双子の話をまとめ。<浮気で双子が生まれる!など双子を嫌う民族 日本も畜生腹と呼ぶ>、<日本では男女の双子は前世で心中した者の生まれ変わりとも嫌う>、<なぜか双子が多い民族と少ない民族がある 日本の場合はどっち?>、<日本では以前より双子や三つ子の妊娠が増えている!理由は?>などをまとめています。
2023/07/04追記:
●日本では以前より双子や三つ子の妊娠が増えている!理由は?
2023/11/15追記:
●ヒトは1つだけ排卵するしくみ…なのに、双子や三つ子が生まれる理由 【NEW】
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●浮気で双子が生まれる!など双子を嫌う民族 日本も畜生腹と呼ぶ
2023/01/14:どこかに追記するつもりでブックマークしていたんだと思うのですが、全く用途を思い出せなかったのが、
畜生腹(チクショウバラ)とは - コトバンクです。内容がすごいので、ひょっとしたら追記ではなくメインとして新規で投稿するつもりだったのかもしれません。双子への偏見でめちゃくちゃなんですよ。
世界大百科事典によると、世界には双子を忌み嫌う民族だけでなく、歓迎すべきものとする民族もあるとのこと。ただ、なんといってもインパクトがあるのが「双子は不吉だとみなす民族」の方でしょう。全く根拠がない理由で双子を嫌いまくっており野蛮さを感じるのですが、我が国も双子嫌い文化のようでした。
<不吉とされる理由は,一度に複数の子どもが生まれるのは動物と同じだから(日本では畜生腹といわれた),悪霊や邪術師のしわざだから(西アフリカのコンコンバ族),母親の姦通の結果だから(南米のチャコ族),男女の双子は母の胎内で近親相姦を犯すから(サモア),親を殺す(スーダンのディンカ族),あるいは親が死ぬから(ラオスのラメート族)など,動物性,邪性と結びつけられた場合である。このような社会では,双子はその双方か一方が殺されるか,社会的に排除され,あたかも双子が存在しなかったかのような処置を取ることが多い>
「浮気したから双子なんだ!」というトンデモ理論は、日本でも言われていた記憶。あと、このページは別の話を書いていたのを再利用したものですが、以前書いていた話も偶然浮気関係で、<アシュレイ・マディソン情報流出 セレブ,軍人,IBM・アップル社員などが多数登録と判明>というものでした。当初の内容は、
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●日本では男女の双子は前世で心中した者の生まれ変わりとも嫌う
日本で言われていた「畜生腹」という言葉は、犬・猫などの獣が、一回の分娩で、複数の子を生むことが多いことに由来。当然これは良い意味で言ったものはなく、デジタル大辞泉では「女性が1回に二人以上の子供を産むことをののしっていった語」と説明。日本国語大辞典によると、「畜生孕(ばら)み」とも言うそうです。
また、日本国語大辞典によると、母親ではなく子供たちの方の「双生児や三つ子」を「畜生腹」と呼ぶこともあるとのことでした。一方、デジタル大辞泉では「男女一人ずつの双生児」のみを畜生腹と言うとの説明。これもやはり嫌われており、前世で心中した者の生まれ変わりとされたんだそうな。トンデモですね。
ちょっと短いので、
双子とは - コトバンクも読んでみました。世界大百科事典の【殺人】項目では、<双子の誕生は異常な現象として天変地異の誘因になるものと恐れられ,その殺害が正当なものとされる場合も少なくない>との記述。また、【嬰児殺し】の項目では、以下のようなアフリカの例が出ていました。
世界大百科事典【嬰児殺し】より
<アフリカのサンは過酷な自然の中では生きていけないという信念で,身体に欠陥のある子を殺した。現代医学的には肉体的障害が認められなくても,出生時に歯のある子,逆子,双子等は異常児として殺害されることがあった>
●多数の乳房を持つ異色のアルテミス像 多産の女神として崇拝か?
2023/02/16追記:コトバンクでは多産を尊ぶ文化の話はあまりなし。私がひとつ思い出したのは、ギリシア神話に登場する狩猟・貞潔の女神で、後に月の女神ともされたアルテミスです。アルテミスには双子の弟アポローンがいて、これも双子関係の話ではあるのですが、おもしろいのがエペソスという都市のアルテミスなんですよ。
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アルテミス - Wikipediaエペソスのアルテミス崇拝
<小アジアの古代の商業都市エペソス(引用者注:エフェソス、エフェスとも。現在のトルコ西部にあったギリシア人都市)は、アルテミス女神崇拝の一大中心地で、この地にあったアルテミス神殿はその壮麗さで古代においては著名であった。また、この神殿は現在遺跡が残るのみであるが、近くの市庁舎に祀られていた女神の神像は現存している。
この像は胸部に多数の卵形の装飾を付けた外衣をまとっており、あたかも「多数の乳房を持つ」ように見える。この像は一般に「多数の乳房を持つ豊穣の女神」として知られ紹介されるが、異説として女神への生け贄とされた牡牛の睾丸をつけられているともされる>
小アジアにおけるキュベレーなどの大地母神信仰と混交して、独特なアルテミス崇拝が存在していたと想定されており、植物の豊穣や多産を管掌する地母神としてのアルテミス崇拝があったと見られています。豊穣の女神であり、乳房が多いことから動物的な「多産」をプラスと考えられている例と言えるんじゃないでしょうか。
なお、こうした植物の豊穣や多産を管掌する地母神としてのアルテミス信仰は、古代ギリシアの森や山野の処女神アルテミスのイメージ・原像とは異なっているとの指摘。また、出産の女神でもあったアルテミスの原像ともかなり異なっているともされていました。この出産にかかわる説明部分も引用しておきます。
<多産をもたらす出産の守護神の面も持ち、妊婦達の守護神としてエイレイテュイアと同一視された。地母神であったと考えられ、子供の守護神ともされた>
<通常、アポローンとともにデーロス島で生まれたとされるが、これは後世的な伝承で、母レートーがヘーラーの嫉妬を避けて放浪した際、オルテュギアー島でまずアルテミスが生まれ、さらにデーロス島でアポローンが生まれた。
この時アルテミスは生まれたばかりであるにもかかわらず、母の産褥に立会い、助産婦の務めを果たした。この神話に彼女が生殖や出産を司る女神の側面が見て取れる。さらに、まだ幼いうちにゼウスを探して出会い、えびらや短いチュニック、狩りの長靴をねだり、そして妊婦の守護神であることなどをゼウスに願い出たとされる>
●なぜか双子が多い民族と少ない民族がある 日本の場合はどっち?
