2010/12/4:
●早く出世する人は経験が浅く成功体験しか知らない
●「できる人」は「できない人」の体験を理解できない
●仕事ができる部下だった管理職ができない人に教えるのが下手な理由
●成功する方法はそもそも一つではない
●効率の悪いやり方をするべき…という意味ではない
2020/05/26:
●すぐに成功する人のデメリット 失敗体験がある方が良い理由
●早く出世する人は経験が浅く成功体験しか知らない
2010/12/4:
マネージャー・管理職の役割1 早い出世課長ほどマネジメント下手では、早く課長になった人ほど、マネジメントが下手の続き。出世前は優秀だったエリート課長たちはなぜうまく行かなかったのでしょう?
それは「プレーヤーとして一流ではあったが、監督として求められる能力については必ずしも十分でなかった」と言えます。ただ、記事(見直した際に参考にした記事のタイトルやURLを誤って消してしまいわからなくなってしまいました)で出てきた作者はその説明だけでは不十分だと考えていました。
まず、単純にトッププレーヤーたちは、プレーヤーとしての経験は、遅れて課長になった人よりも短いということが挙げられています。しかも、トップで昇進した人ほど成功体験しか知らないわけで、部下には自分が成功したただ一つの“やり方”を要求してしまいがちだそうです。皮肉なことですが、成績の優秀さが災いした形です。
●「できる人」は「できない人」の体験を理解できない
また、うまく行かない理由は、吉田典生さんの著書
なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか? (ソフトバンク文庫)
を元に、次のように説明されています。
たとえば、生まれ持って運動神経の優れた子どもは、特別に教えなくても鉄棒を回れてしまうので、運動神経の鈍い子どもがなぜ怖気づくのかを理解できません。
ある目標があったとき、“できる人”にとってはそれが手が届きそうなので頑張れますが、“できない人”にとってはあまりに遠い目標すぎて、最初から無理だわかっているので意欲さえわきません。駆けっこに自信のある子どもは、新たなライバルが現れても、努力して今度も1番になりたいという意欲がわきやすいものの、自信のない子どもは「どうせいくら努力したところで1番にはなれない」と努力をあきらめてしまうとも説明されています。
そして、達成の機会を多く得られる“できる人”は、それによって承認を得るチャンスも多く、結果として成長のスパイラルを描きやすい環境を手にし、ますます差を広げて行ってしまうことになります。
●仕事ができる部下だった管理職ができない人に教えるのが下手な理由
しかし、“できる人”は自分が頑張って成果を出す半面、“できない人”に命令したり、自分の成功体験を押しつけたりして、彼らを従順な指示待ち人間にしてしまうという弊害を引き起こします。
さらに、“できない人”がむしろ真面目で一生懸命頑張ろうとするほど、”できる人”のやり方を真似し、指示を仰ごうとすることも指摘されています。指示待ち人間は最初からいるのではなく、”できる人”が作っているという面もあるのかもしれません。いわば、できない人”をさらにダメにしてしているのです。
成功体験を伝えて何が悪いと思われるかもしれませんが、
“できる人”ができることを容易に真似ができないからこそ、“できない人”というのが存在するのです。それができるのであれば、何も苦労しません。要するに、同じことをしたって無駄なのです。
●成功する方法はそもそも一つではない
そもそも目指すゴールに対するアプローチ方法や手段は、ほとんどの場合1つではありません。選択肢がA、B、Cとあって、客観的に見てAが最も効率のよい方法だったとしても、それを部下ができるとは限りません。
もしそれを部下に強制させてうまく行かなければ、「アプローチ方法はベストだった。結果が出ないのはあなたの能力か意欲が低かったからだ」とはなりません。結果的にそれは上司の責任になるはずです。
作者は目的と最低限の価値観さえ共有できれば、アプローチ方法は「本人が最もパフォーマンスを出しやすい」方法を選べばいいと書いています。名課長になりたい人が取るべき道は、むしろまず「自分の成功体験をいったん横に置いてしまうこと」なのです。
●効率の悪いやり方をするべき…という意味ではない
と、ここまで書いてきて、そうなると皆に一番効率の悪いやり方を勧めて、結果的に低い成果に留まってしまうという事態もあり得るんじゃないだろうかと思いました。しかし、それはそれで当然、その上司の評価を引き下げてしまうことになります。
今回の話で本当に重要なのは、個々にあったやり方をするというところです。効率の良いやり方で大きな成果を上げられる人に、無理して別の方法をやらせろという話ではありません。
一つ前の記事の例で出たサッカーのモウリーニョ監督も「選手は一人ひとり異なっており、どう対応すべきかも当然異なる」と考えていました。皆が同じやり方をする必要なんてないですし、そもそもそれは無理な話なのです。
●すぐに成功する人のデメリット 失敗体験がある方が良い理由
2020/05/26:できる人は成功体験ばかりで失敗体験が少ないというのは実は良くないこと…から連想して、
失敗は成功のもと・成功は失敗のもとと認知地図の脳研究や統計による証明という投稿のことを思い出しました。
そこの投稿で出ていたのは、例えば、大事なのは成功体験よりも失敗体験だというちょっと信じられない話でした。これにはまず、組織学習に最も重要な基本原理の1つが「サーチ行動」と呼ばれる「新しい考え方・アイデア・知見・情報などを常に探す」行為だとわかっている…という前提知識が必要です。
この考え方によると、すぐに成功してしまった人たちは、いろいろ試さずに成功しているために視野が狭くなり、いろいろ試しながら成功した人たちよりも、後々状況が変わった場合などの変化に対応できず、成功確率がむしろ下がる…といったことになります。過去の成功体験に固執する上司…みたいなイメージですかね。
【本文中でリンクした投稿】
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マネージャー・管理職の役割1 早い出世課長ほどマネジメント下手 ■
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