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不適切会計の一因は国にも?国策企業・東芝と佐々木則夫元副会長の問題発言


 「あの会社は、もう“国策企業”だから」の「あの会社」というのは、東芝のこと。"重電業界では、東芝をこう評する言葉がよく聞かれる"そうです。

東芝、不正の土壌は“国との蜜月”か|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン(「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史、鈴木崇久、森川 潤  2015年7月28日)


●国の仲介で買ったシェールガスで失敗

 ただ、「国策企業」とは大げさですね。"重電分野を持つ企業は、電力やインフラなど官製需要に頼ることが多く、多かれ少なかれ、どの会社も国との関係は大きい"と記事でも書いています。

 とはいえ、"その中でも東芝と国の“蜜月”は際立っていた"というのが記事の内容です。たとえば、日本企業が相次いで痛い目に合っているシェールガスの件。
 2013年中ごろ、東京・霞が関。経済産業省の一室には、東芝、経産省の幹部らが、米国のファンド関係者と向き合っていた。

 「STPの電力を購入できるようにするから、シェールガスの契約を結ばないか」。米ファンドの関係者が切り出した。

 STP(引用者注:サウステキサスプロジェクト)とは、東芝が米国テキサス州で進めていた原子力発電所のプロジェクト。当初は、東京電力との共同出資の案件だったが、福島第1原発の事故を受け、東電が撤退。その後、米電力会社も離脱したことから、プロジェクトの実現性が不透明になっていた。

 そんな中で、救いの手を差し伸べたのが、経産省だった。原発事故後に原発が停止し、代替となる火力発電の燃料が大量に必要となる中、経産省は、当時価格が安かった米国産のシェールの調達を推し進めていた。(中略)

 こうして9月、東芝は米フリーポート社と、液化加工契約を結んだ。(中略)だが現在、原油価格が下落する中、シェールの価格優位性も薄れ、「誰も買い手がいない」(競合他社幹部)状況が続いてしまっている。

●うまく行っていなかったSTP

 同じダイヤモンド・オンラインがSTPに減損リスクがあると以前報じていました。
原発投資で最大600億円規模 東芝を揺るがす減損リスク|週刊ダイヤモンドSCOOP|ダイヤモンド・オンライン

 今回リスクが顕在化したのは、米国のサウステキサスプロジェクト(STP)。(中略)

「誰も諦めたわけではない」(東芝原子力事業関係者)と、プロジェクトの存続に懸けることで、かたくなに減損を拒み続けてきたのだ。

 STPが頓挫しかかって丸2年。それまで何とか、新日本の追及をかわしてきた東芝だったが、3年目を迎えた14年3月期に入って風向きが急速に変わる。

 これまでは東芝の見解にある程度の理解を示してきた新日本だったが、投下資金の回収が可能だと判断するに足る明確な根拠の提出を、強く求めるようになったのだ。

●ウェスチングハウスの買収も国策に従ったもの

 ダイヤモンド・オンラインの最初の記事では、"先述の米ウェスチングハウスの買収自体が、国が推し進めていた原発輸出戦略に寄り添ったものだった。だが、それ以外も枚挙にいとまがない"とも書いていました。

 ところが、ウェスチングハウスの話はここが初出だと思います。雑誌版の宣伝を兼ねた記事ですので、修正し損ねたのかもしれません。
ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー - Wikipedia

ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーLLCは原子力関連の広範な製品の販売とその関連サービスを行う多国籍原子力関連企業。核燃料、サービスとメンテナンス、制御と計測、原子炉の設計などを行っている。旧ウェスティングハウス・エレクトリック(WE)の一部で独立した原子力企業であったが、1997年にWEはCBSを購入し、原子力部門を英国核燃料会社に売却、2005年には東芝に売却され、現在は東芝グループの一部となっている

●国のために動く東芝と東芝のために動く国

 最初の記事にあった他の例というのは以下です。
 09年の仏アレバの送電網部門売却の際も経産省が出資する産業革新機構の後ろ盾になり、応札に乗り出した。その革新機構は11年、東芝によるスイスの電力計メーカー、ランディス・ギアの買収に際して550億円を出資している。

 このほか、半導体メーカーのエルピーダメモリが倒産危機に陥った際には、経産省の幹部が、東芝関係者を連れて提携を画策したり、国が医療輸出を掲げると、目玉である重粒子線治療のシステムに本格的に乗り出したりと、まるで東芝は、国の戦略を実現するために動いていると見紛うほどだ。

 さらには「一部の経産官僚が、東電の送電部門を東芝とくっつけて、世界的な送電会社にしようと構想していた」(経産省関係者)という話まで出るほか、逆に東芝側でも、先述のSTPの実現に向け、「東電の代わりに日本原子力発電に出資させるよう国を説得した」(東芝関係者)などと国を動かしたこともあった。

