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アメリカの教科書では原爆投下をどう教える? トルーマンの決断についての設問など


2015/8/8:
●アメリカ人の56%が原爆投下を正当と考える
●日本人の娘がアメリカに洗脳される…と危機感 教科書にびっくり!
●アメリカ大統領の原爆投下は正しかったのか? 生徒に考えさせる質問
●ただひとつの「史実」ではない複数の答え
●トルーマン大統領への批判と賞賛
2020/08/09:
●アメリカの若者の7割「核兵器は必要ない」 一方、日本政府は?
●日本への原爆投下は「許されない」が多数派で、日本人以上の関心
2020/08/31:
●核兵器禁止条約をむしろ批判!どこの国の総理だかわからない…


●アメリカ人の56%が原爆投下を正当と考える

2015/8/8:この投稿は、2014年の夏か秋にできあがっていたものですが、タイミング合わなかったので1年近く待っていました。で、下書き終えた後に原爆投下に関する米国民 原爆投下は「正当」56%、日米間で大きな溝(TBS4月8日(水)12時29分)というニュースを見つけましたので、最初にこれを紹介しておきます。
 この調査は、アメリカの調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が日米の市民それぞれ1000人を対象に行ったものです。(中略)

 第2次世界大戦中の広島と長崎への原爆投下については、アメリカ人の56%が「正当だった」と答え、「正当ではなかった」との見方は34%にとどまりました。これに対し、日本人では「正当ではなかった」が79%に達し、「正当だった」の14%を大幅に上回り、日米間で意見の隔たりが大きいことが改めて浮き彫りとなりました。

 ただし、以下のような傾向も見られました。
アメリカ人でも「正当だった」と答える若い世代は全体より9ポイント低くなるほか、男性や白人の方が正当と考える割合が高いなど、世代や性別などで差があることも明らかになっています。

 他に以下のような話も聞いていたみたいです。
VIDEO NEWS日本は重要な友好国だが軍事力の増強には慎重・世論調査にみるアメリカ人の対日感情の変化 » 2015年4月11日

 アメリカの調査機関「ピューリサーチセンター」が戦後70年となる今年の2月、日米両国でそれぞれ1000人を対象に世論調査を行った結果、日米両国の国民のお互いに対する認識に数々の興味深い変化が生じていることがわかった。
 ピューリサーチセンターが4月7日に発表した「アメリカ人・日本人 第2次世界大戦終結から70年後の相互認識」によると、中国の軍事的・経済的な台頭によって日米関係がより重要になっていると回答したアメリカ人は60%にのぼった。しかし、その一方で、日本が東アジア地域の平和を維持するためにより大きな軍事的役割を果たすべきかどうかについては、果たすべきと答えた人が47%だったのに対し、軍事的な役割は抑制すべきと答えた人が43%と、日本の軍事拡張に対しては依然慎重論が強いことも浮き彫りになった。(中略)

 また、 安倍首相のアメリカでの知名度がとても低いことも明らかになった。メジャーリーグで活躍中のイチロー選手に対して47%のアメリカ人が好感を持っていると答えたのに対し、安倍首相に好感を持つと答えた人は11%にとどまった。73%が安倍首相の名前を聞いたことがないと回答している。

●日本人の娘がアメリカに洗脳される…と危機感 教科書にびっくり!

 では、もともと下書きで書いていた話。アメリカは原爆投下をどう教えているのか? 東洋経済オンライン(山田 順 2013年08月14日)の作者である山田順さんの娘さんは、アメリカと中国の教育を受けたそうです。この記事はアメリカ時代の話みたいですね。

 山田さんは、"アメリカ側の一方的な見方が植え付けられてしまう"という危機感を抱き、"アメリカの教科書はどのように戦争を扱っているのか、まず読んでみることにし"ました。ところが、これが驚きの連続だったといいます。

