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スターバックスとあるホテルのおもてなしの違い ホラクラシーの概念


●いい加減すぎだろ!マレーシアのスターバックスのクオリティ

2015/8/10:ある記事で出てきたマレーシアのスターバックスの話がすごいな!と思ったものでした。午前8時開店のスターバックスにいつものように渡部幹准教授が行ってみると、灯りがついていません。なんとまだ開店準備をのんびりとやっている最中だったようです。

 注文できるか聞くとできたにはできたものの、灯りもつけずにそのままのんびりとコーヒーを淹れます。一応無事コーヒーは来たので飲み終えて会計に行くと、今度は 「お金はいいです。レジ動かないから」と。笑いましたわ。適当すぎです。

 タダで飲めたのはラッキーでした。ただ、店員さんがすまなさそうにする様子はなし。"そこで怒らないのはマレーシア人のいいところだ"そうですが、他の客には"「ごめんね。レジ動かないから、注文聞けません」とだけ言うと、カウンター裏に引っ込んでしまった"とのこと。すごいですね。

 いつものように…と書いたように、以前はちゃんとこのスターバックスも8時に空いていました。どうもメンバー総入れ替えをしてからダメになったようです。本当にすごいな!というのが、これが開店初日だけの話ではなく、"結局、その「開店時間に開店できないスタバ」はいまでも、8時には暗いまま"ということ。いつまで経っても是正されていないのです。

 マレーシアクオリティは前述の通りなのでお察しなのですが、グローバル企業であるスターバックスが放置しているというのは不思議。スタッフという個人の問題だけでなく、組織として問題がありそうです。
(接客スキルが低いのに顧客満足度は高いホテルが実践していたこと|ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹|ダイヤモンド・オンライン( 渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授] 2015年5月27日)より)


●スターバックスに負けず劣らずの素人ホテルがなぜか大人気

 渡部幹准教授はこのスターバックスについて、<筆者が気になったのは、無責任な責任者だけではなく、他の従業員も「客を待たせてすまない」とか「店の責任を果たしてない」という感覚をもっていたようには全く感じられなかったこと>だとしていました。

 <お金さえもらえて、言われた仕事をしておけばいい。筆者にはそのように感じられた。つまり、接客業、サービス業でありながら、客をほうを向いて仕事をしていない>とも書かれています。対価に見合った仕事以上のものを求めるのは間違いですから、これでも良いケースはあるでしょうけどね。

 一方、対照的だったというのが、世界大手のホテル経営会社でベテラン日本人社員をトップに据えたクアラルンプールのあるホテル。実はこちらも完璧なホテルではありません。それどころか、以下のようににこっちもヤバそうな感じなんですよ。

・ホテルはまだグランドオープンには至っておらず、2ヵ月間ソフトオープンのまま。
・もともとコンドミニアムだったそのエントランスは、マンション然としていて、ホテルのエントランスには見えない。
・入口には、守衛が一人だけ。
・その守衛はマレーシアに出稼ぎにきた外国人らしく、英語もうまく話せない。身振り手振りで話してやっと中に。
・ロビーに入っても誰もいない。フロントフロアまで、エレベータで上がっていって、初めてホテルスタッフに会えた。
・スタッフも制服の着方や身のこなし方が板についておらず、素人くさい。サービスクオリティははっきり言って低い。

 じゃあ、こっちのホテルも感じが悪いのか?と言うと、「対照的だった」というように全く評価が違うのです。

・広告は出さずに、ホテル検索サイトの登録のみで客室の稼働率は8割を超える。
・クアラルンプールでは通常、4つ星ランクはビジネスマンが多いため、休日よりも平日に混むが、このホテルは土日も変わらぬ人気。
・インターネット予約サイトでは、ほとんどの人は10点中8点以上の高評価。


●スターバックスとの違い…接客スキルはないがおもてなしの気持ちがある

 では、何が人気なのか?と言うと、渡部幹准教授の知り合いの日本人記者によれば、以下のようなところだそうです。一言で言うと、接客スキルはないがおもてなしの気持ちがあるといった感じでしょうか。

<従業員と客が、程よい距離感で親しくなっている。サービスクオリティは、最高とは言えない。どうみても、経験の少ない者、あるいはアルバイトとしか思えない者も多い。だが、彼らは接すると大変気持ちのよい対応をする>

