デザイナーベビー - Wikipedia
デザイナーベビー(designer baby)とは、受精卵の段階で遺伝子操作を行なうことによって、親が望む外見や体力・知力等を持たせた子供の総称。親がその子供の特徴をまるでデザインするかのようであるためそう呼ばれる。デザイナーチャイルド(designer child)、ジーンリッチ(gene rich)、ドナーベビー(donor baby)とも呼ばれる。
概要
デザイナーベビーは、遺伝子を選択して目や髪の色といった特定の身体的特徴を持つ子供の生まれる確率を上げる技術的アイデアである。1990年代から受精卵の遺伝子操作は遺伝的疾病を回避することを主目的に論じられてきたが、親の「より優れた子供を」「思いどおりの子供を」という欲求に従い、外見的特長や知力・体力に関する遺伝子操作も論じられるようになってきた。
優生学は、不良な遺伝子を持つ者を排除し、優良な子孫のみを増やすという思想です。米国インディアナ州で1907年に制定された世界初の断種法や、ドイツのナチスにおける優生政策など、人間は過去に大きな過ちを犯してきました。最近の科学の進歩によって、「デザイナーベイビー」という形で、再び優生学が問題になっています。科学技術の発展による私たちの健康への恩恵は多大ですが、越えてはいけない境界を慎重に見極めるべきでしょう。
北里大学医学部臨床遺伝学教授の高田史男は『身長や知能など親の「パーフェクトベビー願望」をかなえる検査が、ビジネスの世界で歯止めなく広がるのは危険だ。生活習慣病やがんなどのリスクは確定的なものではなく、多数の遺伝と環境因子が関わるという理解が必要だ』と懸念を示している。
池田早大教授「デザイナーベビー」の問題点を考察 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版(更新 2013/11/ 7 16:00) ※週刊朝日 2013年11月15日号
遺伝子と形質発現の関連がよく理解できていなかった頃、多くの生物学者たちは、ひとつの遺伝子はひとつの形質に対応していると単純に考えていたため、技術的な問題はともかく、原理的には理想のデザイナーベビーを作るのは簡単だと思っていた。たとえば髪の色がブロンドで、脚が長く、IQが高く、足が速い子供を作ろうと思えば、ブロンドの髪の遺伝子、脚を長くする遺伝子、高IQの遺伝子、足が速い遺伝子をもつデザイナーベビーを作ればよいといった具合だ。
ところが、発生遺伝学の発達に伴って、事はそんなに単純ではないことが分かってきた。ひとつの形質を作るためには、沢山の遺伝子たちが協同作業をしていて、しかも個々の遺伝子はひとつの形質に関与しているばかりでなく、いくつかの形質に同時に関与していることも分かってきた。
たとえば東洋人に多いみどりの黒髪と歯の裏側が凹状になるシャベル型の切歯の発現には同じ遺伝子が関与している。第二染色体のEDARという遺伝子はこの二つの形質の発現に同時に関わっているという。これが何を意味するかというと、たとえば足の速い遺伝子は、足が速いというポジティブな形質だけでなく別の形質に関わっているかもしれず、もしかしたらその中にはネガティブな形質もあるかもしれないということだ。
理想的な子供を作ろうとして良いと思う遺伝子を選択しても、それに随伴して余り好ましくない形質が出現する可能性もあるのだ。
(中略)実用化されれば、望まない子に育った時に誰が責任を取るかという社会問題が生じることは必定だと思う。
代理出産でダウン症児、豪州の夫婦が引き取り拒否:朝日新聞デジタル バンコク=大野良祐、シドニー=郷富佐子 岡崎明子 2014年8月7日05時02分
タイメディアなどによると、代理母はタイ中部シラチャーの食品行商の女性(21)。仲介業者を介した豪州の夫婦の依頼で昨年12月、男女の双子を産んだ。当初の契約では報酬は約30万バーツ(約98万円)だった。
妊娠7カ月ごろ、男の胎児がダウン症と医師と業者に告げられ、中絶を勧められた。出生前診断の結果とみられるが、拒否した。出産後、夫婦は健常の女児だけを豪州に連れて帰った。残された男児を、女性が自ら育てている。報酬は障害児を育てる分として加算され、50万バーツ(約164万円)を受け取ったという。(中略)
豪ABCテレビなどによると、豪州人夫婦は、西オーストラリア州在住。電気工の男性(56)には前妻との間に3人の子供がおり、現在の妻とは2004年に中国で結婚したという。
夫婦は友人を通じ、5日付の地元紙で①男児がダウン症とは知らなかった。医師からは「先天性心臓疾患で数日しか生きられない」と言われた②出産当時、タイが政情不安の状態ですぐに出国する必要があった、などと反論している。
豪州国内では夫婦への批判が高まる。
ブログ内 | ウェブ全体 |
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ |