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大統領に権限なし!アウン・サン・スー・チー氏の独裁宣言(?)に波紋


2021/03/03:
●ミャンマーに詳しいジャーナリスト「日本人はスーチーさんを誤解」
●ロヒンギャ難民問題でアウン・サン・スー・チー氏は間違ってない?
●なぜ軍は突如方針転換しクーデターを起こした?その理由とは… 
2021/03/25:
●ミャンマー軍が脱中国依存でアウン・サン・スー・チーが親中だった?
2021/04/09:
●非難のコメントが殺到!日本大使館がミャンマーで炎上した理由とは? 【NEW】
●国軍式典に中国だけでなく、ロシア・インド・タイなどの代表が出席 【NEW】


●大統領に権限なし!アウン・サン・スー・チー氏が明言

2015/11/11:アウン・サン・スー・チーさんは、これ以前にも似たような発言しており、初めてではありません。ただ、スー・チー氏「私が全て決定」 新大統領に「権限なし」 - 47NEWS(よんななニュース)(2015/11/11 12:39 【共同通信】)という記事が、が明らかに疑いを持たせる取り上げ方をしたので、このタイミングで話題になったようです。

<ミャンマーの次期政権を主導する見通しとなった野党、国民民主連盟(NLD)の党首アウン・サン・スー・チー氏(70)は10日、外国メディアとのインタビューで、次期大統領は何の権限もないと明言。自身の大統領就任を禁じた憲法規定に合わせるために任命されるにすぎないとして「私が全てを決定する」と強調した。
 国家元首の大統領ではなく、自身への権力集中にこだわる姿勢は、「権威主義」や「違憲」との批判を招く恐れもある>

 それ以前の発言というのは、スー・チー氏「私は大統領よりも上に立つ」 2015年 11月05日 22時47分 提供元:読売新聞という記事からわかります。私は気になっていたのですが、このときは全然反応がありませんでした。選挙前の話であり、注目されなかったのかもしれません。

<【ヤンゴン=児玉浩太郎】8日投開票のミャンマーの総選挙を前に、最大野党・国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー党首(70)は5日、最大都市ヤンゴンで記者会見し、「我々が勝利すれば、私は大統領よりも上に立つことになる」などと述べた。
 憲法規定で大統領に就任できないスー・チー氏が、NLD主導の政権が樹立された場合、実質的に自ら政権を率いる方針を示したものだ>


●現行憲法に問題がありやむなし?スー・チー氏の独裁宣言(?)に波紋

 ミャンマーの場合、もともと憲法がおかしいという事情があり、理解できないところがないとも言えるかもしれません。2008年制定の現行憲法は外国籍の親族がいる人物の大統領資格を認めないという妙なもの。これは"英国籍の息子2人を持つスー・チー氏"を大統領に就任させないように排除したものだとみなせます。

 ということで、憲法の方がおかしいという特殊事情があるわけですが、確かにアウン・サン・スー・チーさんの発言はあまりにも強すぎで、ここまでのことを言う必要があったのか?と、私も感じました。

 とりあえず、Ceron.jp - スー・チー氏「私が全て決定」 新大統領に「権限なし」 - 47NEWS(よんななニュース)の反応もどうぞ。

パチパチパチ。独裁者、いっちょ上がり。 
dropkick(@ato0083)
なんかこの発言怖い気もするんだけどどうなのかね -
tarobee(@tarobee)
民主化したと思ったら即独裁政治になってワロタ
ぽり(@poly_daba)
独裁を倒すのは独裁・・・?
YASU(@yasu1OO4)
結局独裁なんだよなあ…。ミャンマーが民主化を果たす道のりは遠そうだ。
ケリィ(@kellydenegrorio)


●ロヒンギャ族迫害を見過ごすアウン・サン・スー・チー氏に疑問

 以下のような「マスコミが推す人だから期待薄」という反応もありました。ただ、こういう発言は自分の頭で考えていないということですので、あんまり良くないです。単なる逆張りですし、たぶん都合の良いときにはマスコミに同調するのでしょう。

外人の配偶者がうんたらかんたらだっけ?軍部がよく生かしていたなと。前の選挙の時に女ルーピーと呼ぶ向きがあったと記憶しているけどお手並み拝見。マスコミが推す人だから期待薄ですが。
零式毛布(B級国民)(@tau_linus0)

