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ウコンの副作用で死亡 肝臓に良いどころか健康被害、鉄・クルクミンの作用


 以前投稿した風邪をひくとカレーが食べたくなる? ウコン・クルクミンの効果では、胡散臭いと書きつつ「肝臓に良い」という話も紹介していました。今回読んだ記事によると、やはりウコンの効果はかなり怪しい感じ。また、怪しいというレベルではなく、危険な可能性も指摘されていました。

2017/05/15:
●「ウコンに効果なし」は誤報でも「効果あり」という意味ではない


●肝臓に良いどころの話ではない…ウコンの副作用で死亡例も

2015/7/27:酒飲みの二日酔い防止用にも、老後の活力の素としても、人気が高いのがウコン。ただ、酒飲みにウコンは危険? 肝臓によいと思って摂ったウコンで死亡例も 健康食品の疑似科学・エセ医学(3)|矢来町ぐるり(週刊新潮2014年8月14・21日夏季特大号 掲載)という記事で、教授らが肝臓に良いどころの話ではない、以下のような話をしていました。

「私の患者でお酒飲みの高脂血症の方がいて、脂肪肝を患っていましたが、血液検査の数値も安定していました。ところが、正常値が8~30のALTが、30から100近くに上昇しました。驚いて聞いてみると、ウコンを摂っていたのです。肝臓によいと思って摂ったのでしょうが、ウコンを飲むのをやめたら、すぐに数値は戻りました」(久留米大学医学部心臓・血管内科の松岡秀洋准教授)

「日本で発生した健康食品による薬剤性肝機能障害の4分の1は、ウコンが原因です。肝硬変を患う女性が、粉末ウコンの服用によって症状が悪化し、死亡した例もあります」(筑波大学の内藤裕史名誉教授)


●肝臓に良いはずのウコンで健康被害 人によって危険性が違う

 あまり怖い!怖い!とばかりに強調するのも、それはそれでどうかとは思います。実際、名古屋大学大学院医学系研究科の石川哲也教授は、基本的には「ウコンは安全性の高い食品」だとしていました。ただ、「もともと肝障害を患っている人」にとっては別だ…という話は、石川哲也教授もしています。

「何がいけないか。ひとつはウコンに含まれる鉄分です。C型肝炎やNASH(脂肪性肝炎)は肝臓に鉄分が蓄積する病気で、鉄分を体外に除去する治療が行なわれます。そこにウコンを摂ってさらに鉄分を与えれば、鉄があふれて症状は悪化します。続いて、ウコンに含まれるクルクミンという成分です。これは抗酸化作用、抗炎症作用、抗がん作用などのほか、免疫活性化作用もあるとされますが、肝障害を抱える患者さんにとって、免疫の活性化は自分の肝臓への攻撃性が増すことを意味します」

 「肝臓に良い」と言われている癖に、肝臓に悪い人にとっては肝臓をさらに悪くする作用があるそうです。これ、「肝臓に良い」なんて宣伝しちゃいけませんね。人を死なせかねません。


●「ウコンは肝臓に良い」という記載がそもそも見つからない

 上記は週刊誌由来です。また、医師がコメントを寄せていた場合でも、トンデモ医師が結構いるため油断なりません。今回の場合は、複数のお医者さんの名前が出ているため、かなり信頼できそうなものの、一応他にも検索してみました。

 すると、ウコンは危険という話が出るわ、出るわ…。本当は「ウコンは肝臓に良い」という一般論を書いてから、それを否定する流れにするつもりでした。ところが、そもそもウコンを手放しで褒めているページというのがなかなか見つかりません。面倒なので探すのをやめて、「危ないよ」という話をそのまま紹介していきます。

 まずは、ためしてガッテンの放送内容を記載した肝臓の健康(ウコン・脂肪肝・NASH)|ためしてガッテン 6月29日という投稿があったので、改行などを変更して紹介。最初の例と同じパターンが載っていました。