 まず驚いたのが内容の前に、教科書の分厚さでした。"娘が中学生のとき、「Social Studies」(社会科)の授業で使っていた教科書は「The American Nation」(Prentice Hall / Pearson)"は、"1000ページぐらいあった"そうです。他の教科書も"みな分厚く、日本の教科書に比べたら3〜4倍のボリュームがある"とのこと。

 おもしろいのは、"教科書は生徒に配布されるのではなく貸し出されるので、使い終わったら返さなくてはならない"ということ。日本とだいぶ違いますね。

 私は面倒でそんなことしていませんでしたが、日本では大事なところにはアンダーラインを引け!と指導する先生もいます。アメリカでこれをやったら怒られそうです。


●アメリカ大統領の原爆投下は正しかったのか? 生徒に考えさせる質問

 話が逸れてしきちゃいましたが、記事の話に戻ります。記事で問題になっている日本への原爆投下の記述について。

 まず、"連合国の指導者たちは、ポツダムから日本に対し、降伏しなければ「ただちに徹底的な破壊」が行われるだろうというメッセージを送りました。しかし、日本の指導者たちはポツダム宣言を無視したのです"とあります。

 それから、原爆投下。広島で"爆発によって少なくとも7万人が死亡し、同じ数の人間が負傷"、長崎でも"住民約4万人が一瞬にして死亡"、さらに"長崎でも広島でも、さらに多くの人々が、爆弾から放出された死に至る粒子、放射能によって亡くなった"と記述しています。

 これらは淡々と書かれているだけですが、作者が驚いたのがその後です。レビュー欄に、「トルーマン大統領は、どういう理由で原子爆弾を使うことを決めたと思いますか?」という質問がありました。

 "アメリカでは「原爆投下は犠牲者を少なくするため」とされていて、その正当性は問題になっていない"とされています。しかし、"この教科書では、この点をわざわざ生徒に問うている"ようです。加えて、以下のような質問もあります。
戦争後、トルーマン大統領は、原子爆弾使用に同意したことについて、「それは戦争の苦しみを早く終わらせ、何万人ものアメリカの青年たちの命を救うためだった」と語りました。この大統領の決定は正しかったと思いますか? あなたの意見の根拠を述べなさい

●ただひとつの「史実」ではない複数の答え

 これ以外にも原爆投下について、「何かの生き物、新種の存在物が、われわれの目の前で誕生した。われわれは、自分の見ているものが信じられなかった」と書いた1945年9月9日付け『ニューヨーク・タイムズ』紙のウイリアム・L・ローレンス記者の記事についての質問があります。
いろいろな見方があることを知ろう。
(a)この文章から、記者のどういう気持ちを感じますか?
(b)原子爆弾の爆発を、記者は何か恐ろしい怪物にたとえているのでしょうか?
 あなたの見方を述べなさい

 "こうした教科書の記述から、私は、アメリカにはいまも原爆投下に対しては異論があること、アメリカ人が罪の意識を持っていることを知った"と作者は言っていました。

 実際にアメリカ人がどう考えているかは不明ですが、少なくともこの教科書では、原爆投下の正当性を強調し、一方的な見解を押し付けるようなものにはなっていません。

 作者によると、"アメリカの歴史教科書は、単なる史実の記述だけではなく、それをどう捉えたらいいのか、少なくとも生徒に「考えさせよう」と編集されている"ようです。

 当然そうなると"答えはいくつもある"わけですが、"生徒がどんなに乱暴な意見を言おうと、それを「間違っている」と教師は言わない"とのこと。"この点、生徒一人一人を尊重していると言えるだろう"と作者はしていました。

 こういうのは日本でも国語や道徳ではありますよね。少なくとも私はそういう授業を受けてきました。教科書のごんぎつねの感想文で解釈論争 日本的価値観の現れか?みたいな話も、私はこのような形式で行われた授業なのだと想像していました。

