●真面目な人が多いベトナム人を犯罪に走らせてしまう構造的な問題
2020/11/13:今回とりあげるのは夕刊フジの記事で、
“真面目に働く”ベトナム人に聞く「家畜大量盗難事件」 「イメージ悪くなれば働きにくくなり…余計に悪い仕事に手を出す人も」(2020年11月10日 17時11分)というもの。「イメージ悪くなれば働きにくくなり…余計に悪い仕事に手を出す人も」という発言をタイトルに持ってきています。
記事のきっかけとなったのは、北関東で家畜や農作物が大量に盗まれた事件で、窃盗や盗品の流通に関わった疑いで複数のベトナム人が逮捕された件。正当化はできないものの、「コロナの影響で仕事がなくなった」との供述もあり、技能実習生が抱える苦労も伺えます。技能実習生はもともと日本の都合優先の制度ですしね。
あるベトナム人技能実習生はこの件について、「今回の事件に限らず、日本でベトナム人の犯罪を見ることは悲しい」としつつも、「知人の実習生も建設会社で働いていたけど、コロナで仕事を失ったと聞いた。苦しんでいることはわかる」としていました。また、以下のように、日本人がベトナム人を警戒することで、悪循環に陥る可能性も指摘していました。
「ベトナム人の逮捕は、ベトナム人を見る目も変えてしまうかもしれない。真面目なベトナム人は多い。でもイメージが悪くなれば周りの態度も悪くなって働きにくくなるかもしれない。そうすれば、余計に悪い仕事に手を出す人が増えるかもしれない。それは忘れないでほしい」
●外国人はマナーが悪いわけではない 日本人と生活習慣・文化が違うだけ
夕刊フジは右派の産経新聞社のタブロイド紙で、やはり右派的な記事が結構あって、排外主義的な、外国人差別的な記事も多いです。なので、上記の話だけでも十分意外性がありました。ただ、記事では、さらに夕刊フジが掲載することが珍しいであろう、ある日本人の外国人評価も紹介しています。
関東地方のベトナム人コミュニティーとして知られるのが、神奈川県大和市と横浜市にかかる地域にある「県営いちょう団地」。団地周辺を歩く人々も大半が外国人で、敷地内には「バイク進入禁止」を呼びかける標識が置かれ、6カ国の言葉が並んでいます。トラブルがありそうだ…という感じがします。
そして、実際問題はあったそうなのですが、近くに住む日本人の70代女性の「外国人が入居した当初は、スパイスのにおいやゴミ出しなどのマナーで衝突することはあった。ただ悪気があるというより、生活習慣の違いが原因で、理解できるように注意したことで今ではトラブルも見かけない」という擁護的なコメントを記事では紹介していたんですよ。
外国人はマナーが悪いわけではなく、日本とマナー・生活習慣・文化が異なるため…というのは、以前から言われています。うちでも紹介したことがあり、当初はそちらに追記しようとブログ内を検索したものの見つからず、やむを得ず新規で書きました。なので、新しい指摘ではありません。
ただ、夕刊フジがこういう見方を紹介するというのは意外でした。この話題なら、もっともっと攻撃的な内容になっておかしくありません。なので、おもしろいと思ったんですよ。今回の事件で逮捕されたのが、ベトナム人だったからこそであり、中国人や韓国人だったら、全く違う論調になったかもしれませんけどね…。
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