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5割の職場でスメハラ被害 原因は加齢臭より汗臭・ミドル脂臭


 以前書いた自分の匂いが気になるのにわからない理由 スメルハラスメントの危険性は、スメハラ被害というより匂いに関する雑学的なものでした。今回はもっとストレートに、職場のスメハラ被害の実態みたいなものを。(2015/10/19)

2015/10/19:
●何と5割の職場でスメハラ被害を確認
●スメハラ被害は見えづらい
●現在、全然スメハラ対策は全然やっていない
●これは意外!? 加齢臭を許せる人、約9割
●「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」の調査で「加齢臭」が最も許せる
●許せないのは「汗臭」だった
●男性は鈍感になる「ミドル脂臭」
2018/12/10:
●職場でどうにかしてほしいこと、におい問題は何位だった?


●何と5割の職場でスメハラ被害を確認

 まずは少々不安を煽り気味の記事から。
総務部騒然!「2社に1社でスメハラ被害あり」の意外な実態|あなたの知らないスメルの世界~It's a smell world.|ダイヤモンド・オンライン 2015年5月26日 ダイヤモンド・オンライン編集部 (ダイヤモンド・オンライン編集部 林恭子)

 ダイヤモンド・オンラインでは4月10日~5月15日まで、インターネット上で人事・総務部・広報部担当者を中心に『職場のニオイ実態調査』を実施。80社から回答を得た。

 まず、「あなたの会社には、体臭による『スメハラ』はありますか?」と尋ねたところ、「はい」と答えた人が39社で約50%を占め、「いいえ」(16社)を大きく上回っていた。起きているかどうかを把握し切れていないことから「分からない」は25社となった。

●スメハラ被害は見えづらい

 煽り気味な書き方はどうかと思いますが、まあ、結果としてそうなったんですから仕方ありませんね。「分からない」が25社もあることから、本当はさらに悪い可能性もあります。

 また、以下の結果からも実態がさらに悪い可能性を感じさせます。

・一体どのようにして「スメハラがある」と実態を把握したのか?
「実際に総務部や人事部に苦情が寄せられている」11%
「社員同士で苦情を聞いたことがある」30%
「他人の苦情はわからないが、自分は『社員の体臭』を不快に感じることがある」約40%

 深刻なのは現在スメハラは、よほどじゃないと言い出せないというもの。ですので、最初の「実際に総務部や人事部に苦情が寄せられている」が11%というのは、よっぽどな例が11%もあるということ。

 残りの二つはアンケート回答者の個人的な例。これらは総務部などには言い出していないものの、不快に感じている潜在的なものが多いことを示唆しています。

 特に後者は複数の社員から聞いたというものではなく、回答者個人のもの。回答者がたまたま匂いに敏感な人ばかりということは考えづらいので、誰にも言っていないが不快に思っているという人がこんなに多いのだ!という衝撃的な数字です。


●現在、全然スメハラ対策は全然やっていない

 内訳も見てみましょう。圧倒的だったのは、男性社員です。

「同僚の男性社員の周りが臭う」43%に
「社内の会議室やエレベーターといった締め切った場所」21%

 一方、対策は全然されていません。マナー研修などに匂いに関する話を入れているのも僅か2社です。

「対策を行っている」23%
「対策を行っていない」66%
「わからない」11%

 個人的には、匂いでとやかく言い過ぎるのはどうかとも思います。ただ、前述の通り、実際に不快に感じている人はたいへん多いようです。

 また、現状ほとんど対策がされていないというのは、野放しになっているということです。逆に言うと、少し対策するだけでもかなり良くなる可能性もありますので、今後スメハラは改善が見込めるのではないでしょうか?


●これは意外!? 加齢臭を許せる人、約9割

 こういうスメハラ酷いぞ!と大げさに書いている記事がある一方で、同じダイヤモンド・オンラインでは、加齢臭を許せる人、約9割という調査結果の意外|あなたの知らないスメルの世界~It's a smell world.|ダイヤモンド・オンライン(2015年7月2日 ダイヤモンド・オンライン編集部 林恭子)という記事もありました。

 タイトルを見た時点での話ですが、これらは矛盾するわけではなく、両立するものでしょう。ざっと以下のあたりの理由を考えました。

(1)スメハラ全般ではなく「加齢臭」に限った話。それ以外の匂いに困っている。
(2)「匂いでとやかく言い過ぎる」と感じたと話したように、困っている人は一部の人。ネットで顕著なように声のでかい人の苦情が目立っているだけ。
(3)「他人の苦情はわからないが、自分は『社員の体臭』を不快に感じることがある」が約40%あるのと矛盾しそうに思えるが、逆に言えば、社内に問題にするまではいたっていない。不快だが許せる範囲内にある。

 タイトルしか見ていないのにいきなり結論めいたことを書きますが、たとえ許せるとしても取れる対策があれば取っておいた方が良いです。苦情がなければ問題ないってもんじゃありませんしね。


