ヨドバシカメラの話の他、ショールーミングの話もまとめ。<ショールーミング推奨アプリでヨドバシ.comが攻勢、アマゾンを追撃>、<むしろショールーミングを推奨するというまさかの対策の「大都」>、<ショールーミング専用店舗作ったニトリ、ネットで買って店舗受取りも人気>などの話をまとめています。
常識をくつがえせ! 小さいは、強い 町の電気屋 VS 巨大量販店1450日の攻防 江藤 健続 (著

●ネットで買って!ショールーミングをむしろ推奨するヨドバシカメラ
2015/8/4:
ヨドバシカメラ・ネット版のアマゾン超えに疑問 前提条件ひどすぎで書いたように、そこで使った記事はヨドバシカメラ・ネット版がアマゾンを超える?という部分についての話はひどかったです。ヨドバシがアマゾンを超えるとする根拠は全然ないひどい記事でした。
ただ、「頑張ってほしい」と思っていたと書いたように、ヨドバシカメラの試み自体には非常に興味があり、残りの部分も読もうと思っていました。すると、その間に多量にヨドバシカメラがすごい!という記事が出てきて、ブックマークにたくさん溜まってしまいました。最近のブームなんですかね?
とりあえず、今日は前回のひどい記事
ヨドバシの通販がアマゾンを超える?「来店客にネットで買わせる」巧みな戦術で急成長|ビジネスジャーナル スマホ(文=寺尾淳/ジャーナリスト 2015.05.18)の続きから読んでいきましょう。「アマゾンを超える?」以外の部分は良い内容かもしれません。
記事によると、ヨドバシカメラは、リアルからバーチャルに誘導するという戦略を取っています。具体的に言うと、「実店舗に来たお客さんに、ネットで買ってもらう」ということをやっているんですね。普通はリアル企業が苦しむ理由とされているショールーミングを積極的に使っているわけです。
店舗の全商品についている「バーコード値札」は、その戦略を象徴するもの。専用アプリで読み取ると、その場で「ヨドバシ」の該当ページに移行し、ショールーミング行為をやってもらっているわけです。ちなみにキャンペーンや特売品などを除けば、店頭もネットも価格は同じで、ポイントも共通化。また、店舗の販売実績としてカウントされるので、店舗からの不満も出ないとのこと。
●リアル店舗からネットに移っただけでヨドバシの利益になるの?
ショールーミングが問題となっているというのはだいぶ前から言われていて、
ヤマダ電機も打倒アマゾンへ ショールーミングには低価格で対抗でも書きました。このヤマダ電機は見事にコケています。一方、このショールーミングをむしろ推奨しようという動きも以前からありました。同じページの後半にまとめた<むしろショールーミングを推奨するというまさかの対策>のところで書いています。
ただ、ヨドバシカメラの場合のメリットはよくわかりませんね。記事では、売り場で見た商品をネットで買われたとしても、ヨドバシカメラ全体として売り上げが上がるのであれば、それでかまわないとされていました。でも、リアルからネットに移動させるだけでは全体の売上は増えず、むしろ経費が増えて利益が減っている気がします。
パッと思いついたメリットとしては、バーチャルに誘導することでネット販売の認知を高める、次回からもネットで買ってもらえるように癖をつける、メリットはなくてもリアルが尻すぼみなので今のうちに囲い込みしてしまう…といったところです。他のネットショップで買われるよりはマシでもあるでしょう。
●リアル店舗に在庫を置いておくだけで実は損失が出ている?
