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安心の日本製、トヨタ系の高品質デンソーが欠陥でメガリコール


2020/08/30:
●安心の日本製、トヨタ系の高品質デンソーが欠陥でメガリコール
●品質管理が売りだったトヨタグループ、実は管理していないと判明
●他社では考えられない異常!不具合調査を手抜きかそもそも実施せず?
2020/11/26:
●その後ホンダでもメガリコール、合計で479万台以上リコールに
2021/05/26:
●トヨタ自動車が追加リコール…世界で745万超という大記録を樹立 【NEW】
●高い技術が裏目に出た?技術に絶対的な自信を持っていたデンソー 【NEW】

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●安心の日本製、トヨタ系の高品質デンソーが欠陥でメガリコール

2020/08/30:他の日本製品の欠陥問題とセットにしようかと思いましたが、単独でデンソー問題を一つ。もともと書きたかった記事は最近のものですけど、今回は、「デンソー品質」に大きな亀裂、巨人はこれでつまずいた 340万台超のメガリコール | 日経クロステック(xTECH)という2020.05.15の記事からです。

 私も日本製には優れたものが多いと思いますが、盲目的な日本製品信仰や海外製品バッシングはどうかと思っています。デンソーの欠陥も「安心の日本製」イメージを汚すものでしょうが、記事では、「トヨタグループの高品質の一翼を担ってきたデンソー」の「高品質の看板に大きな亀裂が入った」という書き方をしていました。トヨタのイメージを汚すものだったみたいですね。

 デンソーが欠陥燃料ポンプを自動車メーカーに供給し、340万台を超える「メガリコール」の原因になってしまった…というのが、この記事当時の状態。今回は書きませんが、その後、デンソーの欠陥はホンダでもメガリコールの原因となり、問題がさらに大きくなっていました。

 ここらへんで出てきた「メガリコール」という言葉自体馴染みがないのですが、これはマスコミが大げさに書いているわけではなさげ。あるトヨタの社員は「当社は年間1000万台のクルマを販売している。その3割以上がリコールになったという計算だ」と説明。こう言われてみると、いかに欠陥車の台数が多かったのかがわかりますね。


●品質管理が売りだったトヨタグループ、実は管理していないと判明

 なお、私が興味を引いたのは、「なぜ、こんな枯れた製品(部品)で……」とデンソーOBが驚いていたことです。「枯れた」というのは製造分野でときどき使われる言葉で、例えば、「枯れた技術」といった言い方をします。そして、「枯れた技術」とは最新・最先端とは逆に、昔からある使い古された技術のことを指す言葉でした。

 新規性の高い技術を使うCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)関連の部品ならともかく、以前から使っている部品が巨額リコールを生んだことにOBらは衝撃を受けたんですね。価格的にも高くなく、その高くもない製品で巨額の賠償金を支払うことなってしまったとも言えます。最悪な感じです。

 この理由を読もうとしたのですが、有料でしたので読めず。同じ日経新聞系で似たようなタイトルの デンソー欠陥問題 「枯れた技術」軽視の手抜き露呈 デンソー欠陥の原因(下) 2020/5/28 2:00 日本経済新聞を読んでみました。

 ここではわりと単純で、「品質管理のところで手を抜いた」ためだとされています。「品質管理」というのは、実を言うと、トヨタグループの最大の売りの一つだったようですので、そこが実は全然できていなかったという、詐欺みたいなことになってしまいました。やはり「トヨタのイメージを汚すものだった」とも言えるかもしれません。


●他社では考えられない異常!不具合調査を手抜きかそもそも実施せず?

 「品質管理」というふわっとした言い方だとあれなのですが、具体的な話を聞いた方がすごさが伝わりそうですね。まず、欠陥低圧燃料ポンプが市場に出てからリコールになるまでに6年半もかかっているなど、欠陥製品をそのまま長く使い続けていたということ。品質の専門家は時間がかかりすぎておかしいと驚いていました。

 長く使われていたんだから問題なしだったんじゃないの?と思うかもしれません。ところが、市場から上がってきた不具合件数は少なくなかったんですよ。少なくないどころではなく、この品質の専門家が「異常だ」というほどの多さ。欠陥低圧燃料ポンプでは555件、欠陥HEV用燃料ポンプでも125件の不具合が出ていました。

 専門家によると、そもそもリコールは、不具合件数がたとえ多かったとしても1桁台のうちに判断しなければならないもの。多くても一桁、つまり、二桁であっても遅すぎだってことです。理想を言えば、市場からの不具合件数がゼロのうちにメーカー側が発見してリコール処理すべきだとのことでした。

