●地方議員の年収はいくら? 高い・安い報酬の市町村ランキング
2015/7/12:地方議員の報酬について書きたい話があり、下調べしていたところ、ランキングが出てきました。
世間では“高給取り”のイメージがある地方議員の報酬は、実際どれくらい?|ダイヤモンド・オンライン(佐藤大吾 [早稲田大学客員研究員、NPO法人ドットジェイピー代表] 2010年11月4日)というものです。
【地方議員・高い報酬の市町村ランキング】
(1)神奈川県横浜市 97万円
(2)大阪府大阪市 96.9万円
(3)兵庫県神戸市 93万円
(4)京都府京都市 91.2万円
(5)愛知県名古屋市 89万円
年収じゃなくて月収ですからね、これ。勘違いしちゃいけませんよ。これに加えてボーナスや各種手当がつく可能性がありますが、とりあえず、単純に12倍しただけで1200万程度あるということになります。とはいえ、上記は上を見ただけです。下位となるとこれまた極端に低くて驚きです。
【地方議員・低い報酬の市町村ランキング】
(1)長野県谷平村 8.48万円
(2)沖縄県渡嘉敷村 9.4万円
(3)長野県売木村 9.7万円
(4)長野県王滝村 9.96万円
ただ、高い報酬の市町村ランキングと違い、低い報酬の市町村ランキングはベスト5ではなくベスト4という半端なランキングなのは気にかかります。5位だとグッと高い…みたいな理由で隠したんでしょうかね…。とりあえず、これまた乱暴に12倍すると、年収100万程度となります。安いですね。
●市町村議員の全国平均は?都道府県議会議員の給料は?
こうしたランキングはおもしろいのですが、上下両極端であり、実態からは遠い数字。それよりは平均値の方が参考になります。全国平均は記事によると、「30万4818円」だとのこと。これまた12倍すると年収360万円といった感じです。ただ、期末手当(賞与・ボーナス)が計算外だった場合、そちらが加わりますので、もっと高いです。おそらく一般の人の平均年収よりかなり高くなるでしょう。
都道府県議会議員も知りたいと思って検索。総務省「平成18年地方公務員給与の実態 特別職関係」、総務省「平成19年6月・12月期末・勤勉手当を支給」をベースに、平均給料月額、給与比率より推計した数字が
都道府県議会議員の推定年収-年収ラボにありました。
こちらによると、都道府県議会議員の給料は推定年収:1534.2万円。県議会議員だとべらぼうに高いですね。…と思ったら、同じサイトでの市町村議員の推定年収は759.8万円だとされていました。、市町村議員でも上の数字(年収360万円)と全然違う数字に。ボーナスを含んでいるせいかもしれません。
(
市区町村議会議員の給料&推定年収-年収ラボ 統計元:総務省「平成18年地方公務員給与の実態 特別職関係」、 総務省「平成19年6月・12月期末・勤勉手当を支給」※推定月収とは平均給料月額、給与比率より推計したもの)
●「地方議員の報酬は多くない」という結論ありき?ボーナスを隠蔽
最初の記事
世間では“高給取り”のイメージがある地方議員の報酬は、実際どれくらい?|ダイヤモンド・オンライン(佐藤大吾 [早稲田大学客員研究員、NPO法人ドットジェイピー代表] 2010年11月4日)では、埼玉県和光市の例を見ていました。こちらでの全国平均30万4818円に比較的近いところです。
市議会議員の報酬月額 34.7万円
議員年金の掛金と所得税が引かれると、実際の振込額は24.1万円
さらに国民年金と健康保険、地方税を支払うと、実際の手取額は17.7万円に
記事では、「世間では「議員=高給取り」のイメージがありますが、実態は違っています」と強調。「実際の手取りがこの額では、月々の家賃や生活費はもちろん、議員活動を市民に報告するビラ・チラシ代、交通費、勉強代などの算出は容易ではありません」ともしています。
ただ、まるでこうした所得税や国民年金と健康保険、地方税などの支出を市民がしていないかのような書きぶりには感心しません。市民だって税金類を支払った上でやりくりしているんですからね。また、「ビラ・チラシ代」は市民のためだけでなく、自身の次回の当選のための活動にもなっていることも指摘したいです。
「年間約133万円の期末手当と確定申告の還付金でなんとかプラスに挽回する感じ」という話がありました。やはりダイヤモンドオンラインの場合、ボーナスは結局別にしていたので、実態より安く見えていた模様。このボーナスを入れると、年収は549.4万円。一般市民の年収は400万程度ですので、私の予想以上に高給でした。
ちなみに先ほどの別サイトだと、市町村議員の推定年収は759.8万円。ボーナスを入れた549.4万円でも、まだだいぶ異なります。どうなっているの?という感じ。とりあえず、ダイヤモンド・オンラインの場合は、「地方議員の報酬は多くない」という結論ありきな書き方で、信頼性を残っています。
さらに付け加えると、今は政務活動費と呼ばれる、政務調査費(後に国会では文通費が問題に)が議員にあるというのも重要。先ほどの政治で使う費用というのは、本来ならここから出すことができます。また、これら以外の特別待遇や各種手当があることもあるんですよね。ときには、法令に定めのない特別待遇まで判明することがあります。
また、記事では、<支給には1円から領収書添付を求めるので、市民も使途を詳細にチェックできるというわけです>なんて書いていましたが、後に兵庫の号泣議員こと野々村竜太郎さんが問題になったように、裏金作りに使いやすいところでもあります。隠れた報酬になっている可能性があるのです。
ですので、前述の話は額面通り受け取るわけにはいきません。ただ、例にある和光市の場合は、政務調査費は月額2万円までだったそうです。これでは確かに非常に少ないと私も思います。この点は賛成できましたが、他は誇張が多いように感じます。この不誠実な書き方では、なかなか理解は得られないでしょう。
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