セミナーなどの旅費を大学と主催した企業に二重に請求。
・虚偽の日程や場所を記した出張費を申請。
・学生に支払われる日当を取り上げる。
●内部告発で判明した研究費不正
報道では情報が少ないので慶応大学のオフィシャルページを見てみました。どうやら内部告発だったようです。
(PDF)本学薬学部教授による研究費に関する不正等と処分について 詳細資料
平成27(2015)年1月、本学研究活動等に関する申し立て窓口に対し、学内より当該教授の研究費会計処理等に問題があるとの通報があり、調査を進めたところ研究費の不正経理等が認められた。また、同年3月利益相反マネジメント関連事項の虚偽申告の疑いが発見され、同年4月には当該教授による教育不履行等の問題が判明した。
●巧妙な不正で内部告発じゃないと発覚しなかったおそれ
また、たいへん巧妙な不正であったと慶応大学は強調していました。
(1)研究費に関する不正について
当該教授は研究費の執行にあたり、平成23(2011)年より関連する手続き規程に違反する以下の行為等を行っていた。これらの行為は管理機構を欺くため、複雑に計画された手順と外部への依頼等により実行されている。当該教授はこの調査結果のおおよそを認めている。
これらは申し立て(内部告発)がなければ発覚することはないと思われるほど巧妙に仕組まれたものであった。
●40代薬学部教授、5つの不正
慶応大学の書き方では、大きく5種類の不正となっています。
①旅費の二重請求
セミナー等を主催した企業から旅費を支給されていたにも拘わらず、これを秘匿し慶應義塾に対しても請求を行った。
②航空券購入における虚偽申請
本人が直接Web等で購入することは原則として禁止されていたにも拘わらず、それを行っていた。これを隠蔽するため、旅行代理店で購入したと装い、手数料を上乗せして慶應義塾に請求していた。
③出張根拠書類の偽造
出張根拠となる日程・場所・目的等を記載した書類を偽造して提出していた。
④学生・助教の旅費・日当の不当徴収
学生等に支給された旅費のうち、宿泊費の差額および日当を学生等から当該教授に戻させていた。
⑤偽領収書の作成
旅行代理店に慶應義塾が支払った航空券代の領収書を他企業宛に作成させていた。
●利益相反が疑わしい事例も
なお、利益相反絡みの疑いもあったものの、こちらは未遂だそうです。
(2)利益相反自己申告書の虚偽記載について
当該教授は、ある研究事案の公的資金の助成を申請する際、必要な利益相反状況の審査を利益相反マネジメント委員会に申請するにあたり、事実と異なる申告を行った。その結果、克服しがたい利益相反の存在が隠蔽されることとなった
なお、資金の使用開始前に当該助成金を辞退したため、利益相反には至らなかった。
あと、不正した教授って誰?というのは皆さん気になるでしょうが、今のところお名前は報道されていません。最近、名前が出ていたり出ていなかったりで、発表の基準がよくわからないなと思います。
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