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犯罪の厳罰化を!日本と違いアメリカは子供を轢き殺さない


 犯罪に関する法律の厳罰化に関する話をまとめ。<弁護士「日本人と違ってアメリカ人は登校中の児童を轢き殺さない」>、<アメリカと比べ日本の法律は甘すぎる、犯罪者にはもっと厳罰を!>、<「道徳心がある」から法律は不要? 道徳による犯罪防止の限界>などをまとめています。
 

●犯罪の厳罰化を!日本と違いアメリカは子供を轢き殺さない

2015/10/26:タイトルを見て、道徳で犯罪を防ぐことはできるか?:日経ビジネスオンライン (大橋 弘昌 2015年7月17日)という記事が気になりました。作者はアメリカでも弁護士をやっている方で、"法で減らすことができる犯罪は、誘拐や殺人といった故意によるものだけではない。過失による犠牲も減らすことは出来る"としていました。

<「時速60キロで走っていた車が通学路を歩いていた集団登校中の子供たちに突っ込んで1人が亡くなった」
 意外に思われるかもしれないが、こういう事件はアメリカではなかなか起こりにくい。子供の登下校の時間帯、通学ゾーンではすべての車がのろのろと遅いスピードで走っているからだ。
 アメリカで生活し始めた頃、この光景を目の当たりにして感心したものだ。制限速度は、州やカウンティ(郡)によって若干法律が異なるが、大体15マイル(24キロ)から20マイル(32キロ)くらいだろうか。そして学校の近くにパトカーが数台止まっていてその中から警官が外を見ていることも多い。
 また、通学ゾーンでのスピード違反に対する罰金や刑は極めて重い。スクールゾーンでは、よほど慎重にアクセルを踏まないとすぐに制限速度をオーバーしてしまう。そろそろと慎重に運転しないといけない>


●意外に人に優しいかも…自動車社会アメリカは車より人優先か?

 アメリカは自動車社会な印象がありますが、実は車に厳しく、人に優しいという思想なのかもしれません。過去にもニューヨークは歩けるほど安全? 車に厳しく、歩行者に優しい道で紹介したニューヨークから「どか食い」が消える?:日経ビジネスオンライン(2013年7月23日)という記事で、以下のようなやりとりがあったことを思い出しました。


――ニューヨークは「歩ける街」だと。

田中:それは、日本も同じですけどね、東京は。

――だけど、ニューヨークは歩行者の権利が非常に強いと思いますね。日本って、歩けるけど、歩行者の権利が非常に弱い。

田中:うん、確かに。

――まあ、日本でも赤信号を無視しても、まず逮捕されない。しかし、どちらかというと、クルマをいかにスムーズに通すか、という視点で政策が打たれている。車線を広げ、バイパスを作り、快適にクルマで移動できるようにする発想だと思うんです。

田中:そうですね。

――ところが、ニューヨークはクルマの移動を、わざと不快にしていく。

田中:確かに、歩道を拡大しているんですね。車道を公共スペースに変える「プラザ化」を進めています。あらゆる策を講じて、車道を減らし、クルマで通りにくい環境に変えていく。


●アメリカと比べ日本の法律は甘すぎる、犯罪者にはもっと厳罰を!

  この投稿は当初、<日本の法律は甘すぎる、犯罪者にはもっと厳罰を! 道徳による犯罪防止の限界>というタイトルで書いていた話。「法律の厳罰化」自体は、ネットだと賛成が圧倒的に多いと思われます。ただ一方で、日本人は素晴らしい民族だ、他国と比べてとやかく言われたくない、という人も多いので今回のような話題は微妙でしょう。ここらへんの狭間で複雑な印象を受けそうですが、作者は以下のような意見でした。

<「日本人は、運転マナーはよいし、道徳も備えているので必要ない」と考える人も多いかもしれない。しかし無謀な若者が朝まで酒を飲んだ挙句に車に乗り、通学路を走り抜け、子供をはねるといったような事件がなくならないのも事実。そういった事件が起きないよう、法を強化しドライバーがそれにしたがうよう厳しく取り締まることも一考すべきだろう>

 前述の通り、「アメリカのやり方の方が日本より良い」には、ネットで反発を受けそうなもの。また、車のスピードという話題ですと、「日本の自動車の制限速度は厳しすぎ」「もっと海外ではスピード出している」「ノロい方が余計事故が起きるものだ」と盛り上がっているのも見たことがあり、反発を受けるかもしれません。

 加えて、拒否反応を起こしそうな厳罰化のススメがこの後出てきます。ドメスティックバイオレンスに関するものです。"法律事務所に持ち込まれた、実際にあった日本人夫婦の話"として、以下のようなエピソードが紹介されていました。