<C型肝炎に感染したある方は、熱心に治療しているのにもかかわらず、なかなか症状が回復しませんでした。病院が調べたところ、あることが原因でした。それは、肝臓に少しでもいいものをと思い、飲んでいたウコンでした。
 ウコンを取るのをやめると、その方の肝機能の数値は改善されました。ウコンのどの栄養素が問題だったのでしょうか。その栄養素とは、「鉄」でした>

 健康な人の場合は、貯蔵しないと貧血が起こるため、鉄の摂取が必要です。ただ、C型肝炎/NASHの人が鉄を摂取すると、鉄が過剰に貯まる、鉄過剰という状態になるとのこと。肝臓にたまった鉄が酸化し、肝臓に炎症を引き起こすとされていました。



●健康食品は大体悪徳…「肝臓に良い」と宣伝した健康食品メーカーの罪

 「肝臓に良い」と言われているはずなのにその話が全然ないわけですが、全日本民医連 薬学生のページも見るとどうも過去の宣伝でそう印象づけたみたいですね。「体にいい」を売りにするメーカーは現代では人気なのですけど、ほぼすべて科学的根拠が不十分であり、消費者に優しそうでいてむしろ悪徳ですから注意が必要です。


Q 利用するときの注意は

A 肝臓細胞を保護したり代謝酵素を増やすのではなく、刺激によって肝機能を高めるという作用のしくみからみて、肝硬変など肝臓の機能に余力がない人が利用することは大変危険です。ウコンの利用による肝障害もたくさん報告されています。
 「肝臓によい」とあいまいな宣伝によって売られ、消費者に間違ったイメージと利用法を広めていることは大きな問題です。


 ここでは以前私がサプリメント・健康食品で逆に不健康に 未知の副作用の危険性において、健康食品やサプリメントがむしろ危険になりやすいとした理由と同じようなことを、ウコンについても説明していました。ウコンという食品自体はまず安全であり、危険なものではありません。ところが、サプリメントとして製品化され、濃縮されたものを利用する場合、多くとりすぎることがあり、人によっては危険になるのです。


●その他のウコンの効果も宣伝の先行で、科学的な根拠がないものが多い

 なお、このサイトでは他の作用についてもまだ信頼性の高いものではないと、釘を刺していました。

・ウコンは二日酔いに効くとされているが、アルコールの分解作用の向上については、科学的な検証に耐える研究では認められていない。
・効果をあまり期待してはいけない。肝臓の健康な人が、飲み過ぎで痛めた消化機能の回復を早める程度だと思っておいた方が良い。
・「肌によい」「ダイエットによい」など肝臓以外への効能も宣伝されているが、まだまだ研究途上。
・消化機能が弱ったときに使うのは適切だが、健康状態を向上させようとして毎日用いるのは、根拠がない。


●鉄以外も問題か?ウコンにアレルギーもしくは中毒の関与の可能性も

 もう一つ、別サイトで《112》 ウコンは肝臓に要注意! - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)(酒井健司 (さかい・けんじ)2013年9月 2日)というところ。さっとしか事前に見ていませんでしたが、よく読んでみると鉄分以外の可能性に言及していました。これは他にない指摘ですね! まず、最初は以下の同じ説明がある部分です。

<ウコンは鉄分を豊富に含みます。ということはつまり、大量にウコンを摂取すると、慢性肝炎を悪化させるかもしれないというわけですね。
 実は、ウコンは肝臓には要注意なのです。内藤裕史著「健康食品・中毒百科」(丸善出版)によると、「ウコンは、1994年~2003年に日本で発生した痩せ薬以外の、健康食品・民間薬による薬剤性肝機能障害の4分の1を占め、原因物質として最も多い」のだそうです>