 なぜかと言うと、早めに手を打たなければ、リコール対策費用が膨れ上がるため。実際、デンソーはリコール台数が増えまくったことで、賠償費用がひどいことになりました。これはむしろ海外を含めた他の製造業企業らと比べると、ずば抜けて対応が悪かったってことになっちゃいますね…。

 こうしたことが起きたのは、本来すべき不良品、さらには不良品ではない良品を回収して調査することをしていなかったのではないか?という予想が出ていました。また、調査していたとしても手抜きだった可能性も指摘。日本企業では手抜き検査が近年多数判明していることも思い出してしまう指摘です。


●その後ホンダでもメガリコール、合計で479万台以上リコールに

2020/11/26:最初にちょっと書いていた「その後、デンソーの欠陥はホンダでもメガリコールの原因となり、問題がさらに大きくなっていました」の方の補足。デンソーの欠陥、ホンダに波及 判断遅れメガリコール  :日本経済新聞(2020/9/1 2:00)などの記事が出ています。

<デンソーの欠陥燃料ポンプ問題が深刻化している。ホンダが5月下旬に届け出た「シビック」や「CR-V」「HR-V」「NSX」など世界で137万台を数えるメガリコールの原因も、デンソー製欠陥燃料ポンプにあることが関係者への取材で分かった。(中略)これにより、既に判明している322万台のトヨタ車と20万2000台のSUBARU(スバル)車と合わせて、デンソーの欠陥燃料ポンプは世界で479万台を超える大規模リコールへと拡大した>

 リコールとなったホンダ車が搭載していたのは、欠陥のある低圧燃料ポンプ。樹脂製インペラ(羽根車)が変形し、ポンプケースと接触して作動不良となり、最悪の場合はエンストを招く可能性があるということで、やはり問題が大きいものであったようです。インペラを成形する際に、金型の温度が低すぎて結晶化度が低くなったことも指摘されています。


●トヨタ自動車が追加リコール…世界で745万超という大記録を樹立

2021/05/26:その後、リコール台数がさらに増えていたのを見逃していましたわ。デンソー製欠陥燃料ポンプが理由で、2020年10月28日、トヨタ自動車は「国内で21万363台、海外で約245万台」(同社広報および国土交通省)のリコールを国交省に届け出ていました。これでリコール台数が世界で745万超となっています。世界的な大記録ですね。

 トヨタ異例の追加リコール デンソーが払う欠陥の代償: 日本経済新聞(2020年11月10日 2:00)によると、新たにリコール対象になったクルマは、ミニバンやセダン、高級車「レクサス」シリーズなどまで39車種でバラエティに富んでいます。幸い事故を起こした事例はないのですが、市場から109件の品質クレームが報告されていたそうです。

 あるトヨタ関係者は、今回のリコールについてまたもや「異常な事態だ」と指摘。というのも、今回が「2度目のリコール」だからというものです。最初のときにリコール対象のクルマをあのトヨタ自動車が見逃してしまった…というのも、考えられないひどいことだそうで、トヨタグループの劣化が進んでいるのかもしれません。

 ただし、同関係者は、「これはトヨタが検証漏れをしたのではなく、品質のばらつきを調べた上で、より安全・安心側に振ったリコールとみるべきだろう。要は、『疑わしきは罰する』という判断だ」とフォロー。問題の燃料ポンプを使っていたら自動でリコールじゃないの?じゃあ他社はどう判断しているの?と不思議なのですが、むしろ褒めている感じですね。


●高い技術が裏目に出た?技術に絶対的な自信を持っていたデンソー

 なお、タイトルになっていた「デンソーが払う欠陥の代償」ですが、トヨタが「転注(発注先を他社に切り替えること)を検討している」という、トヨタ関係者の証言のことっぽいです。干されるっては暗視ですね。ただし、トヨタがグループ企業であるデンソーを軽視するとは考えづらく、一時的にお灸をすえるだけのパフォーマンスではないかとの見方でした。

 それから、今回のような欠陥問題が起きたことについて、トヨタからは「デンソーは技術に絶対的な自信を持っている。今回の件はそれが裏目に出た」という声が上がっているとのこと。半分自慢しているような感じにも見えますが、おごってしまって調子に乗って失敗したという見方ですね。最近盛んな日本すごい!にはこうしたデメリットがあるのかもしれません。

 また、市場クレームへの対応が遅れ、大規模リコールに発展した背景には「生産部門と設計部門とで連携ができず、責任のなすりつけ合いがあったとみるのが妥当だ。責任を取れるリーダー不在の体質に問題がある」という見方もトヨタOBからは出ているとのこと。こちらは半分自慢ですらなく、素直にトヨタグループの劣化だとみなせるような話でした。

 
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