<夫婦間で口喧嘩になり、それが発展して夫が妻を殴った。妻は悲しみ怒り、そして許せない気持ちになり、思わず911した。(中略)それから事は急展開する。家にやってきた警官が夫を逮捕し、手錠をかけ、留置場に入れたからだ。
 その後、保釈金を積んで夫は留置場から出ることは出来た。だが、「妻の100ヤード以内に近づいてはいけない」という裁判所命令を受けたため、家に帰ることができない。もし妻が「夫には何ら問題がないから、大丈夫だから、許してあげてください」と頼んだとしてもダメ。被害者である妻がどんなに懇願しても、夫は刑罰を受けることになるし、しばらくは妻に近づくことすら出来ない。
 妻も動揺していた。夫が手錠をかけられ、留置場にぶちこまれ、前科者になることになったのだから>

 ネットでは男尊女卑の傾向も強く、妻を殴ったくらいで大げさすぎる、上記のように妻も困っているのだから、アメリカはむしろ間違っていると考えそうです。しかし、作者は以下のように、むしろアメリカのやり方を評価していました。

<この出来事はこの夫婦にとってはハードレッスンとなったはず。きっと夫は妻に二度と暴力を振るわないだろう。私にとっても、アメリカにおいては警察や司法が家庭内の暴力にも非常に厳しく対応するということを再認識させられた事件だった>


●「道徳心がある」から法律は不要? 道徳による犯罪防止の限界

 また、先と同様に、日本民族は優れているからアメリカ人といっしょにすんな、という意見はあるでしょう。作者もそれを予測していたようで、以下のような話を書いています。

<「アメリカ人は気性が荒いから、これくらいのことをしないと、暴力がとんでもないレベルに至ってしまうのだ、日本ではそこまでする必要はない」
 「日本人には道徳心がある」
 「道徳によって犯罪を防ぐことができる」
 このように考える人も多いかもしれない。確かに道徳で犯罪を防ぐことが出来ればそれに越したことはない。しかしそれでは防ぐことのできない犯罪が増えてきているのも事実。残念なことだが、日本にも、法によって犯罪をなくそうとしているアメリカから学ぶべき時期が到来してしまっているのではないか>

 ただ、そもそも日本で本当に犯罪が増えているかどうかは疑問なんですよね。「それ(=道徳)では防ぐことのできない犯罪が増えてきているのも事実」とありますが、これはデータ的な裏付けがありません。正直私は怪しいと思います。以前見たアンケートでも、家庭内暴力は減少傾向でした。

 また、データ的に増えていた場合でも、注意が必要なんですよ。家庭内暴力の場合は、顕在化していなかったものがかなりあると思われるため、実際に増えたのか、増えたように見えているだけなのか判断ができません。例えば、「妻を殴っただけなら問題ない」と考える人の多い時代の暴行は犯罪ではないので、当然その数は記録されません。「妻を殴ったら問題」と考える人が増えて、初めて犯罪になるのです。

 そこらへんとも絡むのですが、作者は日本の方針が家庭内暴力を悪化させるのでは?といったことも、書いていました。これらも可能性としてはあります。ただ、前述の通り、こうした警察の方針の違いで簡単に増えたり減ったりするため、そもそも「道徳では防ぐことのできない犯罪が増えてきている」が怪しいんですね。

<日本においてはどうか。駆けつけた警官が「まあまあ、夫婦ゲンカはいい加減にしなさい。仲良くしなさいよ」と諭して終わりなのではないか。実際にそれでうまく収まることも多いかもしれないが、夫が妻に怒って、その後もっと激しい暴力を加えるといった事態に至ることもあるのではないか。
 妻のほうはそれが怖くて「夫に殴られた」と警察に通報できないかもしれない。殴られながらも一緒に生活し続けるかもしれない。そういった事態を避けるには法の強化も必要だ>

 ただ、こうした犯罪が増えているかどうかは重要ではないとも考えられます。というのも、日本の治安が昔より向上し、犯罪が減っているのだとしても、より減らす努力をして悪いわけではないため。同様に、アメリカで犯罪が多く、日本で犯罪が少ないとしても同じこと。日本がもともとアメリカと比べて犯罪が少なくても、より良くしようとアメリカ並みの対応をしても良いでしょう。

 もちろんそこまでガチガチにやる必要はない、今のままでも十分という意見の人がいても良いです。そういう考え方の人が極悪非道だと、非難するわけではありません。とりあえず、私はアメリカの徹底ぶりに本気を感じ、感心してしまいました。「犯罪が多いアメリカに言われたくない」というのは私も思いますが、学べるべき点は学んでも良いと思います。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ニューヨークは歩けるほど安全? 車に厳しく、歩行者に優しい道

【関連投稿】
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