 これは飽くまで国語や道徳の授業であり、社会科では私もこういうタイプの授業を受けた覚えがありません。


●トルーマン大統領への批判と賞賛

 ちなみにトルーマン大統領の原爆投下決断の記述については、ハリー・S・トルーマン - Wikipedia(2014年10月16日 (木) 16:14)を読むと、若干印象が異なってくるかもしれません。
ポツダム入りした米陸海空軍参謀本部は、首脳会談の前に合同会議を持ち、「ソ連が参戦する予定であることと、天皇制存続を認めれば、日本の降伏は今日にでもありうる。日本はすでに壊滅状態で、原爆を使う必要はなく、警告すれば十分」との結論を出した。しかしトルーマンはその結論を信用しなかった。(中略)

1945年4月の時点で原子爆弾の完成予定を知っていたトルーマンは、核の力でソ連を抑止できるという考えがあった。日本への原子爆弾投下命令を最終決定した。(中略)

トルーマンが原爆投下を決定した背景として、その開発に当たって使用したアメリカ史上でも最高の、国家予算の20%(日本の国家予算の3倍)にも及ぶ、当時で19億ドルもの予算を議会に事後承諾させ、更に今後も核開発に予算を計上させるための成果が必要だった事、実戦での評価(実験)、戦後の覇権争いでソ連に対して優位に立つという目的があったとするほか、人種的偏見があったとする説もある。後述において原爆投下への批判がある。

 一方で"アメリカでは未だに「戦争を早期終結に導き兵士の命を救った大統領」という評価が定着している"という記載もありました。原爆投下はやはり正当化する意見が優勢なのかもしれません。

 また、海外の反応「日本への原爆投下は当然」「東京大空襲なんて知らない」で出てきたイギリスの話では、自国に不利な事実を隠しているといった話も出ていました。

 日本でも「自虐史観」と言って批判的な勢力がありますし、ここらへんの自国の歴史をどう教えるのか?というところは、かなり神経を使う話になりますね。


●アメリカの若者の7割「核兵器は必要ない」 一方、日本政府は?

2020/08/09: 5年前の時点でも若者と高齢者で差があったのですけど、今の若者ではさらに極端になってきているようです。「アメリカでは若い世代を中心に、『原爆投下によって戦争を終えることができた』という認識が変わってきている」と指摘されていました。

 NHK広島放送局は被爆から75年となることし、「平和に関する意識調査」として広島県、広島県以外の全国、それに、アメリカの18歳から34歳を対象に、インターネットでアンケート調査を行っています。これを紹介した記事自体は、<被爆から75年 アメリカ人約7割「核兵器は必要ない」 | 核兵器禁止条約 | NHKニュース>(2020年8月3日 21時21分)というタイトルでこれがメインです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200803/k10012548651000.html

 「核兵器」の必要性について、二者択一で聞いたところ、広島県と広島県以外の全国で同じ傾向となり、日本人のおよそ85%が「必要ない」と答えました。さらに、核兵器を保有するアメリカでも70%余りが「必要ない」と答えています。核兵器を必要ないと考える人は、日米ともに多いようですね。

 なお、日本政府は日本の国民やアメリカの国民と違って、核兵器が必要という立場。しかも、かなり積極的に必要と考えているように見える立場であり、国際的な会議などではそういった動きをしています。例えば、核兵器の非人道性を訴える共同声明に署名しない…といったことを近年やっていました。


●日本への原爆投下は「許されない」が多数派で、日本人以上の関心

 元記事タイトルは<<被爆から75年 アメリカ人約7割「核兵器は必要ない」 >であったように、「核兵器」の必要性についての話がメインだった模様。ただ、このページのテーマにピタリと合う75年前にアメリカが原爆を投下したことについても、NHKの調査では質問。アメリカの若者たちで「許されない」と答えた人は41.6%で、「必要な判断だった」と答えた31.3%を上回っていました。