記事の場合は在庫の問題を挙げていました。これは他社でも一般的に期待されている、店舗に置けないものも買ってもらえる…というスタンダードな狙い。ただ、これはさっきの全商品にバーコードがついている…という話とは異なるケースじゃないかと思われます。
<リアルからバーチャルに誘導する戦略では、店舗に在庫がないような「レア商品」がロイヤルカスタマー(優良顧客)を生む効果もある。例えば、特定ブランドのレコード交換針などがそれだ。音楽CDの販売額がネット配信に逆転される時代に、アナログレコードを愛聴しているマニアは数こそ少ないが、アイテムへのこだわりは強い。
「『ヨドバシ』なら、あの針が必ずある」と信頼されれば、顧客満足度が高まり、ロイヤルカスタマーになる可能性も高まる。レコード交換針を買うついでに、レコードクリーナーやインテリア雑貨、酒類や本などにも手が伸びるかもしれない。250万アイテムを揃え、ワンストップ・ショッピングが可能な「ヨドバシ」の強みがそこでも発揮されることになる。(引用者注:実際にはヨドバシカメラの品揃えは、まだアマゾンや楽天市場に見劣りしていると言われています)>
読み直していて思いましたけど、在庫の数が少なくて済むというのは効果でしたね。店舗に置く商品を見本だけにするという極端なケースで考えるとわかりやすいでしょう。見本以外の商品を置くスペースが必要がなく、場合によっては展示するスペースや商品も増やせるかもしれません。
特に都市部などは地価が高く、効果が出そうです。リアルの商品が売れずにネットだけで売れれば、店の棚に補充する経費も削減できる可能性もありそう。このように考えていくと、リアルからネットに移っただけでも利益が見込める可能性もありそうです。(この2段落だけ2019/10/22追記)
●配送の便利さはアマゾンより圧倒的にヨドバシカメラ
なお、アマゾンとの比較で言うと、わかりやすいヨドバシカメラの優位性は、配達でした。この投稿を書いている時点では、アマゾンは「ヨドバシ」と違い、当日配送の完全無料化ができていません。当日配送を希望する場合、年会費3900円の「Amazonプライム」に登録するか、「お急ぎ便」で追加料金を支払う必要があります。
また、通常配送の翌日可能エリアもそれほど大きくはなく、東京23区内でも翌々日に配送されるケースが多いとのこと。一方、「ヨドバシ」の無料当日配送の人口カバー率は60%を超えているということで、圧倒的です。
また、この配送を含めた質の高さという点でも、ヨドバシカメラは信頼性が高いです。アマゾンではなく楽天市場の話ですが、様々な店舗を募るモール型のショップの苦手なところでしょう。ヤフーはさらに参加店舗の質が低く、楽天市場で不合格だった店舗がヤフーに行くと言われています。
確かカカクコムが分析していたと思うんですが、消費者は年々価格より質を重視するように変わってきているとのことでした。信頼性は今後より重要になっていくはずで、ヨドバシカメラの信頼性の高さが今後より大きな武器になっていくとも考えられます。
<将来、「ヨドバシ」が「Amazon」に追いつき追い越せるかどうかは、品揃え、配送、サービスなどの総合的な顧客満足度が決め手になりそうだ。
サービス産業生産性協議会が09年から発表している「日本版顧客満足度指数(JCSI)」で、ヨドバシカメラは家電量販店部門で5年連続1位を記録している。「ヨドバシ」も、14年度の通信販売部門で1位になっているが、単独ではなく「Amazon」、化粧品の「オルビス」と同点だった。顧客満足度でも、「ヨドバシ」は「Amazon」と張り合っている>
●そもそもショールーミングとは何?リアル店舗が苦しんでいる理由
「ヨドバシカメラ・ネット版がアマゾンを超える?」以外の部分は、そこまでひどくない記事でしたね。これで終わりでも良いのですが、ストックがたくさんありますので、もう一つ記事を読んでみましょう。
ああ、こっちもショールーミングの話が出ていました。最初にしておくべき話でしたが、ショールーミングの説明をどうぞ。
ヨドバシが王者アマゾンを猛追する転機となった消費者のある行動 日刊SPA! / 2015年7月25日 16時12分<取材・文・撮影/北村篤裕>では、以下のように説明しています。
<家電量販店を苦しめる理由のひとつに「ショールーミング」という消費者の行為が挙げられる。ネットショッピングが浸透した今では、家電製品などを買う際に、小売店で商品の実物の印象や手触りなどを確かめて、その場では買わずにスマホなどでネット通販で注文する購買行動が定着しつつある。消費者にとって小売店は、商品を見るショールームに過ぎないわけだ>
●ヤマダ電機でショールーミングしてヨドバシカメラで買うってこと?
