過去に立ち仕事のススメみたいな話をやっています。
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座るごとに寿命が縮まる 健康のためには運動より座らないこと ■
「座らない」健康法 スタンディングデスクで立って仕事しよう!●「座り仕事」より「立ち仕事」の方が悪い?
ですので、以下の記事が気にかかり、ブックマークしていました。
頭が18kgの負担に!座り仕事よりも怖い「立ち仕事の悪影響」 Suzie / 2015年7月21日 18時30分(文/よりみちこ)
以前、パソコン作業など長時間座ったままの姿勢で仕事することが肩こりや腰痛、眼精疲労、頭痛を引き起こすと話題になりましたが、今度は立ち仕事の危険に注目が集まっています。
さっそく、健康関連のニュースを扱う『Medical News Today』を参考に、詳細を見ていきましょう。
●スイス・チューリッヒ工科大学の研究
Suzieの記事なので何か怪しく、タイトルも胡散臭いです。ただ、一応研究論文が元ネタのようです。
このほどスイス・チューリッヒ工科大学の研究チームが行った研究の結果は、「長時間立ちっぱなしの姿勢は、慢性的な筋肉疲労やこむら返り、腰痛を引き起こし、仕事の内容や効率にも悪影響を及ぼす」というもの。(中略)
ガルシア博士(引用者注:筆頭著者のマリア・ガブリエラ・ガルシア博士)らは、男性14名、女性12名を若年グループ(18~30歳)と中高年グループ(50歳以上)に分け、5時間立ちっぱなしで働いた場合で実験。この間、座ってよいのは5分以内の休憩数回と30分の昼食休憩のみとしました。
また実験後は、電気で筋肉に刺激を与え、筋肉の反応によって疲労の程度と姿勢の安定性を計測。体調についての聞き取り調査も併せて行ないました。
実験の結果、被験者は数回の休憩をとっても筋肉の慢性疲労が回復しないことが判明。疲労回復には30分以上の座った状態での休憩が必要であること、慢性疲労の程度には年齢による差がほとんどないことも証明されました。
●疲労の自覚症状がほとんどない
興味深いと思ったのが、実際には疲労が蓄積しているにも関わらず、自覚症状がほとんどないという点です。過去にやった別の話二つを思い出しました。結構、人間の体ってこういう錯覚があるみたいですね。
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過労死の本当の恐ろしさ~疲労を感じないまま死亡~最初の自覚症状である“疲労感”のあいまいさ。研究では、5時間の立ちっぱなし労働後30分以上の休憩をとってから行なった聞き取りで、疲労度の数値と被験者本人の感覚に矛盾が浮かび上がりました。
被験者が「もう疲れは取れた」と答えたにも関わらず、筋肉疲労の数値は改善していなかったのです。
ガルシア博士は「立ちっぱなし労働後の慢性疲労は、本人が気づくかどうかに関わらず存在する」と指摘します。自覚がないまま筋肉疲労がたまっていけば作業の効率が落ち、集中力も低下。その結果、ケアレスミスを招いたり、労災事故を引き起こすことにもなりかねないわけです。
●立ち仕事が座り仕事よりも怖い根拠が薄弱
タイトルの時点で嫌な予感がしていましたが、ここまでのところ、座り仕事よりも怖い「立ち仕事の悪影響」という話ではありません。チューリッヒ工科大学の研究は、疲労回復が大事という話。座り仕事ととの比較すらしていません。
この根拠らしきところと言うと、以下のあたりですが、やはり座り仕事と比べているわけではありません。
オーストラリア・シドニー大学の研究チームは、ことし2月に“立ちっぱなしやぎこちない姿勢での長時間労働は腰痛リスクを8倍に高める”とする研究を発表しています。(引用者注:実際に座り仕事と比較しているものでは、腰への負担はむしろ座り仕事の方が大きいという研究もあります)
カナダ労務健康安全局(CCOHS)によると、立った姿勢での労働が続くと腰痛や筋肉疲労だけでなく、足の痛みやむくみ、下肢静脈瘤、首や肩のこりなどさまざまな症状になって表れるというのです。(中略)
頭の重さは約5kgで、首と背骨に負担をかけています。頭を傾ける角度が増すにしたがって首と背骨にかかる重さも増え、30°傾けると5kgだったものが18kgにもなるのです。
記事の最初には、次のような話がありました。あり得るとすれば、Suzieがこれと上記の症状を比べて、「座り仕事よりも怖い」と結論づけたということでしょうね。
以前、パソコン作業など長時間座ったままの姿勢で仕事することが肩こりや腰痛、眼精疲労、頭痛を引き起こすと話題になりましたが、今度は立ち仕事の危険に注目が集まっています。
●座り仕事の問題点である運動不足は解決しない
以前の話では、座り仕事の悪影響として、運動不足が挙げられていました。この運動量の差は、座り仕事の人がジムに通っても、逆転することができないというほど、大きな差でした。
今回の座り仕事の悪影響の話は、いわば運動しすぎ、あるいは、運動の仕方が悪いといったものです。これをもって、「立ち仕事が座り仕事よりも怖い」としてしまうのは、どうかと思います。
運動して回復したり、変な姿勢で運動すると体を痛めるので、それなら運動しない方が良いと主張しているようなものです。極論と極論を比べて一方の極論である運動不足を選択しているだけで、元の問題である運動不足は解消していません。アホです。(作者よりタイトルを付けた編集の方が悪そうです)
取り上げられている研究自体は、立ち仕事で改善すべき点を示唆しており意義のあるものですが、Suzieの解釈はやっぱりダメでしたね。ネット記事はこういう風に、一歩引いて見た方が良い怪しい記事が多いです。
なお、どっちが悪いか?という話も一応検索しました。
座り仕事・立ち仕事どっちが腰に悪い?腰痛経験者・腰への負荷のデータで書いています。
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