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男女による自殺率の違い


 社会実情データ図録というサイトの図録▽世界各国の男女別自殺率というページがあって、自殺率の詳しいデータと図があります。

 これを見ると男性の方が女性より圧倒的に自殺者が多いというのは世界的な傾向のようなのですが、地域によってはそれと異なるところもあります。


 まず、男女合計の自殺率(人口10万人当たり自殺者数みたいです、%じゃありません)。


1位(高)
ベラルーシ 35.1

2位(高)
リトアニア 30.4

3位(高)
ロシア 30.1

4位(高)
カザフスタン 26.9

5位(高)
ハンガリー 26

6位(高)
日本 24.4

1位(低)
アンティグアバーブーダ 0

1位(低)
ハイチ 0

1位(低)
ホンジュラス 0

1位(低)
セントクリストファーネビス 0

1位(低)
エジプト 0

1位(低)
ヨルダン 0

 さすがの自殺大国日本も上位でしたので、6位まで掲載。

 その他は東欧など旧社会主義国がズラリ。


 低い方はなんと自殺率0%で、同率で並びました。

 「アンティグアバーブーダ」とか「セントクリストファーネビス」とか初めて聞きました。

 アンティグア・バーブーダは、メキシコ湾の南カリブ海の元イギリスの植民地。二島の名を合わせて国名に。人口7万人。

 セントクリストファーネビスは、Wikipediaではセントクリストファー・ネイビスの表記。西インド諸島で国名はアンティグア・バーブーダと同じパターン。面積と人口は共に南北中アメリカにおいて一番小さく、独立年も一番新しいそうで、人口4万人。

 ここらへんの人口が少ない国はわかりますが、他は聞いたことのある国。特にエジプトは人口8000万です。イスラム教の国では同順位のヨルダンの他、シリアが0.1、イラン0.2、アゼルバイジャンが0.6など、ちょこちょこといます。

 それ以上に目立つのは、先に上げた二国やハイチ、ホンジュラスのような中米の国です。南米も同傾向で、ブラジルのような人口の多くて、経済的にも発展している国ですら4.6に留まります。やはりラテン気質なんでしょうか?


 次に男性の自殺率を女性のそれで割ってみました。


順位
国名 男/女(倍)

1位(高)
マルタ 24.6 12.3

2位(高)
パナマ 13.0 10.4

3位(高)
バーレーン 9.8 4.9

4位(高)
ベリーズ 8.4 13.4

5位(高)
プエルトリコ 6.60 13.2

6位(高)
スロバキア 6.56 22.3

7位(高)
モルドバ 6.5 28.0

8位(高)
ボスニア・ヘルツェゴビナ 6.2 20.3

9位(高)
ベラルーシ 6.15 63.3

10位(高)
ポーランド 6.09 26.8



 これで見ると、あんまり地域的な傾向が見られなくなってしまいました。ただ、引用元では自殺率の高い旧ソ連・旧共産圏諸国では大幅に男性の自殺率が女性を上回っていることが目立っており、同じように自殺率が高い国の中でも、日本、韓国、スリランカとは違う傾向を示していることを指摘しています。確かに男/女(倍)でも、この後の10位以下にウクライナ、ロシア、リトアニアと続きます。

 あと、女性の自殺率が0のため数値が出せなかった国々の中では、セーシェル(インド洋の国)が一番高い男性の自殺率でしたが、それでも9.1程度で低い数値です。(でも、ここは男女合計だと13.2に増えています。データの数字がおかしいかも)


 一方、男/女(倍)の低い国。


順位
国名 男/女(倍)

1位(低)
サントメプリンシペ 0.0 1.8

2位(低)
中国 0.9 14.8

3位(低)
タジキスタン 1.26 2.3

4位(低)
インド 1.34 9.1

5位(低)
アルバニア 1.4 3.3

6位(低)
フィリピン 1.5 1.7

7位(低)
シンガポール 1.675 7.7

8位(低)
香港 1.678 11.5

9位(低)
キプロス 1.78 1.8

10位(低)
クウェート 1.79 1.4

 1番女性が高かったのは、サントメ・プリンシペ。これも二島を合わせて国名パターンですが、こちらは西アフリカのギニア湾に浮かぶ島。

 男性が0だったので1位ですが、女性も僅か1.8と全体に非常に少ない国です。


 ということで、事実上の1位は中国。女性の自殺率の方が上というのは、この中国まで。後はみな男性が多いです。

 引用元では、「女性が男性と比べてそう低くない国としては、インド、及び香港、シンガポールといった中国人の多い国が挙げられる」とまとめていますが、特異な傾向です。

 あと、「特に農村部で」ともありましたが、こちらは男女比に関して言えばそれほど顕著ではないと思います。(中国都市部 男6.7女6.6 中国農村部 男20.4女24.7。全体の自殺率自体は大きく違います)


 忘れていましたが、日本は2.6倍。どちらかと言うと、女性の自殺の割合が多い部類に入ります。(日本は男性で世界8位、女性で4位)


 最後にWikipediaから、男女の違いについて述べたものを箇条書きで。

・内閣府の行った意識調査では、自殺したいと思った事があるのは男性(16.3%)よりも女性(21.9%)の方が多く、実際の自殺者では男性の方が2.5倍も多い。

・中国で多い女性の自殺の要因は、ドメスティックバイオレンス(女性)、夫の不倫(女性)など。

・ニュージーランドでも自殺では男性の割合が多いのに対して、自殺未遂での入院では女性の割合が多い。


 「自殺したい」に関して補足しておくと、この数値は女性が自殺したいと思っても、自殺は実行しないという意味ではないと思います。

 直接「自殺したい」と比較したデータはありませんが、自殺未遂のデータを見ると、自殺者のうち以前に自殺未遂経験があるものは、男性では13.5%、女性では28.6%。別調査では、自殺者の30%に自殺未遂歴があり、60%にはなく、10%は不明である、特に女性の場合は自殺者の45%に未遂歴があるという数字もあり、ともに女性の方が高くなっていますので、男女でそれほど極端な違いはないものと思います。

 おそらくこれは男性の方が、自殺したいと思ったり、自殺未遂の経験なく、いきなり自殺に至る場合が多いということを示しているのだと思います。


 それにしても、男女比についても、自殺の多さについても、国ごとにこれだけ大きく傾向が違うというのは、不思議です。

 日本は男女とも嬉しくない世界上位です。気質と言ってしまえばそれまでですが、自殺の少ない国を見習う必要があるかも知れません。


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 ↓ 紹介した作者の出されている本だそうです。

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