こっちを読んでいると、ヨドバシカメラ以外のお店で見てヨドバシ.comで買うみたいな話も。これは想定外。普通のショールーミングならネットの最安値店で買うなど、ネットでも比較して買うのでしょうが、ヨドバシのアプリを使っていればヨドバシで買ってくれます。これならヨドバシカメラは売れなかったはずの商品が売れて、利益だけ得ていますね。
<これはアマゾンだけでなく、他の家電量販店にとっても他ならぬ脅威となるだろう。「ショールーミング」が消費者に根づいてしまっている以上、ヤマダやケーズで実物を確認してヨドバシ.comで購入することが可能になるわけだから>
なお、前述の信頼性や配送の良さで、ネット店舗同士で比較してもヨドバシが最良だと選ばれる可能性があります。
●ショールーミング推奨アプリでヨドバシ.comが攻勢、アマゾンを追撃
最初の記事は「そこまでひどくなかった」と書きましたが、そういや注記したように品揃えのあたりの話もひどかったですね。日刊SPA!では、"「ヨドバシ.com」の商品ラインナップや在庫はあまりにも少なく、お目当ての商品を買えないことがしばしば起こる"として、むしろ弱点だとしていました。
あと、ネットへの誘導の件ですが、リアル店舗の売上が伸び悩むあるいは縮小することは予想できて、逆にネット通販の重要性が高まることが間違いないことを考えると、先見の明があると評価して良いかもしれないなと思いました。
また、2つ目の記事でも、アマゾンよりも発送が早く、商品の取り扱いや店員の対応が丁寧だと好評とありました。途中でも書いたように、ヨドバシ.comの質の高さは今後ますます大きな武器になってきそうです。
●むしろショールーミングを推奨するというまさかの対策の「大都」
2022/07/16:ここからヨドバシカメラの話より先に書いていたショールーミング関連の話。<むしろショールーミングを推奨するというまさかの対策>や<ショールーミング推奨のお店 ネットだけリアルだけでは限界が来る リグナ,オーマイグラス,大都などの試み>のタイトルで書いていた投稿でした。
2014/12/24:
「もう、ネットだけやっててもダメ」:日経ビジネスオンライン(中川 雅之 2014年8月18日)で出ていた「大都」。ここはもともとネットの企業で、"楽天の「楽天市場」で、商品カテゴリー別の販売額で2年連続トップになるほど、業界では名の知れた存在"でした。
しかし、山田岳人社長は「価格競争が激しいネットでは、売り上げが伸びても利益の伸びに限界が来る。ネットで売れないような接客商品をどう売るかを考えた」といい、今年4月に実店舗の開業に踏み切っています。
おもしろいのがこのお店、来店客にわざわざネットで買うことを勧めていることです。「ネットでも良い」を超えて「ネットが良い」という推奨です。記事には記載がありませんでしたが、これはリアル店舗が困っているショールーミングをむしろ推奨したものだと言えます。
●リアル店舗への補足としてネットを利用、ロフトのオーマイグラス
こういうショールーミング推奨のお店をやるというのは、確か以前も有名なリアル店舗の小売店でのものがニュースになっていた記憶。そのときは違う店だったと思いますが、今回の記事で出ていたのは渋谷ロフト。"今年10月をメドに、店内に入居したテナントが積極的に「どうぞネットで買ってください」と勧めることを認め"るという話が出ていました。
来店客に会員登録を促したり、識別番号のついた割引クーポンを配布したりすることで、まず、ロフトの客だとおいうことを特定しておきます。そして、後日ネットで買った場合、売り上げに対し歩合で請求するということを考えているようです。
ロフトの眼鏡通販サイトオーマイグラスの実店舗の場合、"店内に陳列できる眼鏡は数百点程度に限られる"ので、"その場にない商品はタブレットで紹介するほか、顧客宅に返品可で届けたり、店に取り寄せたりする"ということをしています。これはショールーミングとは違う形、リアル店舗への補足という試みです。