 ところが、この後、別の可能性について言及しています。

<鉄分過多が問題ではなく、普通の薬剤性肝障害と同様に、アレルギーもしくは中毒の関与が考えられます。ウコンは生薬としても利用されているそうで、薬剤性肝障害が生じても不思議ではないでしょう。ウコンの事例はいくつかの教訓を教えてくれます。
「天然由来だから安全とは限らない」。ときに人工物は危険であるが天然物は安全であるという誤解を耳にします>

 あと、一つ前のサイトと同じで、やはりここでも「バランスを崩すことがリスクを高める」という話をしていました。

<少量なら安全な食品であっても、大量・長期に摂取すると、健康障害が起きることがあります。前回もお話しましたが、食品そのものは安全でも、成分を凝縮しカプセルや錠剤の形にして毎日摂取することは避けたほうがいいでしょう>

 私は「健康なもの」という何か特別な食材や健康食品を食べるから健康になるのではなく、バランスよく食べるから健康なのだと、普段口を酸っぱくして言っています。ウコンの副作用は、そのバランスを崩す例としてたいへんわかりやすいものでした。


●「ウコンに効果なし」は誤報でも「効果あり」という意味ではない

2017/05/15:盛り上がっているタイミングでは書きそびれたのですが、その後、「ウコンに薬効なし」騒動の顛末 専門家指摘も「誤報」拡散され... 2017年02月21日 17時00分 提供:J-CASTヘルスケア という記事がありました。ただし、正直言うと、あまり良くない記事です。

 2017年1月末、一部のインターネットニュースが「ウコンの効果を否定する論文が発表された」と報じ、騒ぎになりました。このことについて、創薬メーカーでの勤務経験があるというツイッターユーザーが、「英語論文タイトルに一言も『ウコンに薬効がない』と記載はなく、むしろ『天然ウコンの抽出物が、人間の健康に有益な効果を及ぼす可能性を否定するものではない』と結び真逆の結論だ」と、記事が誤っていることを指摘したそうです。

 ただ、「ウコンに薬効がない」と、「天然ウコンの抽出物が、人間の健康に有益な効果を及ぼす可能性を否定するものではない」が、「真逆の結論」というのは全くもっておかしな話。真逆というのであれば、「ウコンに薬効がある」というものでしょう。こういう書き方をしてしまうと、ウコンの効果を誤解してしまう人が増えてしまいます。

 そして、実際「ウコンに薬効がない」は行き過ぎではあっても、基本的には否定的な方向性の研究と考えて差し支えない感じでした。実際に論文を読んだ医療ジャーナリストの市川衛さんは、「Yahoo!ニュース個人」2017年2月4日付「『ウコンは効かない』ネット騒然の論文を読んでみた」という投稿の中で、以下のように書いていたそうです。

<この論文が言いたいのは、これまで信じられてきた『クルクミンは、色々な病気に効果がある万能薬になりうる』という仮説はどうやら違っていたようなので、また新しい仮説を立て、それをひとつひとつ検証していかなければならないのではないか?ということです>

 ウコンやクルクミンの効果が全否定されたわけではなく、証明される可能性が残っているというのは事実ですが、今はまだ全然調べていない段階という話。科学では効果などを十分に証明することが大事で、「証明されていない効果をとりあえず信じておこう」なんてことはあり得ません。今のところ否定的なニュアンスで捉えておくのは、間違いではないでしょう。


【本文中でリンクした投稿】
  ■風邪をひくとカレーが食べたくなる? ウコン・クルクミンの効果
  ■サプリメント・健康食品で逆に不健康に 未知の副作用の危険性

【関連投稿】
  ■健康食品・サプリメントほぼ全部に科学的根拠なし 唯一あるのは?
  ■コエンザイムQ10の老化を抑える効果 副作用なしとされるも逆効果になるおそれ
  ■健康食品が広告ほど効果なしの理由 医師の推薦は信頼度最低レベル
  ■機能性表示食品とトクホの評価 「CONSORT声明」と「UMIN臨床試験登録システム」
  ■食べ物・飲み物・嗜好品についての投稿まとめ

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