古くなった五輪エンブレム関係の話を少しまとめ。
◇佐野研二郎のコネ疑惑 博報堂出身の選考委員やラグビー協会ポスター 2015/8/20
◇組織委、ベルギーデザイナーを激しく非難 おでんPOP使用は不許可 2015/8/21
◇佐野研二郎のコネ疑惑 博報堂出身の選考委員やラグビー協会ポスター 2015/8/20
2015/8/20:佐野研二郎さんの話はあんまり引っ張っても…と思うのですが、気になる話がまだたくさんあります。どうしようか迷いながら、とりあえず一つ。
●広報担当である佐野研二郎氏の妻、トートバッグでも強気だった
今回のメインとなる記事は、
日刊ゲンダイ|“パクリ疑惑”続々 佐野氏の妻が激白「実務は何人かの部下が」(2015年8月14日)というもの。
何で妻がペラペラしゃべっているの?と最初不思議だったんですが、妻=広報担当なんだそうです。そういえば、佐野研二郎さんの先輩である佐藤可士和さん(同じ博報堂出身)も、妻の佐藤悦子さんがマネージャーをしていました。
妻=広報担当となると、他紙で書いていた逆ギレした広報担当者ってのもこの人なんでしょうね。この記事でも、結局、このすぐ後に取り下げとなったトートバッグについて、以下のような強気の発言をしていました。
「ゼロベースからデザインをつくり出すことは、一般的ではありません。あくまで一般論ですが、どこかで見たデザインから無意識に着想を得ることは、珍しいことではありません」
●森喜朗元首相と縁がある日本ラグビー協会のポスターも佐野研二郎氏
私が気になったのは上記よりその後の話。第一報で取り上げた後、佐野研二郎さんの件ではしばらく書いていなかったものの、炎上が大きくなった場合紹介したいと思ったラグビーの話を日刊ゲンダイが尋ねていました。
――佐野氏は02年に日本ラグビー協会のポスターのデザインも手掛けています。ラグビー協会名誉会長で東京五輪組織委会長の森喜朗氏とは、以前から接点があったのですか?
「7月24日の五輪エンブレム発表時に、佐野は森さんと初めてお会いしました。それ以前は全く接点がありません」
●五輪エンブレムの審査員は佐野研二郎氏と同じ博報堂出身者が複数
コネを疑うのなら、森喜朗元首相そのものというよりは、実務に関わる人じゃないの?という気がします。上記の発言の一つ前で聞いていた質問の場合は、審査員を問題視していました。
――五輪エンブレムのデザインコンペの審査員には、佐野氏が以前勤めていた博報堂の関係者が名を連ねています。「お手盛りのコンペだった」との指摘もありますが。
「審査員には、コンサートの演出などを手掛ける真鍋大度さんや、インテリアデザイナーの片山正通さんなど、博報堂とは関係のない方もいらっしゃいました。それに、佐野が博報堂出身だからといって、恣意的にコンペから関係者を除外する方が不公正ではないでしょうか」
●選考委員の8人中3人が佐野研二郎氏と関係?
博報堂出身の応募者を排除という方が確かに問題です。ですので、一番根本的な問題は審査員に博報堂出身者を複数入れたことですね。東京オリンピックの組織の方の過失であり、出来レースを疑うのならそちらも見なくちゃいけません。
あと、さっき広報担当が挙げた二人は「コンサートの演出」と「インテリアデザイナー」というちょっと変わったところでした。申し訳ないと思うんですが、これがまた疑われる要素です。
政府関連の組織での有識者選出でありがちなのが、アリバイ的に門外漢を入れて数合わせするものの、専門家はきっちり政府の意向に沿った人を選んで、実際には議論を思い通りコントロールするというものです。学者とは限らないんですが、いわゆる御用学者に重要部を牛耳るイメージです。
何かそういう話も思い出してしまいました。
それから、審査員の専門性を無視した場合でも、審査員の何人中何人が博報堂出身者だったかも重要です。大量に審査員がいる中で2人が博報堂出身者だったくらいなら、影響力が小さいと言いやすいです。
2ちゃんねる由来の情報そのままで確認をしていないのですが、ここらへんの出来レース・コネに関する問題を示した図が
【五輪盗作】佐野研二郎を中心としたダサイクル相関図にネット民大爆笑wwwww : モナニュース(2015年08月14日12:00 )にありました。
博報堂出身という書き方だけではありませんが、これを信じると選考委員の8人中3人が関係者、そして、そのうちの1人は選考委員長ということみたいです。8人中3人なら疑われて仕方ないですね。
●コネでお互いに賞を分け合う もたれあい構造?