●家具専門ECのリグナは、ネットをリアル店舗で補足する方向性
逆にEC(Eコマース)、ネットの補足という形なのが、家具専門のEC(電子商取引)企業リグナの「リグナテラス東京」です。
<すわり心地、素材の風合い、他の家具との組み合わせによる空間の雰囲気――。家具は、実際に目で見て確かめたいというニーズの多い商材だ。画面上の画像や文字で、デザインや材質、大きさなどの情報を得ても、それだけでは消費者がなかなか納得しない。高額で、大型の商品が多いこともある>
確かアマゾンもアメリカで実店舗を実験的にやっていたんじゃないかと思います。ネットだけだと心配ということはありますよね。
●多くの人が来るお店ではなく、あまり人が来ないお店で良い理由
また、リグナの例はおもしろいですね。実店舗の使い方が予想外なのです。まず、「リアルの拠点が必要なのは、クロージングのため」と、リグナの小澤良介社長は話します。クロージングというのは、「最終的な売買契約」のこと。なので、ある程度ネットで購入を決めておいて、最後の購入のためにリアル店舗へ…という形のようでした。
<家具の購入を検討する人がネットで情報を探し、欲しいものを見定めてから来店する。初めから購入意思のある人が来るため、同じ仕組みで運営していた以前の早稲田のショールームでは、来店した人のうち実際に家具を購入した人の割合は5割を大きく上回っていた。(中略)
リグナテラスでは、いわゆる小型のインテリア雑貨などはほとんど置いていない。空間演出の展示に必要な商品など、一部はあるが店内に多数の在庫を持つようなことはしていない。
家具店では購買頻度の少なさを補うため、そうした雑貨類に一定の売り場を割くことが少なくない。人通りの多い一等地に店を構え、購入意思が弱い「一見客」を呼び込み、買いやすい小型で安価な商品を購入してもらって収益を稼ぐ。そんなビジネスモデルだ。
リグナはその逆を行く。ネットからの集客を前提に、来店者を「購入意思の強さ」でふるいをかける。見つけにくい立地には目をつぶり、その代わり大き目の物件に入居。小物類の在庫などにはスペースを割かず、ネットではできない「家具による空間づくり」を優先する。一見客の接客応対に人を割かず、店員の商品知識などの平均レベルを上げる>
実店舗だと来る人が限られると思うんですが、"北海道や九州など、遠方からの来店も多"いという奇妙なことになっています。そのため、新しい店舗はJR東京駅の近くにしたみたいですね。
リグナは客を除去することで客層を絞り込んでいるように見えます。一方、先ほどのオーマイグラスは、陳列するメガネを大幅に減らしていました。ネットとリアル両方あることで、何らかのものを削れるのです。また、オーマイグラスのアプローチは、今ある実店舗でも同じことができるでしょう。
●ネットにはネットの、リアルにはリアルの長所がある
同じような話だろうなといっしょにブックマークしていた
20兆円市場争奪 リアル店舗の逆襲でEC大乱戦 :日本経済新聞(2014/8/12 7:00 日経ビジネス 井上理、原隆、中川雅之、染原睦美)でも、最初の大都が出ていました。
最初の記事では載っていませんでしたが、大都の実店舗の名前は「DIY FACTORY OSAKA」(DFO)と言うようです。また、こちらの記事ではズバリ「ショールーミング」という言葉も使っていました。
大都の山田岳人社長は、「ネットにはネットの、リアルにはリアルの長所がある」とおっしゃっています。
"消費者がリアルの店に「ショールーム」としての機能を求めるなら、その機能を磨き上げ、ネットにはできない価値を提供すればいい"ということです。たとえば、「顧客が試したいものを試せるようにする」ということです。
●ネットの良さを取り入れたリアル店舗は強い
こっちの記事はロフトのオーマイグラスもかぶっていました。向こうでなかった情報としては、"一般のメガネチェーンの数倍以上に当たる、約2万点の商品を取り扱"っているということ。2万点は向こうでも書いていたんですが、一般店より多いとは知りませんでしたので特筆性を感じず、取り上げませんでした。