●自民党とも近い東芝の歴代社長

 トヨタ自動車の歴代社長の学歴・出身大学と学部 理系・文系多いのはどっち?で書いたように、産経新聞は国の国立大文系学部廃止・転換に絡めて東芝の社長を叩き、政権の援護をしていました。

 ただ、今回辞任したうちの1人である佐々木則夫元副会長は、自民党政権になって経済財政諮問会議に呼ばれた人なんですよね。あと、もっと政治の場に出てくることが多い西室泰三さんも、東京証券取引所会長の前は東芝だったというのにも驚きました。これは知りませんでしたわ。
(西室さんは、戦後70年首相談話の有識者会議の座長なんかもしています)
 特に、家電部門から社長になると、急に国との関係が深くなり、よりのめり込むこともある。

 そして引退後も、より名誉を求めるのか、財界活動にまい進する例も珍しくない。

 2000年まで社長を務めた西室泰三氏が代表例で、安倍晋三政権との距離も近く、日本郵政社長の座を得たほか、2代前の佐々木則夫氏も、日本経済団体連合会副会長や、政府の経済財政諮問会議の民間議員を務めた。


佐々木則夫 (実業家) - Wikipedia 最終更新 2015年7月28日 (火) 02:07

東芝電力システム社社長時代にアメリカ合衆国の総合電機メーカーであったウェスティングハウス・エレクトリックの買収事案に携わる。2008年に代表取締役副社長執行役員に就任。

2009年6月に、西田厚聰の後任として株式会社東芝社長に就任。2013年1月から、経済財政諮問会議の民間議員に就任(~現在)。2013年6月より、株式会社東芝副会長、日本経済団体連合会副会長に就任する。

●不正を求めているに等しい佐々木則夫元副会長の問題発言

 政治の話は置いておき、今回一番驚いたのは、佐々木則夫元副会長の発言でした。

 本文ではなく画像になっているところに、「社内で残り3日での営業利益120億円の改善を強く要求」とありました。こりゃ完全にアウトでしょう。

 田中久雄社長が利益のかさ上げ指示? 東芝の不正経理・粉飾決算疑惑で書いたように、「利益を上げろ」という要求だけでただちに問題だとは言えません。しかし、明らかに無理である場合は、事実上不正を要求しているのといっしょになります。

 3日間で120億円もの巨額の利益が改善することはあり得ないことですので、これならもう不正の指示とみなして良いと思います。

 あんまり最近関連記事を読んでいなかったので私が気づかなかっただけかもしれませんが、こんなヤバイ発言が大きく報道されていなかったというのは不思議です。


●ウェスチングハウスでさらに損失拡大の可能性

 2015/07/30追記:ウェスチングハウスの記事があったので紹介。過激な言い方しているところは割引が入りますが、ウェスチングハウスがうまく行っていないというのは確かな話なのでしょう。
断末魔の東芝、破滅に突き落とす原発ビジネス“負の遺産”とは 週プレNEWS / 2015年7月29日 6時0分(取材・文/姜誠)

「このWH(引用者注:ウェスチングハウスの略)の業績がさっぱりで、高値で買ってくれそうな企業はなかなか見つからない。原発世界最大手の仏アレバ社が経営危機にあえいでいることもあって、新たな原発ビジネスに進出しようとする企業が少ないんです。しかも、もし売却に成功したとしてもその後に爆弾が待ち受けている。それがのれん代の償却です」(前出関係者)

のれん代とは買収金額からその企業の純資産額を差し引いたもので、ブランド力や製品開発力など目に見えない無形資産を指す。

「WHの評価額はせいぜい2千億円から高くても3千億円とされていました。しかし当時の東芝経営陣が買収に6千億円以上ものお金をつぎ込んだため、少なく見積もっても3千億円以上の差額がのれん代として会社の資産に計上されてしまったのです。WHを売却すれば、これを償却しなければいけない。今の東芝にその体力はありませんよ」(同)

実際、東芝のバランスシートを調べると、のれん代はなんと1兆1538億円(2014年末現在)もの巨額に達していた。経済ジャーナリストの須田慎一郎氏が指摘する。

「のれん代が1兆円を超えるなんて、ありえません。経営陣が無謀な買収をし、その損失を表に出したくないから資産計上してやり過ごしてきたのでしょう。(中略)

本来なら東芝はのれん代が減損していることを認め、早い時期に引当金を積んでバランスシートを健全化しておくべきでした」

 関連
  ■田中久雄社長が利益のかさ上げ指示? 東芝の不正経理・粉飾決算疑惑
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