女子学生に司法試験の問題漏洩で告発 青柳幸一明治大教授の経歴などの件でさらに数記事読みましたので、補足。
●大学院の「看板教授」だった青柳幸一明治大教授
前回の経歴では、ズラズラーっと考査委員関連の肩書が並んでいました。このせいで「看板教授」だったと話す卒業生もいるそうです。明治大は本当痛いですね、これ…。
漏えいの青柳教授 考査委員長く大学院の「看板教授」 ― スポニチ Sponichi Annex 社会
司法試験問題を漏えいした明治大法科大学院の青柳幸一教授(67)は、考査委員を長く務め、大学院の「看板教授」として知られていたという。
(中略)考査委員は05年から務めており、明治大法科大学院を出た男性弁護士(29)によると、こうした経歴から「看板教授」とみられていたという。[ 2015年9月8日 12:06 ]
●明治大大学院の学生らに衝撃
上記も卒業生の話ですが、当然学生らはショックです。
法曹目指す大学院生ら失望の声 司法試験漏洩問題で :日本経済新聞 2015/9/8 12:09
「青柳先生のテキストでずっと勉強してきたのに」。来年受験予定の同大学院の男子学生(24)はショックを隠せない様子。
男子学生は刑事告発された青柳幸一教授について「試験問題の作成に関わっていたこともあり講義は人気だった」と話す。ただ「受講生に対して『欲しければ著書にサインをしてあげる』とメールを送るなど変わった一面もあった」と打ち明ける。
●「ミスター司法試験」による不正疑惑
上記引用部にも人気だっという話があります。以下もその知名度を補強するエピソード。
東京都内の司法試験対策の予備校に通う法科大学院の男子学生(25)によると、青柳教授は司法試験の考査委員を長年務めるなど「ミスター司法試験」と呼ばれるほど有名という。「過去に教授の論文から出題されたとの噂もあり、教授の著書を買い求める人は多かった」と話す。
●今回の流出先は1人だが過去についても調査
同じ記事では、「明治大の法科大学院の学生たちが疑念の目で見られることになるのではと心配だ」という他の学校の生徒の声がありました。
当然これは疑われるでしょうね。日経新聞の別記事では、以下のように書いていました。
司法試験漏洩、地検特捜部が捜査 明大教授認める :日本経済新聞 2015/9/8 12:08
法務省によると、青柳教授は2006年から司法試験の問題作成と採点に関与していた。同省は過去の試験についても、漏洩など不正がなかったかどうか調べる。(中略)
同教授と女性は、調査に対してともに不正を認めている。試験前に教授が女性に個別指導をする形で出題内容を漏らしていたという。
同省は「情報の流出先は当該の受験者1人に限られている」としている。他の全ての受験生の解答に情報漏洩が疑われるものは確認されなかったという。
●漏洩の動機は「刑事事件として捜査中で答えられない」
前回も書いたように、過去にも不正がありましたが、こちらは不起訴になっています。
司法試験を巡っては2007年にも、考査委員の慶応大法科大学院の男性教授が、試験前の学生向けの勉強会で出題に関連する内容を教えていたことが発覚。男性教授は委員を解任されたうえ、法科大学院も依願退職した。その後、弁護士らに刑事告発されたが、東京地検が不起訴処分にしている。
朝日新聞によると、今回、刑事告発に至った理由について、法務省で報道機関の取材に応じた小山太士・人事課長は、「一番の違いは、漏洩の事実を認めていることだ」と説明しているそうです。
ただし、漏洩の動機などについては「刑事事件として捜査中で、それ以上は答えられない」としています。
(
教え子の答案「漏洩なければ作成困難」 司法試験問題:朝日新聞デジタル(2015年9月8日12時44分)より)
●女子学生を高級な食事に誘うと評判だった
嫌な話になってしまいますが、この点、憶測を呼んでしまいそうなのが、情報漏洩していたのが女子学生だったことです。それも一人だけってのが、あれですね。次のような記事が出ていました。
司法試験漏えい:明大院教授「女子学生食事に誘う」評判も 毎日新聞 2015年09月08日 11時38分(最終更新 09月08日 12時42分)
青柳教授の授業を受けた明治大法科大学院の男子大学院生は「法律の基本や歴史的背景などが分かりやすく、授業の評判は良い。ただ、女子学生を高級な食事に誘うと評判で、実際に行った知り合いもいる。法曹への信頼に関わるので、教える人と試験問題を作る人は分けた方が良い」と話した。【山本将克、平塚雄太】
同じ記事では、「エネルギッシュで、常に議論をリードしていた」という青柳教授と面識がある考査委員の一人の発言もあります。フォローしているように見えなくもありません。
ただ、「学者としての功績は知らないが、考査委員の経歴が長く、受験業界では有名人。考査委員の中でも発言力が強かった」あたりは、必ずしも擁護には繋がりません。むしろ発言力が強いがためにできた不正とも捉えられます。
上記引用部で男子大学院生が、「教える人と試験問題を作る人は分けた方が良い」と述べていました。慶応大の不正疑惑の後も、"大学教員が考査委員を務める方式は改まっていない"と記事は指摘します。
前回も書いたように、不正はやろうと思えばやれる種のものであり、現在のやり方では今後も不正が起きるでしょうし、なおかつ不正が発覚しない可能性も高いと思われます。
現役教授などを試験問題を作る人から除外するというのは非現実的なようにも思えますが、かと言ってそうせねば不正が起きやすい状況を放置することになります。今回の一件で、本当に現状を改めることができるか?は、注目していかねばならないでしょう。
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