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ノーベル賞日本人候補に森和俊・坂口志文 水島昇は落選で大隅良典は実際に受賞


 もうそんなシーズンなんですね。風物詩的なものを感じますが、ノーベル賞有力候補者を挙げるトムソン・ロイター引用栄誉章が、発表されました。有力な森和俊さん、坂口志文さんについて、紹介する投稿を書いています。

 その後、もう一つおふたりが出てくる2016年の投稿もいっしょにまとめました。こちらの方でいっしょに紹介していた大隅良典さんは実際に受賞しています。一方、もうひとり紹介していた水島昇さんはノーベル賞を取らないことが確実になっています。(2019/10/05)

2015/9/24:
●森和俊京大教授・坂口志文大阪大教授が有力候補に
●ふたりともノーベル賞の登竜門である賞も獲得済み
●森和俊京大教授の経歴 山中伸弥教授と同年にガードナー国際賞も
●坂口志文大阪大教授の経歴 上原賞・日本学士院賞なども受賞
●日本人が強いノーベル賞の分野「医学・生理学」、一方で問題も誘発?
2016/9/29:
●日本人ノーベル生理学医学賞候補 森和俊教授はラスカー賞を受賞済み
●同時受賞が見込めそうな大隅良典氏・水島昇氏や坂口志文氏
●ノーベル賞の登竜門ラスカー賞はもらっていなくても大丈夫?
2020/06/09:
●新型コロナウイルスで免疫注目?坂口志文大阪大教授にドイツのコッホ賞


●森和俊京大教授・坂口志文大阪大教授が有力候補に

2015/9/24:トムソン・ロイター引用栄誉章では大体毎年いるのですが、今年も日本人が含まれています。

 トムソン・ロイターは9月24日、10月5日から予定されているノーベル賞受賞者の発表に先駆け、同社の学術文献引用データベース「Web of Science」を元に、論文がどの程度引用され、学術界にインパクトを与えたのかなどを考慮した「ノーベル賞有力候補者(トムソン・ロイター引用栄誉章)」を発表しました。

 日本からは、「医学・生理学」分野で2人。京都大学大学院理学研究所の森和俊 教授は、「小細胞内の変性タンパク質の検出とメカニズムを独自に発見」で選ばれています。もうひとり大阪大学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文 教授は、「制御性T細胞と転写因子Foxp3の特性と機能に関する独創的な発見」で選出されました。
(トムソン・ロイター、ノーベル賞有力候補者18名を発表 - 日本人は2名選出 | マイナビニュース [2015/09/24]より)


●ふたりともノーベル賞の登竜門である賞も獲得済み

 両者とも名前を覚えていませんでした。ただ、私が記憶していなかったというだけで、森和俊京大教授は、ノーベル医学生理学賞・日本人有力候補 森和俊,遠藤章,竹市雅俊などでも書いていました。

 一方の坂口志文大阪大教授は本当に過去に書いたことのない方。毎日新聞のノーベル賞候補予想:森、坂口氏ら18人…米情報会社発表 2015年09月24日 17時21分(最終更新 09月24日 17時27分)では、お二人の研究について、もう少しだけ詳しい説明がありますので、そちらもどうぞ。

<森氏は、細胞内に作られた異常なたんぱく質がたまるのを防ぐ「小胞体ストレス応答」と呼ばれる仕組みを解明した。異常なたんぱく質の蓄積は、がんや糖尿病、パーキンソン病などと深い関係があり、治療法開発への応用が進められている。
 坂口氏は、免疫が自己を見分けられずに自分の体を攻撃するのを抑えるリンパ球の一種「制御性T細胞」を発見。自己免疫疾患やがんの治療に効果があることを示した>


●森和俊京大教授の経歴 山中伸弥教授と同年にガードナー国際賞も

 経歴の方も見てみましょう。毎日新聞にはありませんでしたが、森和俊京大教授はラスカー賞の他に、ガードナー国際賞も受賞しています。ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授と同じときに受賞していたようです。(森和俊 - Wikipediaより)