 記事では、うちでも紹介していた5年前の調査で、広島と長崎への原爆投下について、18歳から29歳のアメリカの若者の47%が「正当だった」と答えていたと指摘。5年で変化した…という流れにして、SNSでもそう受け止められていました。ただし、調査方法が異なるため単純な比較はできないと記事に書いているように、これは疑問ですね。同一方法で継続的な調査が必要でしょう。

 とりあえず、NHKの調査から、若いアメリカ人の関心の高さがわかるのは事実。戦後、被爆者が中心となって原爆被害の悲惨さを広島から国内外に訴え続けてきたことに関連して「原爆についてもっと知りたいと思うか」聞いた質問。日本人が7割程度だったのに対し、アメリカ人は80.5%で、日本人より高い割合となりました。

 アメリカではネットで被爆者からの被爆体験を聞いた人が多く、なんと34.8%が経験ありと答えています。さらに、「聞いたことがない」と答えた人のうち、アメリカでは6割以上が「被爆体験を聞きたい」と答え、原爆について、日本よりアメリカの若い世代で高い関心が示されていたといいます。

 ただし、今回は飽くまで若者の調査。もともと若者の支持は高くないものの、国民全体としては核兵器の近代化を進めているトランプ政権が人気だというのが現実。記事ではありませんでしたが、トランプ大統領は核廃棄条約も破棄を表明し、後に正式に離脱しています。こういう人を日本の首相がノーベル平和賞にふさわしいと推薦したってのがまた不思議な話なんですけど…。


●核兵器禁止条約をむしろ批判!どこの国の総理だかわからない…

2020/08/31:前回名前を出した安倍首相は、長崎市で開かれた2020年の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席したときのあいさつが、広島市の平和記念式典でのものとほぼ同じだったということで大きな話題に。「使い回し」「コピペ」という内容で、被爆者団体などからは「ばかにしている」といった声が出ていました。
(首相あいさつ93%一致 広島と長崎、過去例とも類似 被爆者「ばかにしている」 毎日新聞2020年8月10日 20時18分より)

 ただ、今回追記したかったのは、核兵器関連の条約に関する話の補足。安倍晋三首相は2020年8月9日、長崎市平和祈念式典でのあいさつや被爆者代表と面会したものの、核兵器禁止条約に批判的な姿勢を示しました。この態度は以前からで、3年前には、一人の男性被爆者が、核兵器禁止条約参加を直接求めたこともあったそうです。

 この男性被爆者は当時、「あなたはどこの国の総理ですか。今こそ、あなたが世界の核兵器廃絶の先頭に立つべきです」と言ったとのこと。これはその前月に国連で採択された核兵器禁止条約に、唯一の戦争被爆国である日本が賛同しなかったためでした。アメリカ大好きな安倍首相なら「日本への原爆投下は正しかった」くらいまで思っているかもしれませんね。
(3年前「どこの国の総理ですか」 安倍首相に80歳被爆者「私たちには後がない」<長崎原爆の日>:東京新聞 TOKYO Web 2020年8月10日 05時50分より)


【本文中でリンクした投稿】
  ■海外の反応「日本への原爆投下は当然」「東京大空襲なんて知らない」

【関連投稿】
  ■教科書のごんぎつねの感想文で解釈論争 日本的価値観の現れか?
  ■アメリカ国務省「原爆投下も国際法違反か」の質問に立腹 シリア軍事介入問題
  ■アインシュタインが原爆(原子爆弾)の開発者という日本人の誤解
  ■戦艦武蔵は先に見つけてた!ポール・アレン氏に日本人団体が異議
  ■北岡伸一「安倍晋三首相に侵略したと言わせたい」首相重用の学者だった
  ■南京大虐殺、安倍首相も政府も否定せず 日中歴史共同研究も批判
  ■自民党有志が戦艦大和の引き揚げ検討 税金の無駄遣いや墓暴きと批判
  ■有識者会議70年談話 満州事変以後を日本の侵略戦争、中韓とは和解、東南アジアには謙虚に
  ■雑学・歴史についての投稿まとめ

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