●「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」の調査で「加齢臭」が最も許せる

 さて、ここからやっと本文。調査というのは以下のようなものでした。
調査を行ったのは、化粧品メーカーのマンダム。「男性の基本3体臭“汗臭”“ミドル脂臭”“加齢臭”に関する調査」(※)として、25~54歳の男女に男性の基本3体臭である「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」という世代で異なるニオイのサンプルを嗅いでもらい、ニオイの不快度と容認度を聞いたところ、こうした結果が明らかになった。

※25~54歳の働く男女183名を対象に実施。調査期間は2015年4月。「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」のニオイサンプルは、日本人男性1050人への体臭調査において、最もニオイ強度の高い方のニオイの強さに合わせて作成されたもの。

 ああ、他の臭いと比べたのか! じゃあ、さっきの想像した理由のうちの、「(1)スメハラ全般ではなく「加齢臭」に限った話。それ以外の匂いに困っている」っぽいですね。原因が加齢臭じゃないってだけでしたわ。
 男性・女性ともにニオイを強く感じず、不快でもなく、また「許せる」と答えた人が最も多かったのが「加齢臭」だった。(中略)

「不快ではない」と回答した人は、男性で78.3%、女性は72.5%という結果に。また、ニオイを我慢できるかどうかの容認度を尋ねたところ、「許せる」と答えた人は男性で94.6%、女性で86.8%と、男女平均しても90.7%の人にとって加齢臭は許容できるニオイであることがわかった。「全く許せない」とした男女はともに0%だった。

●許せないのは「汗臭」だった

 男性バッシングあるいは女性バッシングで男女対立を招きそうですが、以下のことがわかっています。

・いずれも男性より女性の方がニオイを強く感じやすい。
・男性よりも女性の方がニオイを不快に感じる度合い、また「許せない」と思う人も多い。

 そして、"女性から最も不快であり、「許せない」ニオイと評価されたのが、「汗臭」"でした。ただ、以下のように数値を見ると、男性も普通に許せない!というレベルです。
男性82.6%、女性89.0%が「不快」と回答し、3つの体臭のなかで最も高い結果となった。さらに、容認度を尋ねたところ、「許せる」(引用者注:「許せない」の誤記と思われる)と答えた人は男性で76.1%だったのに対し、女性は87.9%とこちらも非常に高かった。特に、25歳~34歳の女性においては100%が「許せない」と回答するほどだった。

●男性は鈍感になる「ミドル脂臭」

 調査では「ミドル脂臭」という聞きなれないものもチェックしています。マンダムの調査によると、30代後半から40代で男性の汗臭が変化するそうです。

「汗臭」……主に10代から30代前半の男性のワキから発せられているニオイ
「ミドル脂臭」……30代後半から40代以降変化した男性の体臭

 こちらもかなり悪いものの、男性は臭いに気づきづらくなっている点が特徴です。一方で、女性の方はあまり変わっていません。感じ方の違いが広がっています。
ミドル脂臭が「不快」と答えたのは男性75.0%、女性89.0%と、汗臭と同様に不快度が高いことがわかった。また、容認度(引用者注:「容認度」ではなく「許せない」の比率)については、男性は66.3%であった一方、女性は81.3%という結果になった。

 ということで、普通に許せない臭いはあるということでした。何らかの対策はやはり必要でしょうね。


●職場でどうにかしてほしいこと、におい問題は何位だった?

2018/12/10:汗臭に関してですけど、厳密には汗の臭いではないという話を後にやっています。汗臭いと言うけど実はほぼ無臭 では、汗の臭いの原因や対策は?というものです。

 今回のメインの追記は別の話で、あなたのにおいもハラスメント:日経ビジネスオンライン(2018年4月5日)という記事について。

 マンダムが2017年5月に働く男女約1000人に行った調査で、職場で同僚などの容姿や身だしなみで「どうにかしてほしい」と思うことの1位・2位は、ともににおい関係でした。1位がおよそ7割でにおい(体臭)、2位がおよそ6割でにおい(口臭)となっています。3位~5位はやや離れて4割程度で、フケ・清潔感のない髪・清潔感のない服装。においがやや抜けて問題であることがわかりました。

 なお、私が「匂いでとやかく言い過ぎるのはどうかとも思います」と書いたように、においについて言い過ぎるのも問題だということにも、以下のようにこの記事では触れていました。バランスが難しいところでしょう。

"指摘すること自体がハラスメントにもなりかねない。実際、職場のハラスメント研究所の金子代表理事は「上司からにおいの強さを指摘されたことで、『傷ついた』『職場でからかわれるようになった』といった相談も出てきている」と話す"


【本文中でリンクした投稿】
  ■汗臭いと言うけど実はほぼ無臭 では、汗の臭いの原因や対策は?

【関連投稿】
  ■自分の匂いが気になるのにわからない理由 スメルハラスメントの危険性
  ■汗臭いと言うけど実はほぼ無臭 では、汗の臭いの原因や対策は?
  ■嗅覚過敏?フェロモン?自分にだけにしかわからない匂い
  ■貝殻を耳に当てたときに聞こえる音の正体は?
  ■嗅覚過敏(嗅覚過敏症)とは何か? 妊娠・片頭痛・神経症など
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

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