<略歴>
1977年 京都大学工学部合成化学科入学
1978年 京都大学薬学部製薬化学科へ転学部
1981年 京都大学薬学部製薬化学科卒業
1983年 京都大学大学院薬学研究科修士課程修了
1985年 京都大学大学院薬学研究科博士課程中途退学
1985年 岐阜薬科大学助手
1987年 薬学博士(京都大学)
1989年 米国テキサス大学博士研究員
1993年 HSP研究所主任研究員
1999年 京都大学大学院生命科学研究科助教授
2003年 京都大学大学院理学研究科教授(生物科学専攻、生物物理学教室)

<受賞歴>
1997年 生化学会奨励賞
2005年 ワイリー賞
2006年 生化学会柿内賞
2008年 大阪科学賞
2009年 ガードナー国際賞[1]
2011年 上原賞(上原記念生命科学財団)
2013年 朝日賞[2]
2014年 ショウ賞生命科学および医学部門[2]
2014年 アルバート・ラスカー基礎医学研究賞[2]
2015年 トムソン・ロイター引用栄誉賞 「小胞体内の変性タンパク質の検出と修復によるメカニズムを独自に発見」


●坂口志文大阪大教授の経歴 上原賞・日本学士院賞なども受賞

 坂口志文大阪大教授のお名前は「しもん」と読むみたいですね。同じくWikipediaからですが、略歴の方はわかりづらかったので、大幅に書き直しています。

<略歴>
1976年 京都大学医学部医学科卒業、医師免許取得
1977年 大学院中退、愛知県がんセンター研究所実験病理部門研究生
1983年 医学博士(京都大学)
1983年 ジョンズ・ホプキンス大学客員研究員
1987年 スタンフォード大学客員研究員
1995年 東京都老人総合研究所免疫病理部門部門長
1999年 京都大学再生医科学研究所生体機能調節学分野教授
2007年 京都大学再生医科学研究所・所長
2010年 大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授(現職)
2012年 米国科学アカデミー外国人会員

<受賞歴>
2004年 - ウィリアム・コーリー賞
2005年 - 武田医学賞
2007年 - 上原賞
2008年 - 慶應医学賞
2011年 - 朝日賞
2012年 - 日本学士院賞
2015年 - ガードナー国際賞
2015年 - 中日文化賞
2015年 - トムソン・ロイター引用栄誉賞 「制御性T細胞と転写因子Foxp3の特性と機能に関する独創的な発見」


●日本人が強いノーベル賞の分野「医学・生理学」、一方で問題も誘発?

 同じ「医学・生理学」であるせいか、やはりお馴染みの賞である上原賞も両者ともに受賞しています。他に朝日新聞社の朝日賞も共通ですね。ノーベル賞受賞済みの山中伸弥教授の名前が出たように、この分野は日本の強い分野です。ただ、さっき書いた上原賞なんかは笹井芳樹さんが受賞しているものです。つまり、STAP細胞問題という大事件が起きた分野とも言えるわけです。

 STAP細胞問題で味噌がついたので、もうなさそうですが、当時笹井芳樹さんの上司だった竹市雅俊さんも、ノーベル賞有力候補とされていました。こんな風に有力な人は多いのです。

 で、日本人がノーベル賞に!となると熱狂してしまうのですが、STAP細胞問題はその熱狂が歪みを生じさせるおそれを感じさせました。日本人はノーベル賞ばかりに注目しすぎで他のことに無関心…という批判はそうでなくともあり、我々の反応ももっと考えなくちゃいけないかもしれません。


●日本人ノーベル生理学医学賞候補 森和俊教授はラスカー賞を受賞済み

2016/9/29:ノーベル賞候補の話はそれほど読まれないのでもうあまり書かないでおこう…と思いつつ、日経新聞がやっていた記事を読んでまた書きたくなりました。今年のノーベル賞、日本人の有力候補は?  :日本経済新聞(2016/9/23 9:11)というものです。

 まず今回は、ノーベル生理学・医学賞。日本人の候補者がたいへん多い分野です。しかし、記事には、<生理学・医学賞は昨年の大村智氏に続き日本人4人目の受賞に期待が膨らむ>とありました。まだ3人しかいないんだ!と意外です。

 森和俊教授が有力だと見られるのは、ノーベル賞の登竜門といわれる米国のラスカー賞を2014年に受賞しているというのが一つ。さらに、カナダのガードナー国際賞も受賞しています。ただ、気になるのは、研究内容の説明でした。

 森教授は、細胞内の「小胞体」と呼ばれる器官内で、たんぱく質の品質を選び分ける仕組みを解明。糖尿病やがんの治療薬として研究が国内外で進んでいるといった説明があります。

