記事を読む前にタイトルを先に決めてしまいましたが、長男長女といった言い方は不正確でしたね。長子と書くべきでした。ただ、感覚としては「長男長女」の方がわかりやすいと思います。
…と書いて検索したら、「長子」も普通は男性限定だそうな。これもよくありませんでした。うまい言い方がなくて困ってしまいます。
ちょうし【長子】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
ちょう‐し〔チヤウ‐〕【長子】
はじめに生まれた子。総領。ふつう男子にいう
●兄弟姉妹の構成による性格の研究
最初に言葉の定義で引っかかってしまいましたが、まあ、大体わかりますよね。上から何番目…という兄弟姉妹の構成による性格の研究があって、これは絶対おもしろい!と思い、中身も読む前にこうして書き始めてしまいました。
長子・末っ子・真ん中の子、出生順位は性格にこう影響する The Huffington Post | 執筆者: Carolyn Gregoire 投稿日: 2015年05月23日 12時20分 JST
遺伝や環境、親のしつけなど、子供の発達には多くの要因が関係しているが、出生順位も子供の特徴的な性質や行動に影響を及ぼす。
1970年代以降、出生順位について数千もの研究が行われてきたが、出生順位が実際に子供の発達に果たす影響の大きさについては心理学者たちの意見が一致しないことが多かった。しかし、長子や真ん中、末っ子の性格について、論文の中にいくつか共通点が存在する。
あら、影響の大きさについて意見が一致していないということは、眉唾かもしれませんね。いきなりテンション下がっちゃう話になってきました。
ただ、以下にあるように兄弟姉妹の構成で性格に差が出るというのは、素人目には十分あり得そうに思えます。
心理学者の多くは、両親の注意を引いたり、気に入られたりしようと、兄弟姉妹それぞれが異なる戦略を取ることが性格の違いにつながると示唆している。この理論によれば、長子は権力と自分を重ね合わせ、体制を支持する可能性が高く、後から生まれた子供は反抗により注意を引こうする可能性が高い。
「子供は家族の中で自分の役割を学習します」と、心理学者で『出生順位に関する本』『長子の強み』の著者であるケビン・レーマン博士はハフポストUS版に対して述べた。「長子は高い基準を守らされます。子供の数が増えるに従い、両親の緊張は緩みます」
●長子・一番上の子の性格
・長子は成果主義になる傾向がある。学校の成績がよく、指導的立場で成功することが多い。
・アメリカ大統領は大抵、長子か1人っ子。
・このような性格分類を支持する多くの研究があり、その中には、過去20年の500以上の研究をまとめた2012年の論文が含まれている。
・この論文の中で、ジョージア大学の心理学者は、長子(または「長子」としての精神的役割を負った子供)は指導的役割を担い、達成のために努力する可能性が最も高いことを示している。
・2009年に学術誌『子供の発達』に発表された研究でも、長子は順応しやすく、このことは長子が学校や仕事で成功することにより両親や周りの者を喜ばせようとすることに現れている、とされている。
・「長子は責任感があり、負けず嫌いで慣習を好む傾向があります」(2003年の学術誌『性格と個人差』に発表した論文、ベルギーの心理学者、ヴァシリス・サログロウとロール・フィアッセ)
これも今考えると言葉がおかしかったですが、以前、
就活で内定が多いのは、長男長女・次男次女・三男三女以降のどれ?というのを書いています。そして、ここで一番内定が多かったのは「長子・一番上の子」でした。
ああ、あと、「アメリカ大統領は大抵、長子か1人っ子」ですけど、子どもが生まれた場合に必ず誕生する「長子か1人っ子」に対して、「末っ子」「真ん中の子」は必ず誕生するとは限りません。
以前は大家族が珍しくなく、4人兄弟以上で「真ん中の子」が他より多くなることもありましたが、「長子か1人っ子」の数がそもそも多い可能性があり、そこらへんを割り引いて見るべきでしょう。
●末っ子の性格
・研究によれば、末っ子は、より創造的かつ反抗的で、人の気を引こうする傾向がある。
・両親は、少なくとも1回子供を育てる過程を経験し、その役割に安住するようになると、あまり子供に干渉せず、大目に見ることが多くなる。
・「末っ子は人の扱いがうまく、社交的で、売り込みがうまい。末っ子は何をしても子供として許され、人の裏のかき方を知っています」(レーマン博士)
・末っ子の赤ん坊は人の気を引く行動をとる傾向がある一方、その傾向が非行や問題行動に結びつくのではないかと指摘する人がいるが、これは間違い。
売り込みのうまさは、先ほどの同じ
就活で内定が多いのは、長男長女・次男次女・三男三女以降のどれ?を見ると実感できませんね。売り込みが成功していないように思えます。
ただ、そもそも長子・一番上の子と末っ子が同じ大学に行っているとは限りません。長子・一番上の子が就職率の良い大学に入りやすく、末っ子があまり就職で優遇されない大学に行きやすいという可能性があります。
身も蓋もない言い方をすると、「大学の時点で差がついていた場合、社交的で売り込みがうまくても、面接だけではその差を挽回できないのかも」といった意味です。
●真ん中の子
少子化のため二人兄弟姉妹より上はいませんが、三人兄弟姉妹以上ですと真ん中の子どもというのが出現します。こちらはどうでしょう?
