2022/05/14追記:
●日本の企業やファンドに見放されたオンキヨー、ついに経営破綻 【NEW】
2011/1/4:
●まだまだある間違いやすいややこしい社名 ブリジストンも間違い
●1971年に名付けた社名なのに「オンキョー」じゃなくて「オンキヨー」
●味の素ゼネラルフーズ、どこが間違いかわかる?
●「いすず自動車」もどこが間違いかわからない…
●ややこしさナンバーワンなのがおもちゃの「トイザらス」
2021/03/12:
●せっかくおもしろい社名だったのに…「オンキヨー」が消滅の危機に!
●技術がすごくてリストラをしてこなかった日本的な企業オンキヨー
●日本の企業やファンドに見放されたオンキヨー、ついに経営破綻
2022/05/14追記:前回の追記のときに「消滅の危機」と書いていたオンキヨー(オンキヨーホームエンターテイメント)がついに経営破綻したようです。<「オンキヨー」が経営破綻 裁判所から破産手続きの開始決定>(2022年5月13日 18時37分 NHK)などの記事が出ています。
<大阪に本社を置くオーディオメーカーで、経営不振が続いていた「オンキヨーホームエンターテイメント」が資金繰りに行き詰まって経営破綻し、13日、裁判所から破産手続きの開始決定を受けました>
<スマートフォンで音楽を楽しむ人が増えたことなどから業績が悪化し、2020年度の決算で2期連続の債務超過に陥って去年、上場廃止になっていました。その後、主力事業をシャープなどで作る合弁会社に売却したものの、収益の改善には至らず、経営再建を断念しました。
会社は13日、大阪地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けました。負債総額は、およそ31億円に上るということです>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220513/k10013625051000.html
記事によると、以下のような経緯により経営再建を断念しています。ここで出てきたオンキヨー再建策に関わっていた企業が、「海外ファンド」「(台湾企業に買収された)シャープ」「アメリカのオーディオメーカー」とことごとく海外勢であったことを含めて、日本企業の凋落を思わる感じの記事になっていました。
<売り上げの低迷によって業績が悪化し、会社では、海外ファンドによる出資を受けるための協議を進めてきましたが、合意を得られず、2020年度には2年連続で債務超過となり、去年8月に上場廃止となっていました。
その後、スピーカーやアンプといった主力事業をシャープと、アメリカのオーディオメーカー「VOXX」でつくる合弁会社に33億円で売却しました。
しかし、ことし3月には子会社2社の事業継続が困難となり、破産手続きの開始を裁判所に申し立てるなど、厳しい経営が続いていました>
●まだまだある間違いやすいややこしい社名 ブリジストンも間違い
2011/1/4:以前も
キャノンじゃなくキヤノン、なぜ大きい?ビッグカメラ・キューピー・富士フイルム・シャチハタも間違った社名というのを書いたのですが、有名どころで書いていないのがありました。
×ブリジストン ○ブリ
ヂストン
「ヂ」については「~エンヂニアリング」というので書きましたが、こんな有名な会社があったのに気付かなかったとは! 創業者が石橋正二郎さんなので、苗字の字をそれぞれ英語にして「ストーン」(石)と「ブリッジ」(橋)。これを逆にして…というのは有名な話。安易に英語にしちゃうのはどうかと思いますが、逆にしてというのが私的には高得点。最初この逸話を聞いたときは、妙に感心した覚えがあります。
●1971年に名付けた社名なのに「オンキョー」じゃなくて「オンキヨー」
キヤノン・キユーピーと比べると知名度は落ちますが、ヤユヨの表記違いだと、音響機器メーカーでそのものズバリな社名オンキヨー。忠実に読もうとすると戸惑いますが、読み方は「オンキョー」でいいんだそうです。
×オンキョー ○オンキ
ヨー
小さいカナが一般に使われるようになったのは第二次大戦後。オンキヨーがこの名前になったのは1971年とそこまで昔じゃないのにも関わらず、「オンキヨー」で通しています。商標はそれ以前からで、会社の設立で見ると戦後間もなくですから、商標で浸透しているからそのままといったところかもしれませんが、せっかくの機会ですから変更してくれるとわかりやすかったのですが…。
●味の素ゼネラルフーズ、どこが間違いかわかる?
