2011/1/8:
●ドル箱がオワコンに…会社には寿命はないが、事業には寿命がある
●事業の寿命が近づいたらどうするの?→主力事業の入れ替えが必要
●マスコミが取り上げる有望事業に手を出してはいけない理由とは?
●寿命が尽きかけている事業と似た事業が儲かるはずないじゃん!
●新規事業は偉い人ではなく若手に選ばせてやらせるべき理由
●老い先短い仕事は若い人ではなくやっぱり年取った人がやる!
●ドル箱がオワコンに…会社には寿命はないが、事業には寿命がある
2011/1/8:今日のタイトルにもした「会社には寿命はないが、事業には寿命がある」ということについて。最初私も何それ?と思いましたが、何だか気になりますよね。
これは
“転地”で失敗しないための3つの法則(2010年9月28日 三品 和広 日経ビジネスオンライン)であったは話。以下のような流れを現した言葉のようです。
(1)ある事業が儲かる。
(2)参入者が出て、競争相手(プレーヤー)が増加。
(3)事業も市場も消滅しないが、際限のない価格競争で一向に儲からなくなる。
厳密には(3)でも事業はまだ生きているわけですが、おそらく儲けどころは脱してしまったという意味でしょう。
●事業の寿命が近づいたらどうするの?→主力事業の入れ替えが必要
これはある程度理解できる話で、事業にある程度の寿命があるということはわかりました。ただ、じゃあ、事業ンの寿命が近づいたときにはどうするの?という対策についても聞きたいところです。
著者によると、これには「主力事業の入れ替え」が必要とのこと。この主力事業の入れ替えとは、事業立地(著者の造語)を更新して、転地(新しい事業立地を開拓)するということだそうです。
この際にしてはいけないことも著者はいくつか挙げています。それは以下のとおりです。
【してはいけないこと】
1.既に市場が確立されている事業に後発で参入してはいけない。
2.メディアが報じる有望なビジネスやトレンドに惑わされてはいけない
3.本業との関連性は気にしてはいけない。
●マスコミが取り上げる有望事業に手を出してはいけない理由とは?
一つ一つ見ていきましょう。「1.既に市場が確立されている事業に後発で参入してはいけない」というのは、先の(1)~(3)の流れと関係します。すでにできあがっている市場の場合は、(2)の競争相手が多い状態か、(3)の儲からない状態になっています。なので、そこに後発で参入しても、当然儲かるわけがありません。
また、メディアが報じる有望なビジネスやトレンドについても、一見儲かりそうですがダメです。というのも、こちらはまだ終わっていない市場というだけで、すでに競争相手が多くいる市場であるため。それを見つけるのが難しいんだよという話ですが、メディアが報じられるような有望なビジネスを自らが作り上げなくちゃ、儲かる会社にはなれないのかもしれません。
ここまですんなりわかるのですが、最後の「3.本業との関連性は気にしてはいけない」は引っかかりました。記事では、多角化と今の本業は関係なく、より重要なのは多角化していく事業に儲かる構造があるかどうかだとされていました。
これ自体はもっともなことと思います。ただ、私は本業との関連性が薄いことは良くないことだと思っていましたのでびっくりです。とはいえ、私が知っている失敗例は確かに先程の「後発参入」にあたるものばかりですので、この説明ではただちに矛盾するものではありませんでした。
●寿命が尽きかけている事業と似た事業が儲かるはずないじゃん!
著者は本業との関連性の必要派と不要派の両方の教えを受けたそうです。ただ、日本企業の実証研究の結果を見る限り、本業との関連性は不要という結論になったようです。
そして、この失敗例としてTOTOが挙げられています。トイレの施工工事会社ネットワークを利用し、キッチンや洗面台、風呂へと事業を広げたものの、トイレと違って競争相手が多かったため低迷したというものです。しかし、これも明らかに後発参入にあたりますので、私としては本業との関連性を理由に説明するものとしては不適だと思います。
ただ、一応その他の理由として、寿命が尽きかけている本業の周辺の事業立地も同様に地盤沈下が進んでいるわけで、大きく成長することは望めないという指摘があり、こちらの方がもっともな説明である気がします。
●新規事業は偉い人ではなく若手に選ばせてやらせるべき理由
ねぇ、それよりすべきことはなんなの?教えてよ!とワガママを言いたくなります。でも、こちらも著者はちゃんと紹介してくださっています。太っ腹ですね!。
先程の続きにあたる記事の
“転地先”を決めるのは、経営者ではなく当事者 経営者には別の仕事がある(2010年10月12日 三品 和広)によると、するべきことは以下のとおりです。
【するべきこと】
1.新規事業は当事者に選ばせること。
2.なるべく若手にやらせること
当事者にやらせるというのは、受け身ではなく、積極的にやれるからですね。要するにやる気の違いです。「言い出しっぺ」、特に熟考の末に「やっぱりこれだ」と決断して手を挙げた人の方がやっぱり頑張ることが多いとされていました。わかる話です。
加えて、30代までの若手が良いというのは、能力ややる気の問題ではなく時間的な問題。それは40代以上だと自らやりきることができない、つまり退職しちゃう方が早いってことみたいですね。また、若い人はしがらみが少ない、良い意味で分別がつかないのでリスクを取れるということも書かれています。
●老い先短い仕事は若い人ではなくやっぱり年取った人がやる!
こうしたことよりありがちなのは、偉い人が「これは面白いぞ」と言って、実行は自分よりも若い人に押し付けるというパターンでしょう。しかし、そうなると、そもそも「1.新規事業は当事者に選ばせること」の条件は満たせません。
また、寿命が尽きようとしている事業についてですけど、こちらはむしろ若手を入れてはいけないとされていました。そうした事業を延命させるのには、30代以下の若手を投入せずに、事業ごとに分けてしまえ!といった助言もありました。
ベテランに今まで愛してきたものを捨て去りなさいというのは酷な話ですし、新たな事業に頭を切り替えるということも難しそうですから、ちょうど良いかもしれませんね。
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