STAP細胞問題でやらかした野依良治前理研理事長。その後任である松本紘前京大総長は、京大時代に恋愛が大事という話をしていました。
●松本紘・前京大総長「恋愛経験者には、入試のバリアを少し下げる」
松本紘・前京大総長 心の世界の進歩を、入試は恋愛経験者を優先すべき…などでも、引用したのですが、もう一度。
「今、子どもの育ち方がひずんでいると思います。偏差値一辺倒で、入試の技術だけ身につけて大学に来る。全員大学に入っても、学力がなくて進路を見失い、社会に出ても役に立たない。医者になりたい人ではなくて、成績のいい人が医者になるように、単細胞でモノレール的なキャリアパスになっています。競争することだけがいいことではない。
受験勉強ばかりでなく、高校時代にやっておくべきこと、例えば音楽とか、恋愛始め人間関係の葛藤とか、幅広い経験をしてきた人に入試のバリアを少し下げる」
(2013年・春を言祝ぐ:支局長インタビュー/3 京大総長・松本紘さん /京都 毎日新聞 2013年01月05日 地方版より
リンク切れ http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20130105ddlk26040216000c.html)
●息子3人が東大の佐藤ママの受験論「受験に恋愛は無駄です」
これとは全く逆に、恋愛排除を唱えている人がいらっしゃいました。
息子3人を東大に入れた佐藤ママ「受験に恋愛は無駄です」 〈週刊朝日〉 ※週刊朝日 2015年9月18日号より抜粋
難関私立の灘中・高校(神戸市)から東大理III(医学部)に息子3人を合格させた佐藤亮子さん。同じく灘→東大理IIIで学んだ精神科医の和田秀樹さんと先月、公開対談をしました。どうしたらわが子を東大理IIIに入れられるか。「受験テク」を披露しました。
* * *
(中略)
佐藤:受験に恋愛は無駄です(会場笑)。1日は24時間しかありません。女の子とスタバで2~3時間、お茶する。年1回ならいいですよ。けれど10回あれば30時間! その時間があれば参考書が1冊終わります。恋愛している場合ではないことを教えましょう。
●恋愛は無駄なので母親は阻止を!
ここで終われば、まだ「冗談」で済んだかもしれません。しかし、以下を見ると、本気っぽいですね。子どもが恋愛しないようにコントロールする術を、母親らに授けています。
「子どもにいちばん効くのは、先輩の失敗談です。灘のお母さん方から「○○先輩は遊んでばかりで2浪した」「彼女がいる△△先輩は、医学部をあきらめたらしい」と聞くたびに、ぜーんぶ話して聞かせていました」
●恋愛をしてもしなくても得るものはある
先に恋愛推奨論を載せましたが、私はこれに当時賛同したわけではありません。人間関係に恋愛が大事だなんて、浅い思想です。しかし、逆に恋愛が勉学にとって邪魔になるから排除しろ、と言いたいわけでもありません。
矛盾しているじゃないか?と思うかもしれませんが、矛盾していません。そもそも恋愛をする・しないなんて、個人の自由であり、周りが禁止したり、制度的に有利にして推奨したりするものではありません。
私は、「結婚して家庭を持って一人前」とか、「人間は子どもを育てないと成長しない」とかいった考え方も、同様に批判しています。恋愛にしろ、結婚にしろ、子育てにしろ、する・しないはその人に任されるべきで、周りがギャーギャー言うものではありません。
恋愛をして得るものがあればそれは素晴らしいことだと思いますが、恋愛をしなかった時間で別の何かを得られることもあります。どちらが上で、どちらが下というものではないのです。
●和田秀樹医師はスマホ禁止も主張
そもそも私は人間をコントロールしようという、自由に反する考え方は、大嫌いです。上記の時点で、佐藤亮子さんは子どもを所有物であるかのようにコントロールしている感じがして嫌でした。
ただ、いっしょに対談した精神科医の和田秀樹さんも同じような考え方のようで、強く賛同していました。おまけに、子どもが持っているスマートフォンを取り上げることまで提案しています。
和田:おっしゃるとおり。「男前じゃなくても、医学部に受かったら彼女ができる、良いことがある」と持っていったほうが良い。恋愛だけじゃなく、いいものは努力して勝ち得るほうが人を成長させます。実際、医学部に行けばモテます(笑)。
ただ、恋愛より怖いのはスマホです。依存症になりやすく、睡眠時間も削られる。大学合格まではガラケーにして、家に帰ったら取り上げるくらいにしたほうがいいと思っています。
●子どもが自分でお腹を満たせないようにコントロール
もう一つ、佐藤亮子さんに戻って、子どもをコントロールしている感じのところを。
佐藤:わが家は、目立った反抗期がありませんでした。あったのかもしれませんが、子どもが多かったので気づかなかった(笑)。
ただ、反抗期が来たらどうしようかな、と考えていました。私なりの答えは、優秀なコックになること。昔々のお母さんは薪をくべてご飯を炊いていました。生活の中で、自然と母のありがたさを感じることができた。けれど、今は500円あれば、子どもは自分でおなかを満たすことができる。これではいけません。お母さんがいないとおいしいものが食べられないようにしておくのがいいですよ。
和田秀樹さんがこの後していた下記の話には、ちょっと興味を惹かれました。
「反抗期はあったほうがいい、という理論がありますが、米国の研究では、大きな反抗期があった子どものほうが後々、犯罪者や精神疾患になる確率が高い」
ただ、佐藤ママのやり方はやはり賛成できません。このやり方で行くと、子どもを抑圧していた、力で押さえつけていたから、反抗期がなくなった…ということも起きかねません。それは望ましいことではないでしょう。
●母親のおかげじゃなくて父親の遺伝子のおかげ?
佐藤さんは、
受験は母親が9割 灘→東大理Ⅲに3兄弟が合格!
という本を出しており、どうもこの宣伝っぽいです。
この本のタイトルの付け方が、また私の嫌いな売り方になっています。勉強ができるかどうかは遺伝の影響が強いと言われているのに、こんな誤解されるタイトルで売り込むというのは、非常にあくどいです。
(
カナダの天才日本人少年大川翔、汚い大人たちに利用される?での書籍は、先天性であるギフテッドに後天的になるように思わせていて、さらにあくどかったです)
アマゾンの評価も悪いものが多かったんですが、そこには父親が弁護士という情報がありました。この情報が正しければ…ですが、書籍名に「母親が9割」とあるものの、「結局それ、遺伝のおかげじゃねーの?」というオチがつきました。
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