×味の素ゼネラルフーズ ○味の素ゼネラルフー
ヅ えっ、フーヅなの?と驚いちゃう表記。やや長い社名の最後の最後に出てきて、意表をつかれます。創業1954年とやはり古いのですが、この時期はまだ「フーズ」表記が浸透していなかったのでしょうか? Wikipediaでは、”当時は「ゼネラル・フーヅ株式会社」(米国ゼネラルフーヅ社の日本法人)だった”とありますし、「ゼネラルフーヅ」という表記の歴史がもっと古いのかもしれません。
●「いすず自動車」もどこが間違いかわからない…
×いすず自動車 ○いす
ゞ自動車
一瞬そんな会社あったっけ?と思いましたが、そういやあったような。なんかおもしろい字ですが、「おなじ」で変換すると出てくると思います。「々」のひらがな&濁音版(踊り字)ですね。
●ややこしさナンバーワンなのがおもちゃの「トイザらス」
×トイザラス、トイざラス ○ トイザらス(店舗名、社名だと日本トイザらス)
今までとタイプの違うややこしさで、その間違いやすさもハイレベルです。何となく「ドラえもん」の表記を思い出しましたが、妙なこだわりですね。ここは元のアルファベット表記もややこしさ満点で、Wikipediaによると、以下の通り。ややこしさで、発狂しそうです。
・正式な英語表記は「Toys“R”Us」(二重引用符で囲う必要がある)
・ただし、ウェブ等では「Toys"R"Us」と書くこともある。
・看板などのロゴでは現在は「TOYSЯUS」。
・だが、2007年のロゴ刷新までは「TOYS“Я”US」。
Wikipediaをさらに見ていくと、社名は"Toys are us."(おもちゃのことなら私たちに)の意味だそうで、なかなかすてきなネーミング。"We are toys"としなかったのは、創業者の姓の「ラザラス(Lazarus)」(ユダヤ系)に発音が近かったからという説もあるそうですが、俗説とのこと。
また、ロゴで R の字が左右逆になっているのは、これはアルファベットを習いたての子供が R を間違って Я のように左右逆に書いてしまうことがあるところにならったものだそうです。日本の子のひらがなもそうですね。これまた遊び心があってすてきなのですが、先に書いたように面倒くささの原因になっています。
日本表記についてですが、マクドナルドで知られる藤田田さんが日本法人設立に携わった際に、「R」だけを反転させた表記に倣って、「ら」だけをひらがなにした日本語表記を考案、命名。また、2006年6月現在、日本トイザらスのウェブサイトなどでは、日本のトイザらスに対しては「ら」をひらがなで、アメリカのトイザラスに対しては「ラ」をカタカナ表記しているともあり、「トイザラス」という表記も場合によっては正しいようです。本当にややこしいことこの上なく、私的にはここをナンバーワンに押したいと思います。
●せっかくおもしろい社名だったのに…「オンキヨー」が消滅の危機に!
2021/03/12:このページに何か追記しようと思って、数日前にたまたま「オンキヨーがピンチ」といった記事の見出しを見かけたことを思い出しました。当初書いていたややこしい社名とは関係なさそうな記事だったのですが、こちらに追記しようと思います。今検索してみると、<どうなる?瀬戸際の“ONKYO>(NHK 2021年3月3日 17時23分)が私の見かけた記事だったみたいですね。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210303/k10012892081000.html
こちらのNHK記事によると、繊細でクリアな高音域を奏でるスピーカーで、オーディオファンをとりこにしてきた名門企業「オンキヨー」は今、業績悪化に苦しんでいるとんこと。これは業績がちょっと悪くなっているというレベルではなく、過去最大の赤字で債務超過の状態になっていて、今月末までに解消しないと最悪、株式の上場廃止になるおそれがあるというレベル。ガチでヤバイですね。
1986年頃、若い世代が進学や就職をきっかけに手に入れたいと人気となっていたミニコンポは、オンキヨーを代表する製品でした。一方、高級スピーカーでも、1991年には、ペアで240万円する「Grand Scepter GS-1」がフランスの権威ある賞を受賞し、伝説の名機として今も語られるなど、実力は十二分にあったようです。
しかし、近年は2014年3月期の決算から5期連続の最終赤字に。2020年3月期の決算では98億円余りと過去最大の赤字を記録し、33億円の債務超過に陥りました。東京証券取引所の元来のルールでは、2年連続の債務超過は上場廃止。今は新型コロナの特別措置があり、猶予期間が延長される可能性はありますが、厳しい状況に変わりないといいます。
●技術がすごくてリストラをしてこなかった日本的な企業オンキヨー
記事では、凋落の一因をアメリカのアップルのせいと説明。iTunesやiPhoneなどのスマホによる音楽のデジタル化が急加速してしまったためと説明。同じことは他のメーカーにも言えそうで、オンキヨーだけの問題?とは疑問に思うものの、オーディオ専門ではないところが多いためオンキヨーほど影響は大きくなかったのかもしれません。
…と書いていたら、記事では役員も「オーディオしかやっていない会社なので、その影響をまともに受け、市場に追いつくスピードが足りなかった」と言っていましたわ。なお、オンキヨーもパソコンメーカーを買収するなどデジタル化に対応しようとしていたそうですが、スマホが一気に普及してしまったため、パソコンメーカー買収では全然対策にはなりませんでした。
また、かつてオンキヨーよりも上位、オーディオ御三家とも呼ばれたメーカー、パイオニアのAV機器事業部門を2015年に買収して、商品開発を共通化し、収益力を高めて飛躍を図ろうともしたとのこと。コスト削減の正攻法で悪くなさそうに見えますが、実はこれも失敗。しかも、単なる失敗どころか、むしろ逆効果だったと説明されています。
理由は、市場が縮小しているにもかかわらず、会社の規模を維持することにこだわり、ミニコンポなど幅広い価格帯の製品を大量に売り出し続けたことで、開発費がかさみ、収益が悪化したためだとのこと。私もリストラは嫌いなのですけど、一般的にはリストラする方が成功しやすいと言われています。なお、現在では大胆な人員削減に踏み切ったそうです。
あと、早稲田大学ビジネススクール 長内厚教授は、「性能が高い商品を開発すれば、あとはなんとでもなる」という考えで、「売るというプロセスをあまり重要視してこなかったことが問題で、日本の製造業の典型的な失敗例と言える」と指摘していました。
音響機器メーカーとして世界からの評価も高かったものの不振に陥ったことから、「いいものを作れば売れる」というのは幻想であることがわかるでしょう。「日本の技術はすごい」系の話は好まれるものの、現実には日本衰退の理由となりがちなところがあります。
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