・真ん中の子供は家族の平和を保つ傾向があり、同調性や忠誠心といった特徴を持っている。(レーマン博士)
・出生順位に関する論文についての2010年のレビューによれば、真ん中の子供は普通、社交的かつ諸関係に対し誠実で、年長者・年少者双方と関係を結ぶのがうまいことが示されている。
・真ん中の子供は文字通り板挟みになることが多いため、交渉や妥協がうまくなる傾向があるため。(レーマン博士)
・「真ん中の子供は容易に屈服しませんが、非常に信義に厚く、友情に高い価値を置く傾向があります」(レーマン博士)
●兄弟姉妹の「生まれ順」に関する本
数多く登場していたレーマン博士の本がないかな?と検索しましたが、アマゾンで出たのは以下だけでした。
頑固な羊の動かし方―1人でも部下を持ったら読む本
2005/8 ケヴィン レーマン、 ウィリアム ペンタック
ただ、兄弟姉妹に関する本なら多数出ています。前述の通り、研究としての信頼性は不確かですし、見るからに怪しい表紙のもあったんですが、そこから一つ。
きょうだいの暗号 長男長女、次男次女、末っ子、一人っ子の性格・相性・適職
単行本(ソフトカバー) – 2011/5/18
リンダ・ブレア (著), 早川麻百合 (翻訳)
人の性格は、家庭内における自分の位置づけ、すなわち何人きょうだいの何番目に生まれたか(バース・オーダー)によって決定づけられる。長男・長女として生まれたのか、あるいは、真ん中か末っ子か、はたまた一人っ子かによって、家庭内における立場がおのずと決定し、それがその人の性格や行動に大きな影響を及ぼすのである。本書は、それぞれの性格をバース・オーダーによって分析し、適した職業や、恋愛・結婚相手の相性をアドバイスする。
出版社からのコメント
あなたの悩みはすべて「生まれ順」を理解すれば、たちまち解決する!臨床経験と動物学的な根拠に裏打ちされた性格説明書
内容(「BOOK」データベースより)
「生まれ順」が人生を決める!長男長女は仕切りたがり屋、次男次女は気配り名人、末っ子はムードメーカー、一人っ子は自信家。6、7歳で決まる性格を読み解く。
●アマゾンでのレビューはあまり良くない
紹介文句が大げさで胡散臭さがありますし、適した職業までアドバイスしちゃってるのもどうかな?と思います。カスタマーレビューも5つ星のうち 3.6でアマゾンとしては悪めです。
最も評価の高いレビューも3点。とはいえ、最初は好意的な感想です。
これから子育てをするお母さんに。
投稿者 マスマセラピン 投稿日 2013/9/29
筆者は人格形成が育てられた環境によって変わる経験説からこの本を書いています。そして、人格形成には友達や教師による影響も大きいのですが生まれた順も関係があるのではないか、という筆者の考え方は面白いと思います。1960〜1970年代、バウムリンドは子育てと性格の相関の検証結果から親が子の人格形成に重要な役割を担っていると示しました。筆者はこの結果の原因は親が子へ与える愛情の量できまるのではないかとして、それは生まれた順に影響されると考えています。親、特にお母さんがこれから子育てをするときに愛情をどれだけそそいであげればいいか、どういう子になって欲しいかを考えるうえでの一種の参考書?として読んでみるのも悪くないとおもいます。
では、なぜ3点止まりなのか?と言うと、「統計的なデータが少ないので人によっては血液型占いみたいだなと思うかもしれませんね」とのこと。これは致命的な欠点です。嫌な予感が当たりました。
このレビュアーさんは「血液型占い並み」という評価に関しては、「血液型は経験説でもないし科学的根拠もなんにもないですから、そこまで悪くはないと思いますけど…」としていました。
おそらく血液型の話をしたのは、先にそれに触れているレビュアーさんがいたためでしょう。こちらは閲覧者の評価が最も低いレビューのようで最後に出てきていますが、点数は1点という最低点をつけています。
血液型占いと同じようなレベルです
投稿者 pocha 投稿日 2011/8/19
そもそもが生まれた順番なんぞで人を区別する理由が?で、読んでて納得
できなかった。
もちろん統計的な裏付けは記載されていません。
ケーススタディとしていくつも実例のような記載があるが、ほとんどが特
異な例が記載されていて、だからどうしたという感じ。
中には70歳近いおばあちゃんの「うつ」の例まで記載されていて、著者
さん大丈夫ですか?と言いたくなる。
血液型占いと同じレベルです。がっかり。
「そもそもが生まれた順番なんぞで人を区別する理由が?」と思ったのに購入してしまったのは不思議です。ただ、統計的な裏付けがないというのは、前述の通り、致命的な弱点です。
最初の記事にしても全幅の信頼を寄せられる感じではありませんでしたし、与太話程度にとどめておくと良いかもしれません。
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