ここの画像が本当ならおもしろいなと思ったのが、もう一つの図の方。お互いが審査員側になったときに優遇することにより、仕事を分けあっているというもの。いわゆる「もたれあい」の構造です。
狭い世界で実力ではなくコネによって賞を決めている…というのはありそうな話ではあります。かなり違うケースですが、篆刻でも狭い世界での馴れ合いで腐りきっている様子が見えました。他に洋画や全日展でも不祥事があり、日本の芸術分野はかなりマズそうな感じです。
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日展(日本美術展覧会)の篆刻で不正審査、派閥で配分 お金の問題も多数 ただ、ありそうな話と言うだけで全然証拠にはなりませんね。本当に実力のある人たちであれば、賞を貰う人、選考委員になる人が大体同じ顔ぶれということは起こり得ます。
実力もない癖にコネで決めている!というイメージは大きくなったものの、決定的な指摘からは程遠いでしょう。
◇組織委、ベルギーデザイナーを激しく非難 おでんPOP使用は不許可 2015/8/21
2015/8/21:これ、中国や韓国が同じことやっていたら、人種差別発言の嵐でしたでしょうね。
●東京オリンピック組織委、エンブレムが類似と提訴したベルギーデザイナーを激しく非難
勝算はあるだろうと思うので裁判を受けて立つというのはまだわかるんですが、こんな非難文章を発するというのは予想外。日本人としては恥ずかしいです。
組織委、提訴のベルギー側を非難 東京五輪エンブレム問題 ― スポニチ Sponichi Annex 五輪
ベルギーの劇場ロゴのデザイナー側が、著作権を侵害されたなどとして2020年東京五輪の公式エンブレムの使用差し止めを求めて提訴した問題で、大会組織委員会は17日、「書面によるわれわれの詳細な説明に耳を傾けようとせず、提訴するという道を選んだ」などとデザイナー側を非難する声明を発表した。(中略)
組織委は声明で、訴えたデザイナーと劇場に対し「詳細な書面にて回答を行った」とし、「自らの主張を対外発信し続けて提訴した。このような態度は、公共団体の振る舞いとしては受け入れがたい」と強く批判した。[ 2015年8月17日 16:57]
●佐野研二郎名義のバッグで盗用判明後の非難文
公共団体の振る舞いとしてあり得ないのはどっちか?って言うと、大会組織委員会の方だと思いますけどね。「書面によるわれわれの詳細な説明」と書いているように、文章を送っただけというのも誠意を欠きます。コミュニケーションを重視するならもう少しやり方があるでしょう。
直接対応している組織は異なるでしょうが、新国立競技場のザハ・ハディドさんともコミュニケーション不足が目立っていました。
あと、あり得ないと思うのが、よりによってサントリーのトートバッグのパクリを認めて、商品を取り下げたすぐ後だということです。その前ならともかく、より一層イメージが悪くなった最悪のタイミングで、わざわざ高圧的な態度で相手を批判しました。本気で相手を説得する気あるのだろうか?と思います。理解できません。
五輪エンブレムをめぐっては、デザインした佐野研二郎氏が14日に自身の事務所が手がけたサントリービールのキャンペーン賞品に他の作品を模倣したものがあったことを認めて謝罪し、波紋が広がっている。
●一方、オリンピックエンブレムのパロディであるおでんPOP使用は不許可
この騒動の一方で、コンビニが五輪エンブレムをパロディしたおでんのPOPには、組織委員会が使用をやめるように指示しています。
「おでんPOPが五輪エンブレムを想起させる」組織委がセブンイレブンに「待った」|弁護士ドットコムニュース 2015年08月20日 20時46分
話題になったのは、セブン-イレブン武蔵小金井本町2丁目店のツイッターアカウント(@711musako2)が投稿した「おでんPOP」。ちくわ(長方形)、大根(円形)、こんにゃく、厚揚げ(いずれも三角形)といったおでんの具材が、盗用疑惑で揺れる佐野研二郎氏デザインの「東京オリンピック・エンブレム」と同じような形に配置されている。
ツイートなどによると、店では、このPOPを9月1日開始のおでんセールを告知するために使おうとしていたようだ。ところが、「念のため」オリンピックの組織委に問い合わせたところ、「具の配置がエンブレムを容易に想起させるものと思われます」「店舗に掲示や配置をするということになりますと商業利用にあたってくるので、お控えいただくことになります」とクギをさされてしまったのだという。
●エンブレムを想起させるようなデザインの商業利用はダメ
弁護士ドットコムなので弁護士の解説つきかな?と期待したらそれはなし。法的にはどうなんでしょうね?
とりあえず、組織委員会が不許可としたこと自体は理解できます。OKとは言えないでしょう。お店側としても、断られることまで見越しての宣伝でジョークなんですし、これだけでも十分に話題になります。大勝利です。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、事実関係を認め、次のように話した。
「(中略)商業利用にあたるのでご遠慮くださいと回答しました。
エンブレムを想起させるようなデザインを利用された場合、エンブレムの価値が下がり、正式なスポンサー企業にも迷惑がかかってしまいます。
エンブレムを商業利用できるのは、スポンサー企業に限られています。ご利用いただきたい場合、正式な手続を踏んで、スポンサー企業となっていただく必要があります」
●組織委員会への強烈な皮肉
お店側は話題作りが主体でしょうが、これは強烈な皮肉にもなっています。弁護士ドットコムで拾っていたコメントも組織委員会への皮肉になっていました。
「パクリと食べたいですな( ̄▽ ̄)」
「制作コンセプトが違うと思われるのでオリンピックエンブレムとは全く似ていないと思います。問題はないのではないでしょうか」
「私にはベルギーのとある劇場のロゴにしか見えないが」
法的には組織委員会に分があるとは思うのですけど、これら以外の場面でも対応がいちいち誠意を欠いていてたいへんイメージが悪いです。これで「おもてなし」という心の部分を強調しているのですから、呆れるばかりですわ…。
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