"「まじめ」で「堅実」な社長が会社をつぶす"という文字が見えて、読み始めた話。真面目の何が悪いんじゃ?と思って、本文を読むと予想外のことが書かれていました。リストラは正義だというのです。
これは倒産企業の特徴について書いたもので、リストラが正義と同様の印象を与える人情に弱い社長の他、高齢社長などが倒産する企業に多いんだそうです。(2015/10/18)
●「まじめ」で「堅実」な社長が会社をつぶす?
2015/10/18:"「まじめ」で「堅実」な社長が会社をつぶす"が気になって読み始めたもののの、実際に読んでみると「まじめ」で「堅実な」とは、ちょっと意味合いが違う感じもありました。後で出てくる「人情に弱い」の方が的確な表現だと感じます。
あと、ちょうど同じ時期に投稿した
若い方が起業の成功率上がるは嘘だった ワンマン社長タイプもダメでは、「利己的で攻撃的、つまりエゴ丸出しの起業家は良くない」「ナルシストな性格の持ち主もダメな起業家」という話が出ていたのでいっしょに見たくなります。
こちらは内容がただちに矛盾するとは言えないですし、起業家に限ったものでしたが、両方満たすとなると、利己的なのはダメだけど人情に弱いのもダメでドライでなくてはいけない…と、ものすごく難しくなっていく感じです。
帝国データバンクが明かす「会社をつぶす社長」の10大トレンド ――藤森徹・帝国データバンク情報統括部長|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン 2015年7月15日
最近の倒産を見ていると、実は「まじめ」で「堅実」な社長が会社をつぶす、という傾向が見えてきます。中小企業のうち約30万~40万社が借入金の返済がうまくできていないのですが、これらの会社は金融機関に借入金の返済条件を緩和してもらって経営を続けています。これら企業は経営を立て直すために「経営改善計画書」を提出していますが、金融機関が求めるのは主に人員削減を中心とする「リストラ」です。前述のように大企業であっても、巨額の赤字を出せば、数千人規模の人員削減を迫られます。
ところが「まじめ」で「堅実な」社長は、どうしてもリストラに躊躇してしまいます。人情に弱く、人員削減の決定ができないのです。結果的に赤字が解消できず、銀行からも見放されてしまう中小企業の社長は少なくありません。
●倒産企業の特徴 社員のリストラを躊躇する会社
まず、従業員解雇を迫られるような経営不振に襲われないことが、一番だとは思います。しかし、そのような状況に陥った場合は、ためらうことなく、社員らのクビを切るべきという話。リストラはむしろ会社の寿命を縮めている!と叫んでいる人たちは、怒りのあまりに頭の血管が切れてしまいそうな話です。
ただ、リストラでプラスという話、マイナスという話ともに、研究論文となるようなデータ的な根拠が挙げられいるのを見たことがありません。本当は証拠が必要なのですけどね。
今回の記事は、帝国データバンク情報統括部長によるものであり、どちらかと言うと、こちらの信頼性がありそうではあります。とは言うものの、数字的な話はなかったために、判断は保留しておきたいです。
●倒産!会社を潰す社長5つの特徴
そういった信頼性はともかくとして、藤森徹部長の分析した「実際に倒産した会社の社長の特徴」は以下のようなものでした。
①数字に弱い 自社の取引先の状況を説明できなかったり、経理や財務を部下に任せきりにしたりしている社長は、要注意。
②朝が弱い 朝一番に調査に訪れても社長がいない会社。
③決断力が弱い 物事を「やめる」決断ができない社長。たとえば、設備投資を決断することはどんな社長でもできますが、重要なのは状況に応じて中止すること。
④パソコンに弱い
⑤人情に弱い リストラができない社長。
●倒産会社の社長には5つの「ない」がある
続いて、5つの「ない」という特徴も挙げていました。
