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著作権判例集が著作権侵害で出版差し止め 大渕哲也東大教授の申し立てが認められた「著作権判例百選」の問題


 葉石かおり『うまい日本酒の選び方』がパクリ被害?セブンイレブン限定本『日本酒入門』が著作権侵害と主張して回収にの補足として、良さそうな例がありました。

 以前にも著作権判例集が著作権侵害!と話題になっていた話。その結果がちょうど出ていました。(2015/10/28)

2017/03/24:一旦認められた著作権判例集の差し止めですが、差し止めが取り消しになった上、著作権侵害はなかったことが最高裁で確定しましたので、最後に"知財高裁「そもそも大渕教授は旧版の編集著作者じゃないし…」"を追記しています。



●著作権判例集が著作権侵害で出版差し止め申請

 とりあえず、こちらが以前の記事。
「著作権判例集が著作権侵害」 編者、出版差し止め申請:朝日新聞デジタル 佐々波幸子 2015年9月10日13時24分

 裁判など法律実務で多く使われる「判例百選」シリーズの「著作権判例百選」を巡り、編者の一人だった大渕哲也・東京大教授が、改訂版で編者から外されたのは著作権の侵害に当たるとして、出版社の有斐閣を相手に出版差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てたことが分かった。

●改訂版の編集では大渕哲也東大教授の名前を削除

 より細かい内容は以下。
 大渕氏側が問題としているのは、9月下旬に発行が予定されていた「著作権判例百選(第5版)」。第4版は2009年12月に発行され、著作権をめぐる113の重要な判例を、学者や裁判官、弁護士らが解説。表紙には大渕氏を含め4人の編者が名を連ねている。

 申立書によると、大渕氏側は5版について、判例や執筆者が4版と9割近く一致している点を指摘。「4版を原著作物とする二次的著作物であることは明らか」とし、自らに編集著作権があると主張している。一方、有斐閣側は、4版で判例や執筆者の選択といった実質的な作業をしたのは別の研究者で、「(大渕氏は)計4人の執筆者の推薦・除外を要請したにすぎない」などの理由から、そもそも4版の「編集著作者ではない」と反論。一般的な編者と、著作権法上の編集著作者は異なるとの解釈で争っていく構えだ。

●知的財産法が専門の大渕哲也東大教授

 著作権判例集に関わっているくらいですから、当然大渕哲也東大教授は専門家です。
大渕哲也 - Wikipedia

大渕 哲也(おおぶち てつや、1959年11月-)は、日本の法学者、元裁判官。専門は知的財産法。東京大学大学院法学政治学研究科教授。(中略)

経歴

(中略)
1984年4月 - 東京地方裁判所判事補*1987年6月 - ハーバード大学ロースクール法学修士号(LL.M)取得
1987年11月 - 米国(ニューヨーク州)司法試験合格
1988年6月 - ハーバード大学ロースクール法学博士号(S.J.D)取得
1988年7月 - 最高裁判所事務総局 最高裁判所事務総局家庭局局付判事補
1989年4月 - 外務省国際連合局国連政策課検事兼外務事務官
1990年4月 - 在ジュネーブ国際機関日本国政府代表部二等(後に一等)書記官
1992年5月 - 名古屋地方裁判所判事補
1995年4月 - 最高裁判所事務総局行政局参事官(兼 司法試験考査委員)
1997年4月 - 最高裁判所事務総局行政局第二課課長
1998年9月 - 東京高等裁判所判事
1999年4月 - 東京大学先端科学技術研究センター教授
2003年5月 - 東京大学大学院法学政治学研究科教授

●大渕哲也東大教授の申し立てが認められる

 で、今回大渕教授の主張が通ったと報道されました。
著作権侵害で出版差し止め命じる仮処分 NHKニュース 10月28日 14時00分

以前、編集に加わっていた東京大学の大渕哲也教授は「改訂にあたって編集に関わる『編者』から自分の名前が外されたのは著作権の侵害だ」として出版の差し止めを求める仮処分を申し立て、会社側は「出版の差し止めは表現の自由という観点から深刻な問題が生じる」などと反論していました。
これについて、東京地方裁判所が申し立てを認め、改訂版の出版の差し止めを命じる決定を出したことが関係者への取材で分かりました。決定で嶋末和秀裁判長は「改訂版は教授による編集の内容が相当程度盛り込まれていて、名前を外したのは著作権の侵害に当たる」という判断を示しました。専門家によりますと、著作権の侵害を理由とした出版の差し止めは異例だということです。

 「著作権判例百選」については、以上。

 気になるのは、昨日の葉石かおり『うまい日本酒の選び方』がパクリ被害?セブンイレブン限定本『日本酒入門』が著作権侵害と主張して回収にの件です。

 セブンイレブン限定本は元の書籍と内容的にほぼ同じであり、なおかつ元の著者の名前は削られていると言われていました。「著作権判例百選」の例にならうと、こちらのケースでも著作権侵害が認められそうな感じに見えます。


●知財高裁「そもそも大渕教授は旧版の編集著作者じゃないし…」

2017/03/24:最高裁第3小法廷が、出版差し止めを求めた仮処分の申し立てを却下した、知財高裁決定に対する教授側の抗告を棄却しました。これによって、申し立てについて、認めない判断が確定しました。
(著作権判例集の著作権侵害認めず=教授が出版差し止め請求-最高裁:時事ドットコム 2017/03/22-17:57より)

 記事は短いもので解説もありません。しかし、最高裁が支持した知財高裁決定に関する解説記事は見つかりました。

著作権法「判例百選」の「出版差し止め」取り消しに…なぜ結論が変わったのか? - 弁護士ドットコム 2016年11月16日 11時29分

 著作権の問題に詳しい唐津真美弁護士によると、今回取り消された決定の争点は複数ありますが、編集著作権に関する主な争点は、以下の2点でした。

(1)大渕教授が旧版の編集著作者の1人といえるか
(2)素材の選択また配列により創作性を有する部分について、旧版と改訂版の間に同一性があるか

 そして、「そもそも大渕教授は旧版の編集著作者の1人ではない」と知財高裁が判断したようです。ズッコケてしまう話ですが、何もやっていなかったというわけでもありません。

 「実質的にはアドバイザーの地位にとどまる」ということで、確かに仕事はしたものの、旧版の編集著作者というほどの働きはしていないと、どうやら判断された模様です。


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