 日本人支配人によれば、「『お客様を大切にしよう、お客様にできることをできるだけしよう』というコンセプトが重要であることを繰り返し教育しています」とのこと。スキル教育や設備の充実ではなく、ヴィジョンの浸透を重視しているようです。

<支配人は、一流ホテルが提供するような、1から10まで目の行き届いたサービスを提供するのは、今の環境と人材では無理と判断した。ならば、お客様にとって、もっとも重要なものを提供することから始めるべきと考えたのだ。ホテルらしからぬたたずまいも、エントランスの不便さも、優先順位としては高くない。それよりも、気持ちのよい接客、そこに滞在することの心地よさが重要となる>


●ザッポスの「ホラクラシー」に通じるマレーシアのホテル

 渡部幹准教授はこのホテルの話を聞いて、ザッポスという、アメリカの靴のオンライン小売大手企業のことを思い浮かべました。最近ザッポスが導入した「ホラクラシー」という組織哲学を思い出したといいます。

<徹底した接客サービスで有名なザッポスは現在、会社内のヒエラルキーや肩書を取り払う新しい組織体系に移行している。その根底にある哲学がホラクラシーだ。意思決定権限や命令系統が完全に垂直になっている官僚システムの、いわば対極に位置する「フラット」な組織体系である。
 この考えは組織の効率性を重視するあまり、個人の主体性やアイディア、自主判断とクリエイティビティといったものがないがしろになるのを防ぐために考案された。かなり極端な考えだが、米国ではこれまで約300社が採用した実績があるという>

 ただし、これはバラ色の組織ではなく、むしろかなりツライものみたいですね。採用した後に20%ほどの会社が挫折してしまうというものだそうです。また、これを嫌う社員もいます。ザッポスはホラクラシーに賛同できない社員には、手厚い退職金をつけて退職してもらったとのこと。こちらも2割程度で、全社員の17%に上るそうです。

<そんなリスクをとってまで、ホラクラシーの導入を試みるトニー・シェイの真意は何か。それは従業員一人ひとりが、ヴィジョンを理解し、自主的にそれを体現しつづけるためだろう。つまり、従業員が自発的に「お客様のほうを向いて」仕事をすることなのだ>


●ホラクラシーとはそもそも何なのか?従来型組織との違い

 ザッポスCEOのトニー・シェイさんは「文化があれば制度は要らない」ともおっしゃっているようです。ザッポスやホラクラシーについて興味が出てきました。もう少しここらへんについて調べてみたいですね。…で終わろうかと思いましたが、「Holacracy=ホラクラシー」についてもう少しだけ触れてから終わることに。(以下の説明は途中から「ホロクラシー」になっていますが、誤字もしくは表記ブレで「ホラクラシー」と同じじゃないかと思います)

<従来型の企業組織と「ホラクラシー」の大きな違いは2つ。1つ目は職務の定め方だ。従来型では職務は人間を単位として、それぞれに達成すべき「役職」の内容が定められる。これに対し、「ホロクラシー」では職務は人間ではなく、ある仕事のそれぞれの「役割」を単位として規定される。肩書はなしにその「役割」を果たすことを社員は求められる。
 2つ目はその指揮権限の分配法だ。従来型の場合、ヒエラルキーに基づき上から下へ少しずつ委譲されていくが、「ホロクラシー」ではそれぞれの「役割」を履行する「チーム」毎に平等に与えられ、その役割にかかわることは他部署から一切指図を受けない>
(【WSJで学ぶ経済英語】第183回 ホラクラシー - WSJ 竹内猛より)

 「ホロクラシー」(ホラクラシー?)の組織形態は2007年にアメリカのソフトウエア開発会社ターナリ―・ソフトウエアの創業者ブライアン・ロバートソンさんが考案したものだといいます。システムエンジニアという個々の能力が重要視される業界にあって、個人の能力を最大限に発揮するために追求した結果とされていました。

 ただし、元ネタはあります。ハンガリー出身のユダヤ人ジャーナリスト・哲学者で最終的には英国に帰化したアーサー・ケストラーさんが1967年の評論著作、「機械の中の幽霊」で発表した「ホラーキー=Holarchy」という組織概念です。

 こちらの「ホラーキー」という概念ではある「組織」の中に複数グループが存在し、個々のグループは独立して自己決定権限を有しているものの、それらが集合した「組織」に各グループの存立が支えられるという共存共栄の関係になっているとのこと。先のホラクラシーの2つ目の説明とほぼ同じ感じですね。


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