●「汗」と「根性」の先に企業の未来はない…未だにある精神論企業
2015/10/8:普段読んでいるものだけで手一杯なので、ITproはメルマガを登録しているだけでほとんど読んでいません。しかし、この前メルマガのタイトルが気になったものがあったので、久々に本文まで読んでみました。「汗と根性の先に未来はない」と題されていたもの(ITproメール 号外 2015年7月23日)です。日経コンピュータの原 隆さんの文章です。原 隆さんは日経ビジネス時代によく読んでいた方ですね。
ビジネス系のメルマガですので、本文では「企業」が加わり、<「汗」と「根性」の先に企業の未来はない>となっています。<「汗」と「根性」の先に企業の未来がある。今の時代、こう考える企業は減ったかもしれないが、根底にはこうした意識が少なからず残っていることは否定できない>とした上で、以下のように書いていました。
<不適切会計に揺れる東芝では、経営陣による「チャレンジ」と称した利益至上主義、予算必達の圧力が問題の原因だったことが第三者委員会の報告書で明らかになった。掲げられていた数値目標に根拠は無く、根性論を現場にただ説いただけ。ウサギ跳びを強いていた50年前と何ら変わりがないことが分かる。
企業がいかにして既存顧客との関係を維持し、新規顧客を開拓し、売り上げを拡大していくか。こうした過程について、マーケティングの世界では既に科学的なアプローチが実証されている。
もちろん、各々の企業で積み上げてきたノウハウや知見があるだろう。だが、本当に科学的に、客観的に見つめ直す機会を設けているだろうか。(中略)企業も今一度、立ち止まって見つめ直す時期に来ているのではないだろうか>
●根性論を捨てて成功したハンマー投げ室伏広治氏の父室伏重信氏
メールで一番おもしろかったのは、ハンマー投げ選手、室伏広治さんの講演に関する話。「努力は人を裏切らない」などと言いますが、闇雲にやりゃ良いってもんじゃありません。バンバン奴らは人を裏切りますよ。信用しちゃいけません。
先日、日経BP社はホテルニューオータニで「IT Japan 2015」を開催していました。2015年7月9日の最終公演で登壇したハンマー投げ選手、室伏広治さんの講演は、企業にとって多くの示唆に富む内容だったとされています。これがまさに<「汗」と「根性」の先に未来はない>というものだったのです。
<室伏氏の父・重信氏もハンマー投げ選手で日本記録保持者だったが、「父いわく、1日12時間も投げ続けたことがあったそうだ。練習は決して裏切ることはないと精を出していたそうだが、実際は記録が落ちていった」(室伏氏)。1960年代は、身体を鍛えるために学校教育でもウサギ跳びを推奨していた時代。科学的根拠もなく、ただひたすらに苦痛を伴うトレーニングが横行していた。
重信氏は非科学的で非効率なトレーニングに別れを告げ、科学的で客観的なアプローチに切り替える>
●室伏は父もすごかった!「アジアの鉄人」の異名を持つ室伏重信氏
室伏重信 - Wikipediaでは、"父・重信氏もハンマー投げ選手で日本記録保持者だった"とあるように、選手として成功した方でした。
オリンピック代表4回・日本選手権10連覇・アジア大会5連覇などの金字塔を打ち立て「アジアの鉄人」とうたわれたそうです。 1984年にマークした75m96の日本記録は1998年、実の息子である室伏広治に破られたが、執筆時点では現在でも日本歴代2位。親子で1位と2位の記録を持っているんですね。また、根性論を捨てたという話との関係で興味深いのが、優れた陸上競技指導者でもあること。陸上競技指導者としても一流のようでした。
<指導者としてアテネオリンピック男子ハンマー投金メダリストとなった前述の室伏広治を始め、長野オリンピックボブスレー代表の中村康夫、釜山アジア大会男子ハンマー投銀メダリストの土井宏昭、エドモントン世界選手権女子ハンマー投代表の綾真澄、自身の長女でアテネオリンピック女子ハンマー投代表の室伏由佳、富士通で活躍した植徹など、幾多の名選手を育成した>
●室伏重信氏は「倒れ込み」という独特の投擲フォームも開発した
「倒れ込み」という独特の投擲フォームも開発したことに関する話も、先ほどのエピソードとの関連を感じさせます。
<外国人選手との体格の差を埋める為に重信が開発した投擲フォームである。 現在では当たり前になったが、当時は一般的でなかったビデオによるフォームの確認を行いながら、人体についての専門書も読み、試行錯誤を繰り返し作り出した。 体格の大きい選手は自らの背筋力でハンマーの遠心力に耐えて投擲ができるが、体格の小さい重信では自らの背筋力のみではハンマーの遠心力に耐えきれずに限界が来る。 そこを後ろに倒れ込むようにしてカバーし、更に回転半径を大きくし、ハンマー先端の遠心力が増加、それがスピードアップにつながる。 この技術は他のハンマー投げの選手は使っておらず、息子の室伏広治にのみ受け継がれている技術である。 その室伏広治はオリンピック、世界陸上選手権の両方で金メダルを獲得するまでに到った>
根性論的な企業の関係で、
ワタミ渡邉美樹、29年考えてできた理念「365日24時間死ぬまで働け」と絡ませようと書き始めたときには思っていたのですが、思った以上にWikipediaにおもしろい話が多かったです。これだけで十分な感じになりました。
【本文中でリンクした投稿】
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