②の「悪い情報が伝わっていない」に関しては、企業ではなく政治の話ですが、外交では自国にとって都合の悪い情報を聞かないとダメ!と、口を酸っぱくして言っています。良い情報だけ聞いていると、対応を怠りますからね。
①計画性がない 「いつまでに、どれだけ、どうやって」、という仕事の基本となる3つの計画を立てられない。いわゆる「ドンブリ勘定」の経営者です。
②情報がない 特に社内の悪い情報が伝わっていない。
③リーダーシップがない 人材育成に難がある。「俺についてこい」と言うだけが指導力ではなく、現場の部下の話を聞いてしっかりと人を育てられるかどうかが問われる。
④危機感がない 危機感のない幹部、社員が赤字を放置する。成功した社長は、絶えず緊張感を持って経営にあたっている。
⑤人脈がない 異業種の社長とつながっていない経営者。相談相手を間違えたために不幸にも倒産してしまったケースの多くには、会社資産を食い物する「整理屋」と呼ばれる人物が介在する。
●高齢社長の企業もあまり儲からない
あまりその年代の人はうちをご覧になっていないでしょうけど、この他に「お年寄りはダメ」という気分を悪くされそうな話もありました。以下はそういった社長の年齢に関するポイントです。
・「休廃業・解散」は「70歳以上」が10年連続で前年を上回った。「80歳以上」も全体の約1割を占める。
・帝国データバンクの集計では、40歳前後の社長がいる会社が増収増益を達成するケースが一番多い。その後はなだらかに減るが、70歳を超えるとその割合ががくんと下がる。
・100年続く老舗企業を見ていくと、平均3回から4回の事業承継が行われている。つまり、世代交代をうまくしないと、会社は続きづらい。
真ん中のケースはおもしろいですね。データ的な裏付けがあるようです。ただ、そもそも経営がうまく行っていないので、若い優秀な人が集まらないのかなぁ…とも思います。
●帝国データバンクでは同じテーマの別の書籍も
記事では、以下の帝国データバンク関連の本を宣伝していました。
アマゾンのレビューは8つで、やや割れ気味。5つ星のうち 3.8となっています。まず、4点評価のもの。
御社の寿命 - あなたの将来は「目利き力」で決まる! (中公新書ラクレ)
表題と内容がちょっと違うかな、でも良書です。
投稿者 SAGA トップ1000レビュアー 投稿日 2015/7/29
アマゾンでの★5のレビューのいくつかがサクラっぽいので無視していたんですが
経営者の友人から「良い本だよ」と薦められて購入しました。
表題は会社寿命ですが内容は倒産事例と経緯の調査ですね。
ひたすら大手さんの倒産を扱っています。
私として「帝国データバンク編集、倒産事例と対応」という表題にしたほうがぴったりと思いました。
実際、ビジネス書でこう成功した、というのはあまり参考になりませんが
こう失敗した、という内容は大変参考になるものが多いです。
ほんらい中小企業の内容のほうが実用的にはなりますが
名の通った企業さんの倒産劇のレポートなんで経緯に興味が沸き易いと思います。
悪い評価だと、以下が2点。ただ、あまり内容のないレビューです。
私は元銀行員ですが・・・
投稿者 21世紀のケインジアン 投稿日 2015/7/30
この本から学ぶことはありませんでした。
目利き力も養えません。
ああ、「このレビューが参考になった」の評価が低かったですが、こっちの1点レビューの方がわかりやすいですね。
面白みに欠ける1冊
投稿者書評家2015年6月26日
書かれている事は、目利き力など一切必要のない
誰もが分かる内容。(中略)
金払いが悪くなる、社名がコロコロ変わるなんて誰からみても危ない会社。
最近社名が変わった会社ってどこだろう?と考えて思いついたのが、「KADOKAWA・DWANGO」に「カドカワ株式会社」に社名変更というものでした。角川文庫だとかニコニコ動画とかやっているところです。
ここが本当に潰れたらすごいですけどね…。
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