2023/04/12追記:今回は民族的な話ではなく、科学的な話。
コトバンクにあった世界大百科事典では、双子や三つ子などの多胎を生じるしくみは以下のようなものだそうです。
<哺乳類の妊娠において,複数の胚が同時に着床して発生を進行している場合に多胎(双胎,三胎,四胎など)であるという。出産に至れば,双子,三つ子,四つ子などと呼ばれる。自然の生殖過程として多胎が生ずる場合と,一般に単一胚による妊娠が正常であると考えられる種に偶発的に生ずる場合とがある>
また、世界大百科事典 第2版によると、「双胎妊娠の頻度は世界的にみて平均すると約80回の妊娠に1回といわれている」そうですが、民族や地域によって多少の差があることもわかっているそうです。北欧のデンマーク,スウェーデンでは1.5~1.6%と多く,南米諸国,ベトナム,中国ではずっとその頻度が減少。日本ではちょうど中間くらいで,約1%とされているそうです。
●日本では以前より双子や三つ子の妊娠が増えている!理由は?
2023/07/04追記:前回、日本では双子の生まれる確率は約1%とされていました。ただ、今回読んだ
双子・三つ子になる理由は? 一卵性と二卵性の違いって?【専門家監修】|たまひよ(産婦人科医の青木 茂先生)では、これとは違う確率が複数登場。また、驚きだったのが、日本では昔より双子が増えていたという話です。
<双子の出産率は、従来、東洋人の自然妊娠による双子の出産率である1000の出産のうち6組ぐらいで、推移してきていました。日本では、1975年から注射による排卵誘発剤(以下、hMG)を使った不妊治療が始まり、1983年からは体外受精も行われるようになりました。
hMGが使われるようになってから双子出産率は少しずつ上がり始め、体外受精の実施開始後はさらに上がり、2003年には11組に。三つ子・四つ子も、体外受精の治療が始まってから増えています。>
かつては一卵性の双子(1つの受精卵が2つに分離した双子のこと)の出産率が、二卵性の双子(2つの受精卵の双子のこと)を上回っていました。しかし、1987年以降、二卵性の双子の出産率が上昇し、1997年には一卵性の出産率を超えたそうです。やはり不妊治療の影響だといいます。
<一卵性の双子は偶然によるものと考えられ、日本では1974年以降、人種や家系にかかわらず、1000の出産のうち4組くらいと、ほぼ一定の出産率を示していました。ただ、不妊治療の影響によって、ごくわずかではありますが、増えてきています。理由ははっきりしていませんが、排卵誘発剤の刺激や体外受精の物理的な刺激が、受精卵の分離を促しているのではないかなどと考えられています>
ただし、日本産婦人科学会が2008年に、体外受精で母体に戻す胚(受精卵)は原則1個、最大でも2個までにするよう勧告を出したことから、三つ子、四つ子の分娩は減ってきているとのこと。ただ、双子にはついてそう書いておらず、双子が生まれる確率は依然としてやや高い状態なのだと思える書き方でした。
●ヒトは1つだけ排卵するしくみ…なのに、双子や三つ子が生まれる理由
2023/11/15追記:前回のたまひよ記事の続きで、もう少し双子のメカニズムについて。ヒトの体は、1回の月経周期で1つだけ排卵するしくみだそうです。このため。ほかの哺乳(ほにゅう)類と違って、ヒトは1人ずつ生まれてきます。シンプルな理由ですね。ただ、現実には、双子や三つ子などが存在します。
どうしてこうなるか?と言うと、<排卵された1つの卵子が1つの精子と受精したあと、2つに分かれたり、あるいは一度に複数の排卵があり、それぞれに精子が結びつき、複数個の受精卵となって子宮の中に着床した場合は、双子・三つ子などの多胎妊娠となる>とのこと。イレギュラーなケースがあるのです。
【一卵性の双子】…もともとは1つの受精卵が早い時期に2つに分離し、そのまま育っていった双子のことです。ほとんどの場合、なんらかの理由で自然に受精卵が分離したものですが、不妊治療によるものではないかと考えられる、一卵性の双子もわずかにあります。
【二卵性の双子】…最初から2つの受精卵が、それぞれ育っていった双子のことです。二卵性の双子になるのは、ママが複数個の排卵が起きやすい体質の場合もあれば、不妊治療による場合もあります。
体外受精で受精卵を2個母体に戻し、2つの受精卵が着床して育ったもののほか、排卵誘発剤で2個の排卵が起き、それぞれが受精・着床して成長した場合もあります。
【三つ子】…三つ子では、排卵誘発剤で3つの受精卵ができる場合と、体外受精で2個の受精卵を母体に戻したあと、1つが一卵性の双子として分離し、もう1つの受精卵も着床して、最終的に三つ子となる場合があります。
「おそ松さん~ヒピポ族と輝く果実~」

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