信頼できるのかな?という感じの研究ではあるのですすが、批判や皮肉ばかり言う人に関する研究を二つ紹介しています。一つは、皮肉や批判ばかり言う人には低所得者が多い…とされる研究。また、もう一つは、こうした皮肉屋、批判家は不健康で認知症のリスクも高いという研究です。悪いことだらけですね。
●皮肉や批判ばかり言う人には低所得者が多い…とされる研究
2015/9/13:まずは、
皮肉屋、批判家は稼ぎが少ないことが判明(ドイツ研究) : カラパイア(2015年06月02日)で紹介されていた研究から行きます。
『ジャーナル・オブ・パーソナリティ・アンド・ソーシャル・サイコロジー』誌に掲載された研究で、ドイツのケルン大学社会学・社会心理学研究所で助手を務めるオルガ・スタブロワ博士によると、以下のようなことがわかったとされていました。
・調査では、41ヶ国のデータを比較して、皮肉屋が低所得と関係があることを明らかにした。
・皮肉屋が他人を信用する可能性が低いため協調する機会を逃し、それが経済的成功の可能性も低めていることを示唆している。
●皮肉屋と低所得者と相関しない国もある!ただしそれは特殊な国
実は、前述の関係が成り立たない国、つまり、皮肉屋と低所得者と相関しない国ももあります。しかし、これは日本のような先進国ではありません。単に発展途上国ということではなく、かなり特殊な条件があります。
その特殊な条件というのは、寄付などの向社会的行動が滅多に見られず、殺人率が高いなど反社会的行動が蔓延している国とのこと。このような国では、皮肉ばかり言う人でもデメリットはないみたいです。
木を隠すなら森の中にって感じででしょうか? 悪い人がたくさんいるような社会だと、皮肉や批判ばかり言う人くらいどうってことないのかもしれませんね。
●悪いことだらけ…皮肉屋、批判家は不健康で認知症のリスクも高い
短い記事だったので、別のものも探しました。すると、同じカラパイアの翌日の記事が登場。実は、先のスタブロワ博士は、「従来の研究では、皮肉屋、批判家が健康、心の幸福、結婚など、人生の様々な場面にマイナスの影響を与えていることが判明しています」と言っていました。
その中の「健康」に関連する
人をけなしたり批判するのが好きな「皮肉屋」は脳に損傷をうけ認知症になるリスク(フィンランド研究) : カラパイア(2014年06月03日)という記事です。こちらは、東フィンランド大学の脳神経学者、アンナ・マイヤ・トルパネン博士らの研究。"平均年齢71歳の1449人を対象に、世間や他人に対する皮肉・批判度を測る質問をして、同時に認知症のテストしてみ"たそうです。
すると、皮肉屋はそうじゃない人の約3倍も認知症になるリスクが高いことがわかったとのこと。この数値は高血圧、高コレステロール、喫煙などの認知症に影響を与えるものを調整済みのものです。
●そもそも皮肉屋、批判家ってどんな人?研究による定義・見分け方
なお、こちらの記事では、皮肉屋、批判家を見分けたテストについても、いくつか例が載っていました。
「出世するためにみな嘘をついている」
「人は信用できない」
「人は自分の利益になることにしか積極的に動かない」
私がよく参加しているアンケート調査では、こういう質問がたまにありますわ。私は物事を懐疑的に見るので批判家になるのでは?と思いながら今回の記事を読んでいたものの、アンケート調査である上記のような質問には確かいつも「NO」に近いもの(大抵5段階の選択)を選んでいます。批判家ではないようです。
そして、生活への満足度などは、幸せ全開な選択肢を選んでいます。これは過去の研究であったという「批判家じゃない人の方が幸福」とは一致。ただ、低所得者なので、私の場合は、最初の研究とは異なりますね。まあ、こうした研究は「傾向がある」というものであり、全員に当てはまるものではありません。
●低所得・低学歴と認知症の関係は本当?怪しいと思う理由
ところで、最初に怪しいと書いたように、本当かな?と思う研究です。とりあえず、パッと思いつく疑問は、順番が逆ではないかということ。つまり、皮肉屋だから低所得者になったのではなく、低所得者だから皮肉や批判ばかり言う人になったんじゃないの?という可能性です。
あと、2つ目に認知症の話が出てきたので、
認知症予防に効く高学歴とバイリンガル 低学歴は認知症が多いを思い出しました。こちらによると、低学歴の人も認知症が多いそうです。よく言われているように、低所得と低学歴にも相関関係があります。これらの因子が結果を歪めていないだろうか?と思ってしまいます。
一方、最初の研究での反社会的行動の多い国・少ない国で差が見られたというところには、やっぱり関係あるのかな?と思わせるものですね。すべての国で同じ傾向ではないことは、説得力を感じます。ただ、私は懐疑的な見方が多いと書いたように、これらの研究も少し慎重に見ておきたいと思います。
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