戦争に関する話をまとめ。<第二次世界大戦の終戦の日は本当に8月15日?日本以外では別の日の国も>、<桃太郎がミッキーマウスを撃退!アニメはプロパガンダに最適だった>、<8月15日の国は日本と韓国と北朝鮮だけ 日本でも異説はある>などをまとめています。
2023/08/05:
一部見直し
●第二次世界大戦の終戦の日は本当に8月15日?日本以外では別の日の国も
2015/8/14:よくうちで紹介している日経ビジネスオンラインは、登録しているとメルマガで宣伝が来ます。そのメルマガで、"【月刊NBO】「終戦の日」は8月15日か、それとも今日か?"というものがありました。8月11日のメルマガであり、今日というのは8月11日ののこと。タイトルになっているのは、以下のような話でした。
太平洋戦争の「終戦」はいつだったのか。
<一般には8月15日正午の玉音放送をもって終戦とし、その日を終戦記念日とします。しかし、その数日前に、共同通信や時事通信の前身に当たる同盟通信によって、ポツダム宣言の受諾が対外発信され、ロイターなど海外通信社が米英など戦勝国でそれを転電していました。第一報の発信が8月10日。この(彼らにとっての)吉報が報じられ、連合国が戦勝を祝って歓喜に沸いたのが70年前の今日、8月11日です。つまり戦勝国の視点で言えば、今日こそが「戦争が終わった」日だったと言えるでしょう>
(日経ビジネスオンライン編集長 池田 信太朗)
ただ、この解釈は一般的ではないと思われます。前日にたまたま読んだ
戦後70年・今だから見ておきたい「戦争」アニメ | おたくま経済新聞 (update:2015/8/10)に、以下のような話があったためです。
<今年、2015年は戦後70年。「終戦」の定義は様々あり、日本では玉音放送のあった8月15日ですが、諸外国の多くは戦艦ミズーリ艦上で降伏文書の調印式が行われた9月2日を終戦の日としています(サンフランシスコ講和条約の調印・発効をもって正式な「戦争の終結」とする考え方もあります)>
●桃太郎がミッキーマウスを撃退!アニメはプロパガンダに最適だった
9月2日については後でもう少しフォローしますが、おたくま経済新聞の記事が<戦後70年・今だから見ておきたい「戦争」アニメ>というタイトルで下の絵、そこで出ていた「戦争」アニメの話も少し紹介。記事ではプロパガンダとしてアニメは適しているとしていました。
<各国で戦意高揚を目的とした様々なプロパガンダ映画が製作されました。当然ながら、その中にはアニメもあります。(中略)
アニメというのは、プロパガンダには非常に適した表現手法です。その特徴は
◆実写と違って省略表現ができるので、主張を明確化・単純化できる
◆生身の役者が画面に登場しないので、生々しさが薄れる
◆大きく誇張表現ができる
など。実写に較べて余計な情報を排除し、表現に集中させることができるので、主張したいことをイメージとしてより強く・解りやすく伝えられる訳です。>
日本では"横山隆一のキャラクター、フクちゃんを主人公にした"『フクチヤンの潜水艦』が載っていました。"フクちゃん乗り組む潜水艦イ1が、はるばる太平洋を横断してアメリカ本土を砲撃"するといった話だそうです。
Fuku-chan's Submarine (1944) - B&W / 32 mins
VIDEO これより目を引くのが、『オモチヤ箱シリーズ第3話・絵本1936年』。実は国による作品ではないそうなんですが、民間でもアメリカを強く敵視していた証拠とも言えます。YouTubeのタイトルが「Evil Mickey attacks Japan」となっているように、なんとミッキーマウスのパクリキャラが悪役なのです。
Evil Mickey attacks Japan - A 1936 japanese animation
VIDEO "ミッキーマウスに“そっくりな悪いネズミ”が「島を明け渡せ」と侵略し、桃太郎や浦島太郎、金太郎や一寸法師など日本昔話のキャラが島を防衛して撃退する"というお話でした。
●9月2日が終戦の日というのがやはり多い 翌日の9月3日も
さて、終戦の日はいつか?という話に戻ります。Wikipediaを見ると、日経ビジネスオンラインの8月11日説はありません。そして、やはり9月2日が終戦の日って国が多いですね。降伏文書に調印した日というのは、言われてみれば確かに最も納得できる終戦の日の決定理由です。
終戦の日 - Wikipedia 最終更新 2015年8月8日 (土) 08:27
