"武雄市図書館の購入蔵書がひどすぎ TSUTAYAの在庫押し付けか?と疑われる"(2015/9/12)という話に、"武雄市怖すぎ…ツタヤ図書館批判で、自宅や家族の職場に幹部らが押し寄せる 市議も議会で個人攻撃"(2017/03/30)を追加。
●武雄市のTSUTAYA図書館の購入蔵書がクズ本だらけ 佐賀県なのになぜか埼玉や千葉のラーメンガイド本を購入
2015/9/12:もうちょっと早く書けば良かったんですが、武雄市のTSUTAYA図書館がまた悪いところで目立っていました。政策がスタートした2013年度に購入された約1万冊の図書資料が"クズ本"すぎると、話題だったのです。
とあるTwitterユーザーが、図書館の管轄機関である武雄市教育委員会の作成した「初期蔵書受け入れ費で購入された資料」を公開。
それによると、自己啓発書、ビジネス書、スピリチュアル・風水・占い関連本、心理学系読み物、健康系エッセイ、グルメガイド、旅行ガイド、着こなし・裁縫・料理本、資格対策本、パソコン(ソフト)ガイド本、などといったもの。図書館で人気の高い、ベストセラーの現代小説などの姿はほとんど見受けられませんでした。
(
選書は“クズ本“ばかり...!? 利用者のニーズを無視した「TSUTAYA図書館」の実態 tocana / 2015年8月30日 13時0分(文=平田宏利)より)
私はこれだけですと、何とも言えません。
本来の役割を忘れた図書館は泥棒と同じ 電子書籍の敵は図書館だという話を過去にやったように、そもそも現代の図書館のあり方に疑問を持っています。人気の高いベストセラーの現代小説を揃える図書館が、本当にあるべき図書館の姿か?というところも改めて問い直されるべきでしょう。
ただ、それは別として、TSUTAYA図書館の「選書」のおかしさは常軌を逸したものであり、問題視されて当然なところがあります。選書がマジでおかしいのです。
「図書館の資料に何を取り入れるかという仕事は選書と呼ばれます。選書は利用者の需要もふまえて行うので、上記にあげられたジャンルの本も含まれていいでしょう。ただし、リクエストが殺到しないであろう、まったく無名の版元や著者の本が複数冊買われています。さらに、
佐賀県には縁遠い埼玉や千葉のラーメンガイド本まで買われています。まともに選書をしているとは思えません」(図書館事情に詳しいフリーライター)
●不思議な選書の理由は、TSUTAYAの在庫押し付けか?
最初、私はなぜこんなへんてこな選書をしたのか、純粋に不思議に思いました。でも、言われてみれば、なぜこんな簡単なことに気づかなかったのか?という話。TSUTAYAの在庫処分に利用されたのではないか?というのが、皆さんの疑いみたいですね。
ラーメンガイド本以外にも、複数の出版社から出ている東京ディズニーランド、ディズニーシーのガイド本が網羅的に買われていたり、国内外の旅行ガイド本も各地域、各都市、各国ごとに大量に買われていたりする。この手の本は毎年、最新情報が更新され発行される。武雄市図書館が購入しているのはほとんどが2~3年遅れの"型落ち本"である。インターネット上で指摘される"TSUTAYAの在庫押し付け"と言われても仕方がない状況だ。
●リニューアルオープン時の蔵書購入について武雄市がお知らせ
たぶんこの批判がネットで沸き起こったためだと思うのですが、武雄市が「お知らせ」を出してきました。
武雄市図書館リニューアルオープン時の蔵書購入について | 市からのお知らせ | たけおポータル 投稿日:2015年09月11日(金)
リニューアルオープン時の蔵書購入については、「新図書館サービス環境整備業務委託」としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)を受託事業者とした委託業務の一部で実施したものであります。
当該図書の選書についてはCCCが行い、市が確認して整備を行いました。
委託業務を進める上で、利用者の安全対策に対応した整備等が緊急に発生したため、教育委員会の判断により委託料の範囲内で調整を図り、中古本(756万円)を購入することで当初予定額(2056万円)を抑え、安全対策を講じることとしました。
ここでいう安全対策とは、書架の高い部分には本の落下防止として柵を新たに設置したこと、また、キャットウォーク上の書架については壁側に荷重がかかるような対策等(1224万円)を講じたものであります。(略)
平成27年9月11日
武雄市教育長 浦郷 究
●問題は予算の多寡ではなく在庫処分のような選書の内容
でも、これ、全然批判に反論できていないひどいものです。武雄市が上で言っているのは、要するに以下のような内容です。
・書架に問題があったため、安全対策に予算が割いた。そのために、中古本を買って節約した。
図書は予定していなかった安全対策が必要になった、というのは書架の選定ミスの可能性があるということで、これはこれで問題です。武雄市図書館は「おしゃれで快適」と好評価があると最初の記事は書いていましたが、おしゃれ感を優先して蔵書への予算が削られていたのだとすれば、図書館の役割として本末転倒です。
それから、最も問題なのは、中古本であろうがなかろうが、選書の内容が問題だという話をしているわけであって、予算がどうという話ではないということです。全く反論になっていません。
まあ、たぶん言い訳するしかないために、敢えて論点をずらしているものと思います。問題ありそうな部分ですので、マスメディアはこの話を取り上げて、追求していくべきでしょう。
●武雄市怖すぎ…ツタヤ図書館批判で、自宅や家族の職場に幹部らが押しかける 市議も議会で個人攻撃
2017/03/30:武雄市はもちろん市なのですが、いわゆる村社会のような話。怖すぎです。
「市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」代表を務めている70代の男性が、市図書館の郷土史の展示スペースのあり方などについて市政を批判する内容で、佐賀新聞に投書して掲載されました。
すると、水町直久理事ら3人が男性宅に訪問。この時点で圧力であり、やばすぎなのですが、男性本人ではない男性の家族の職場にまで行っています。
後者について、諸岡隆裕・こども教育部長は、「ご家族とは仕事上で付き合いがある。市議会の一般質問の中で話題に上がる可能性があるともお伝えした」としていました。が、「ご家族は恐縮されていた」とも言っており、自ら相手に圧力がかかっていたことを白状していました。
さらに市議会一般質問では、山口昌宏市議が男性の名字を出した上で、家族について職業や、仕事柄、市図書館にも縁があることに触れ、「そういう中でこの投稿は通常ありえない」などと批判を展開。どうやら市を批判すると、家族が吊し上げられる町のようです。恐ろしいですね。
(
「ツタヤ図書館」批判の投書、市幹部らが投稿者宅を訪問:朝日新聞デジタル 黒田健朗 2017年3月30日09時24分より)
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