就活の内定辞退の話をまとめ。<選考過程では紳士的だったという担当者が豹変して怒鳴りだす…>、<内定辞退をやめさせようとして、会社側が脅迫となる可能性>、<内定辞退で差がつく!苦しいときに価値を下げる会社と上げる会社>などをまとめています。
2023/08/03:
一部見直し
●選考過程では紳士的だったという担当者が豹変して怒鳴りだす…
2015/9/17:内定辞退の話は、
内定辞退メールは禁忌、引き止めという名の嫌がらせもといった話をやっています。ただ、だいぶ前の話です。
今回の元記事もそう新しくはないのですけど、一つ読んでみようということで。
内定辞退、修羅場でむき出しになる人事の本性 :日本経済新聞(2014/4/30 7:00 日本経済新聞 電子版)という記事です。
この記事で並んでいた人事のセリフのは、以下のようなものでした。
「この時期に辞退するとは不誠実やろ!」
「君1人を採用するのになんぼカネかかったか、わかっとんのか!」
「君が辞退したことで、本当ならウチに入れる人の人生を変えてしまったんだ」
「君は内定者懇談会で関西まで来たが、新幹線代をだまし取ったことになる」
選考過程では紳士的だったという担当者がすっかりオラオラ系社員に早変わりしているのです。
●内定辞退をやめさせようとして、会社側が脅迫となる可能性
私は上記の最後は特に問題だと思いました。内定辞退する就活生側に法的な問題はないという話が後から出ていたのですけど、上記の会社側の場合は法的に問題あるのでは?と感じました。
このケースそのものではないものの、「こういう内定辞退をするなら、今後君の出身大学からは採用しない。それでもいいのか?」はグレーゾーンだとされていました。ロア・ユナイテッド法律事務所の弁護士、竹花元さんは、以下のように指摘しています。
「企業がどこから人を採るかは自由(中略)。しかし、内定辞退をやめさせようとして脅しに使った場合は脅迫となり法に触れる可能性がある」
●内定辞退が企業側にとって困るのは理解できるものの…
内定辞退が企業にとって苦しいことであり、大きな痛手となるのは当然です。ですから、学生側は丁寧に誠意を込めて断るべきです。
内定辞退メールは禁忌で書いたように、メールなんてのは適当さを感じさせるおそれがあります。
しかし、だからと言って、企業側がヤクザまがいの発言をしていいという話になるわけではありません。以前書いた
圧迫面接のような馬鹿なことをする企業の意図とコンピテンシー面接と同じで、これは企業が馬鹿だと思いますよ。
たとえ法的に問題なくても、道義的に問題があるような行為は慎むべきしょう。採用担当者は「うちは内定辞退した学生は徹底的に潰します」って、社会に向けて堂々と言えるかどうかよく考えるべきです。
●「うちの会社はバカです」宣言をしてしまう日本企業大丈夫?
圧迫面接でも書いたように、こういうアホな会社は「あぁ、行かなくて良かった。やっぱり辞退して正解だった」と考えて良いでしょうね。ああ、本当にこの会社ダメなんだなと思ったエピソードがありました。悪いですけど、読んでいて吹き出してしまいましたわ…。
よりによってある人気企業の採用担当者らしいんですけど、「ウチは内定辞退が出ない前提で採用しているから、1人でも辞退が出ると大変。選考過程にも相当手間がかかっていて、コストは内定者1人あたり1000万円ぐらいかかっている。辞退されるとこれがパーになる」などと言っていました。
「内定辞退が出ない前提で採用している」ってのは、「うちの会社は馬鹿です」と自己紹介しているようなものですよ。人気企業であるがため学生に断られることが少ないのでしょうが、普通は内定辞退まで考慮に入れて採用活動をします。会社としても社会人としても計画性なさすぎ。アホです。
コストなどは全く異なりますけど、私立大学なんかは人が来ないことを想定して多めに合格者を出していますよね。採用人数は景気の傾向で変動しやすく、辞退率は読みづらいでしょう。たいへんだとは思います。でも、それを考えていないと宣言して開き直るのは、やはり賢いことではありません。
●内定辞退で差がつく!苦しいときに価値を下げる会社と上げる会社
同じ「辞める」という話では、過去に書いた
会社を辞める社員を説得しない方が良い理由 退職希望者は追うな!も思い出します。内定辞退で人事の本性が修羅場でむき出しになるのと同様、期待した社員が退職する場面でも企業の本当の価値が出てくるのでしょう。
「退職希望者は追うな!」の投稿では、サイバーエージェントとトリンプ・インターナショナル・ジャパンで企業価値の大きな違いを感じました。今回の記事でも以下のような逸話があります。
「メガバンクから口止めされていて、どの業界に行くかしか言えなかった。なのに『同じ会社じゃないけど同じ金融。一緒に頑張ろう』と励ましてくれた。内定辞退はその人の評価に影響するかもしれないのに。ありがたくて、たまらず泣いてしまいました」
こういう行動をすると会社の価値が高まります。逆に脅迫なんかしちゃうのは、会社の価値をグーンと落としていると言えるでしょう。後先考えていませんね。内定辞退でトラブルを起こすこと自体が「うちの会社はバカです」宣言なのです。
企業のイメージを決めるというと、広告・宣伝やCSRのことばかり思い浮かぶでしょうが、それだけじゃありません。普段の企業活動による影響もあります。企業不祥事なんかはマイナスの宣伝費とも捉えられるでしょう。あれはお金に換算したらすごいマイナスの広告ですよ。
そして、今回のような内定辞退の場面や面接も、企業価値を落とすこと・上げることどちらにも転ぶ可能性があるものです。ですので、学生に気持よく選考に落ちてもらう、気持よく内定辞退してもらうってのも大事ですよ。もっと企業はここに力を入れるべきです。
【本文中でリンクした投稿】
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圧迫面接のような馬鹿なことをする企業の意図とコンピテンシー面接 ■
内定辞退メールは禁忌、引き止めという名の嫌がらせも ■
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