9月2日とする国家
<アメリカ合衆国、イギリス、フランス、カナダ、ロシア、ベトナムでは、9月2日を対日勝戦記念日(英語版:Victory over Japan Day)と呼んでいる。当時のアメリカ合衆国大統領トルーマンは、降伏文書に調印した9月2日を「V-J Day」として宣言した。
アメリカ:1995年9月2日には、対日戦勝50周年を記念して、記念切手が発行された。ただし、州レベルでは8月14日や8月15日とされることも多い。
カナダ:2005年に、戦勝60周年を記念して、「Victory 2-9-45」と刻印されたメイプルリーフ銀貨を発行した。
フランス:2000年に、終戦記念日(フランス語: Fête de la victoire de 1945)である5月8日のVEデーに、反ファシズム戦争の勝利55周年を記念してイベントが開催された[1]。2000年9月2日に、対日戦勝55周年を記念する式典が、フランス国防省主催で行なわれた[2]。
ロシア:2010年、9月2日を「第二次世界大戦終結記念日」に指定した。この他、独ソ戦の終結日である5月9日を「大祖国戦争終結記念日」(祝日)に指定している>
一方、翌日の9月3日という国もあります。ただ、こちらは対日戦勝祝賀会をやったというよくわからない理由です。めでたい日繋がりでしょうか?
9月3日とする国家
ソビエト連邦(現ロシア連邦)では、対日戦勝記念日は9月3日であった。これは、降伏文書に調印した1945年9月2日の翌日に、対日戦勝祝賀会が行われた事に因んでいる。ロシア連邦でも、ソビエト連邦の対日戦勝記念日を引き継いだため、近年まで9月3日であった。
中華民国(台湾)と中華人民共和国では、旧ソ連と同じく、9月3日を「軍人節」や「抗日戦争勝利の日」としている。2005年9月3日、北京の人民大会堂で抗日戦争勝利60周年記念式典が開かれた。ただし、支那派遣軍岡村寧次司令官が中国国民政府と降伏文書調印した9月9日や、日本の終戦の日である8月15日を対日戦勝記念日とすることもある。
●8月15日の国は日本と韓国と北朝鮮だけ 日本でも異説はある
8月15日の国は9月3日よりは多いですが、9月2日よりは少ないです。なぜか日本・韓国・北朝鮮という地理的に近い3ヶ国が仲良くいっしょでした。
8月15日とする国家
<一般に日本では、8月15日が終戦の日とされている(後述)。大韓民国では8月15日を「光復節」と称して、日本による朝鮮半島統治からの「解放」を祝う日となっている。北朝鮮も同様に、8月15日を「祖国解放記念日」として祝っている。>
あと、一般人の感覚では8月15日で確定な感じなのですけど、実は日本国内でも異説があるようです。
<日本において第二次世界大戦(太平洋戦争(大東亜戦争))が終結したとされる日については諸説あり、主なものは以下のとおりである。
1.1945年(昭和20年)8月14日:日本政府が、ポツダム宣言の受諾を連合国各国に通告した日。
2.1945年(昭和20年)8月15日:玉音放送(昭和天皇による終戦の詔書の朗読放送、但し録音)により、日本の降伏が国民に公表された日。
3.1945年(昭和20年)9月2日:日本政府が、ポツダム宣言の履行等を定めた降伏文書(休戦協定)に調印した日。
4.1952年(昭和27年)4月28日:日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)の発効により、国際法上、連合国各国(ソ連等共産主義諸国を除く)と日本の戦争状態が終結した日。
4月28日については、サンフランシスコ平和条約が発効して日本が完全な独立を回復した日であることから、「主権回復の日」や「サンフランシスコ条約発効記念日」とも呼ばれている。連合国軍の占領下にあった1952年(昭和27年)4月27日までの新聞紙上では、9月2日を降伏の日や降伏記念日や敗戦記念日と呼んでいた。>
サンフランシスコ平和条約の発効日というのも確かに節目です。しかし、日本では終戦というより、「主権回復」といった印象が強いのかもしれません。国内ではもう全然戦争って雰囲気じゃありませんでしたからね。前述のように私は9月2日に一番納得が行くのですが、国内の人の感覚的には8月15日が最もしっくりくるのでしょう。玉音放送のインパクトの強さもありますね。日本では完全に8月15日で定着しました。
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