 これは逆に言うと、まだ実用化には至っていないってことのように見えます。ラスカー賞・ガードナー国際賞ダブル受賞というのは、実際に京都大学の山中伸弥教授と同じパターンですが、このときは山中教授がサブで、実用化が進んだ例とみなされていました。実用が進んでいないのでしたら、意外に受賞は近くないかもしれません。


●同時受賞が見込めそうな大隅良典氏・水島昇氏や坂口志文氏

 前述のガードナー国際賞を2015年に受賞しているのが、坂口志文特別教授と東京工業大学の大隅良典栄誉教授です。ガードナー国際賞 - Wikipediaでは、以下のような説明がありました。

2015年 w:Lewis C. Cantley, w:Michael N. Hall, w:Lynne E. Maquat, 大隅良典, 坂口志文

 ガードナー国際賞はノーベル賞と違って、同じ分野でセットで受賞ってわけじゃないんですかね? 先述の森和俊教授と山中伸弥教授が同年に受賞していました。

2009年 w:Peter Walter, 森和俊, w:Lucy Shapiro, w:Richard Losick, 山中伸弥

 ただ、東京大学の水島昇教授は大隅良典栄誉教授の共同研究者であり、こちらは本当に同時受賞が見込めそうです。


●ノーベル賞の登竜門ラスカー賞はもらっていなくても大丈夫?

 この3人はラスカー賞の方は受賞していません。これはネックになるかな?と山中教授以外の最近のガードナー国際賞を受賞してノーベル賞になった人を見てみました。

 2015年受賞の大村智さんとジュール・ホフマンさんがその該当例ですが、ともにラスカー賞はもらっていません。となると、ガードナー国際賞だけでも問題ないのかもしれません。

 あとは実用化がどうかというところ。坂口志文特別教授の発見した免疫が暴走しないように抑える「制御性T細胞」は、"関節リウマチなどの自己免疫疾患や抗がん剤に応用されつつある"という微妙な書き方。まだちょっと早いですかね?

 大隅良典栄誉教授が"細胞内で役目を終えたたんぱく質を掃除するオートファジー(自食作用)の働きを解明し"ていますが、日経新聞ではそれ以上の話はなし。仕方ないので検索して応用例を探してみたもののよくわからず。こちらも時期尚早かもしれません。

2016/10/03追記:…と書いていたら、オートファジー来ましたね! ただし、大隅良典栄誉教授だけで、水島昇教授の同時受賞はなかったようです。同じ内容で二度選ばれることはないため、事実上の落選が決まった形になります。


●新型コロナウイルスで免疫注目?坂口志文大阪大教授にドイツのコッホ賞

2020/06/09:大阪大・坂口志文氏にコッホ賞 免疫反応抑える細胞発見 | 共同通信(2020/6/8 19:16)という記事を見て、名前は見覚えあるものの、何をした人だったか思い出せず。研究不正疑惑だったけ?と検索したらこの投稿が出てきました。いい話の方でした。

 記事によると、ドイツのロベルト・コッホ財団は2020年6月8日、免疫学や微生物学の優れた研究をたたえるロベルト・コッホ賞の今年の受賞者に、大阪大の坂口志文特任教授(69)を選んだと発表。賞金は12万ユーロ(約1500万円)だそうです。

 受賞の理由は、体内の過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」の発見。免疫が自分の体を攻撃する自己免疫疾患やアレルギーの治療研究を大きく進め、がん治療への応用も期待されているとのこと。新型コロナウイルス問題がありましたし、免疫というのは特に今年注目されているところかもしれませんね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ノーベル医学生理学賞・日本人有力候補 森和俊,遠藤章,竹市雅俊など

【関連投稿】
  ■ノーベル賞有力候補、西美緒・吉野彰の経歴 リチウムイオン電池の発明
  ■ノーベル化学賞日本人有力候補 国武豊喜,春田正毅,新海征治ら
  ■日本のノーベル賞級研究者 澤芳樹, 遠藤章, 岸本忠三,細野秀雄ら
  ■ノーベル化学賞日本人有力候補 北川進,向山光昭,柴崎正勝など
  ■ノーベル賞予想、候補者に日本人 大隅良典・水島昇・細野秀雄ら
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

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