このロフトはセブン&アイ・ホールディングス傘下ですが、アマゾン・楽天の脅威になりそうなのがセブン-イレブンです。(2019/01/25追記:セブンはコケましたね。関連:
鈴木敏文・鈴木康弘親子のセブンイレブンの失敗事業オムニセブン)
EC最大の課題は物流とされる。もはや物流大手の配送網はパンク状態で、物流費の高騰がEC各社を悩ませている。リアル拠点がない企業は物流大手の値上げ圧力に屈するしかない。だが、自前の物流網があれば自由度は飛躍的に高まる。約4000カ所のヤマト運輸の営業拠点数をはるかに超え、約2万ある郵便局(簡易郵便局を除く)の数にさえ迫るセブンの拠点網は、ネット各社から垂涎(すいぜん)の的だ。
この物流網を使えば、楽天やアマゾンなどのネット大手を置き去りにする配送サービスの実現も不可能ではない。鈴木敏文セブン&アイ会長が「将来はユニクロの商品を届けることもあり得る」と豪語するように、セブンがあらゆるECの「宅配インフラ」に化ける可能性もある。そうなったとき真の意味で、EC専業に押され気味とされてきた「リアルの逆襲」が始まる。
●リアル店舗の逆襲…ではなく、ネットだけリアルだけでは限界が来る
"オーマイグラスのアプローチは、今ある実店舗でも同じことができるでしょう"と書きましたが、実際考えているところはもうあるみたいです。
ヤマダ電機も打倒アマゾンへ ショールーミングには低価格で対抗で書いたように無謀な戦いを挑み、
ネット対抗のヤマダ電機、数百億円損失という事態になったヤマダ電機もその一つ。
靴チェーンのエービーシー・マートも、電子機器を在庫の補完に活用。約250あるタブレットの配備店数を今期内にほぼ全店に当たる3倍に拡大するそうです。ここらへんはむしろなぜ今までやっていなかった?とも言われそうな話でもありますが…。
「リアル店舗の逆襲」と日経新聞は盛り上げていましたが、それよりはリアル店舗とネット店舗の境目がなくなっていくという方向性だと思います。
リアル店舗はネット店舗的な機能を補完し、ネット店舗はリアル店舗の良さを求めてリアルに進出していくのでしょう。「ネットだけ」「リアルだけ」という発想は、徐々に過去のものとなっていきそうです。
●ショールーミング専用店舗作ったニトリ、ネットで買って店舗受取りも人気
2019/10/22:
海外に工場を作っても無理…円安なのになぜニトリは安いのか?の追記で使った、
32期増収増益の「ニトリ」がつくった物流でもうかる仕組み|日経BizGate(2019/10/18)という記事。ここでは、ニトリのショールーミングの話もあり、テーマ的にこちらに合わせた方が良いような話題でした。
作者の角井亮一・イー・ロジット代表取締役社長によると、2017年6月、「ニトリ渋谷公園通り店」を対象にした「手ぶらdeショッピング」という新サービスをスタートしています。ニトリアプリを使って、店内に陳列された商品の専用QRコードを読みこませると、ニトリネットと連動し、簡単に買い物処理ができるというサービスです。
ただ、これ、実は逆転の発想で生まれたもの。渋谷公園通り店はビルの1階から9階まで、合計1510坪の売場面積があるものの、大物家具を陳列するとそれだけで売場の5割近くを占めてしまい、効率の悪い陳列になってしまいました。そこで売場としての効率の悪さを逆手にとり「大物家具のショールーミングスペース」としたみたいです。
このサービスでは、2019年2月期の累計で約2万2000件の利用があったそうですけど、「ネットで注文し、店舗での受取り」を選んだケースが約16万件ということで、こっちの方が多いとのこと。後者は渋谷公園通り店以外も含めた数字ですかね。コンビニ受け取り的な感じですけど、こういった需要はかなり強いことをうかがわせます。ニトリはリアル店舗をうまく活かしているとも言えそうです。
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