2024/02/27:
一部見直し
●筆跡診断というビジネス…字(筆跡)で性格がわかるは非科学的か?
2015/10/31:
手書き履歴書不要論に「字(筆跡)で性格がわかる」から必要と反論で予告していた「筆跡診断」の科学性と字のうまさによる採用について。ただ、投稿予定だった昨日は他に書きたい話がたくさんあって、間に合いませんでした。すみません。
字(筆跡)で性格がわかるというのは、個人的にたいへん胡散臭いと感じました。で、検索してみると、完全に否定されているという主張も発見。
自称筆跡鑑定人の世界|法科学鑑定研究所というサイトさんです。こちらでは「筆跡診断」という言い方をされていますね。
こちらでは、「筆跡で性格がわかることは、科学的にありません」と断言。筆跡で「字(筆跡)で性格がわかる」派の方は、筆跡が変わってしまうことをどう捉えているのか気になるところですが、筆跡で性格がわかることはないがために、筆跡が変わっても、性格は変わらないということにもなります。
この「筆跡診断」はビジネスとして行われていたそうですが、12歳の女の子を相手に性格を直してあげると近づき金品を要求する脅迫未遂事件も勃発。ヨーロッパでは筆跡診断は、いじめ問題に発展、自殺者も出て社会問題化したことがるとのこと。たいへん問題あるニセ科学ですね。
●いじめや自殺の問題も発生!非科学的なだけでなく差別的でもある
現時点で見つけたのはこれだけですので即断は禁物ですが、筆跡による性格判断は予想通り裏付けはないと考えて良さそうな感じ(2024/02/27追記:その後、筆跡診断による採用試験結果が採用後の成績と全く結びつかないという研究も知りました)。ただ、驚いたのは科学的根拠がないというだけでなく、差別的であるとされていたことです。
上記引用部でいじめ問題といった話が出てきたように、こちらのサイトさんでは、単なるニセ科学というだけでなく、「差別である」ということも強調されていました。例えば、<疑似科学による筆跡診断は「性格的差別」であり「差別の道具」です>といった書き方をされています。
ですので、企業採用に使うと、差別のおそれがあるという話になっちゃいますね。ただ、私は当初そこまで言うつもりはありませんでした。前回書いたように、そこらへんは企業の自由じゃないの?という考えでいたんですよ。差別となってしまうと、自由とは言っていられなくなります。
なお、前回筆跡による性格診断について、「個人的には、血液型性格占いに毛が生えた程度といった印象」とも書きました。この血液型での合否判定の場合はニセ科学というだけでなく、
日本ヤバイ…企業面接で血液型を質問された就活生・転職者だらけで書いたように、はっきり差別だとされています。
●字がきれいな人は仕事もできる!字のうまさによる採用はアリ?
あと、前回紹介のツイートで筆跡診断の良さを主張していたフィフィさんは、字のうまさによる採用については否定しており、そういう主張をしたかったわけではないようなのですが、字のうまさで採用するのも私は筆跡性格判断同様に、やりたいならやればいいじゃないかと思っていました。
「過去の経験からすると字が上手い人は仕事もできる」という主張も見かけました。ただ、これは飽くまで個人の経験という狭い範囲であり、一般論にはできないんですよ。例えば、研究論文で経験論による主張をしたら、根拠がないとしてチェックが入るようなものだというのは、わかりますよね。
仕事ができる人は他のこともできる可能性が高いであろうというのは、なんとなくわからないでもないんですが、それを言い出すと、「絵がうまい人はどうなの?」などと、どんどんと広がっていきます。職業的に必要でもない限り、字のうまい・下手で採用するというのは、効果的だとは思えません。
これは結局前回と同じになってしまうのですが、まともな企業でしたら、字のうまさによる判断をしなくて済むほど、効果的な採用基準をたんくさん持っていることでしょう。しかし、そういう考えを持っている企業がいること自体は別に自由だ…と私は考えていました。こちらも差別で引っかかる可能性がある…と、読み直していて思いましけど…。(この部分、2020/10/18修正)
●科学的根拠は別として…字はうまい方がメリットあるという現実
ところで、この字のうまさによる利益というものは、おそらく字による性格判断や血液型性格診断以上ではないでしょうか。きれいな字のおかげで印象が良いというだけでなく、何となく「できる人」という印象を与えられるでしょう。ネットでも「この人は字がうまい(だからすごいんだ)」みたいなアホな意見が見ることができます。
こうやって多くの人を騙すことができるため、きれいな字を書ける人は、この長所をうまく活かした方が良いとは思いますね。履歴書の話で言えば、手書き履歴書で目一杯この特技を使って、企業担当者を騙したら良いでしょう。
あと、これを書いていた時期は文化勲章の時期なので、日本の字がうまい方には性格が腐っている人がたくさんいた、ということも思い出しました。これは、
マルチ商法まがいの日展 謝礼などは当然で「何を今更」という声もなどでやっています。やっぱり字と性格は関係ないんでしょうね。
●手書き履歴書重視企業は要注意!科学的根拠軽視でブラックなおそれ
なお、ツイートでは以下のものも話題になっていました。手書きで性格がわかるという信念がある企業なら、学生にも社長らの性格がわかるように載せとけよ…という話です。こういうのはよくありますね。学生にはいろいろ求めるくせに、企業側は全くそれを実践していない…といったあるあるネタでしょう。
字がうまい人は長所を活かした方が良いとは書いたものの、前回書いたように手書きを重視する企業はどうかと感じます。論理的な思考から縁遠い企業の可能性があるためです。具体的に言うと、精神論とか根性論とかがはびこっている企業みたいなものが予想されます。
精神論とか根性論とかがはびこっている企業の可能性が高い…となると、当然ながら、ブラック企業の可能性も高くなるわけで、企業選びという観点ですと、あまりオススメしたくないですね…。
【本文中でリンクした投稿】
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手書き履歴書不要論に「字(筆跡)で性格がわかる」から必要と反論 ■
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