 また、今回の危険視するニュースも当然マスコミもののですので、別に一方向に偏っているわけではないと思いますよ。先ほどの記事も、読売新聞の方だと憲法の話を入れてフォローしていました。かなりニュアンスが異なります。それから、ここであった「軍部がよく生かしていたな」ですが、私は現職のテイン・セイン大統領の方が、アウン・サン・スー・チーさんよりイメージが良いです。かなり進歩的な政策を実現してきました。

 特に「ロヒンギャ族」の問題では、テイン・セイン大統領も全然だったものの、アウン・サン・スー・チーさんよりはだいぶマシだと感じました。これは、アウンサンスーチー氏に無視されているロヒンギャ族 ミャンマーで迫害などで書いています。スー・チーさんの方が多数派民族重視の右派的な感じです。

 しかし、ネットではむしろ少数民族迫害なら積極的に支持されるんですよね。特にロヒンギャ族はイスラム教徒であり、ネットではイスラム教徒に人権なしという勢いです。群馬県館林市にミャンマーの民族ロヒンギャ族定住 グンマーネタと誤解されるのときに見たツイートは、ロヒンギャ族をバッシングする反応が多かったです。

 都合の悪い憲法なら重視しなくて良いというスタンスも、安保関連法案賛成の関係でむしろネットの右派の人は共感できそうなんですけどね。不思議な反応です。ということで、私もアウン・サン・スー・チーさんについては慎重に見ておきたいと思うのですが、他の方とは理由がだいぶ違うと思われます。


●クーデターでアウン・サン国家顧問などを拘束、支持できる?

2021/02/01:ミャンマーの与党国民民主連盟(NLD)の広報担当者が、アウン・サン・スー・チー国家顧問とウィン・ミン大統領、その他NLD幹部が拘束されたとし、自分自身も拘束される見込みだとしました。ミャンマーでは、前年の選挙を巡り、選挙で不正があったと主張している国軍と政府の対立が激化しクーデターの懸念が強まっていたところで、懸念が現実となった形です。
(ミャンマーのスー・チー国家顧問らが拘束される=与党報道官 ロイター2021 02/01 08:28より)

 選挙不正が事実なら問題ですが、私はほとんどの場合、クーデターを支持しません。やむを得ない事情があるかどうか判断できず、クーデターを起こす側の勝手な都合で起こす場合との区別が難しいためです。独裁者がやりたい放題でひどかった…など、よほどわかりやすい事例でないと正当化は難しいでしょう。

 最初の投稿部分ででわかるように、私はアウン・サン・スー・チーさんに批判的で、なおかつこれもほとんど支持できる場合がない軍部政治の方がまだマシだと思っていましたが、それでもクーデターは全然支持できません。より詳細な情報がほしいところで続報を待ちたいところだとはいえ、たぶん支持できるほどの根拠は出てこないのではないかと予想します。

 なお、日本では右派の自民党が憲法改正で国家緊急権の創設を目指していたのですが、<各国の例をみると、国家緊急権は、クーデタに利用されることが多い。憲法上手続・要件・効果を定めても、濫用されることが多かった>と指摘されているようなもの。日本でもクーデターが今より起こしやすくなる可能性があり、注意が必要です。
(村田尚紀「立憲主義と国家緊急権」『憲法問題』14 号(平 15.5)116 頁、(PDF)憲法調査会後の新たな憲法事象 ~ねじれ国会、東日本大震災と憲法~ 法審査会事務局 森 本昭夫より)


●アウン・サン国家顧問の父はクーデターで活躍した軍人という皮肉

 前述した「支持されるクーデターがある」ということについて補足。私自身が支持できるかどうかはよく調べてからじゃないと言えないのでノーコメントとしますが、皮肉なことにアウン・サン・スー・チーさんの父・アウン・サン将軍はクーデターで活躍した…という方なんですよ。アウン・サン国家顧問が人気になったのは、このクーデターを起こした父のおかげでした。

 1942年、アウンサンがビルマ独立義勇軍を率い、日本軍と共に戦いイギリス軍を駆逐し、1943年に日本の後押しでバー・モウを元首とするビルマ国が建国されます。しかし、1944年の独立一周年記念の席上でアウンサン将軍は「ビルマの独立はまやかしだ」と発言し、この状況をよしとしませんでした。

 1944年8月には、秘密会議で反ファシスト人民自由連盟(AFPFL)が結成されビルマ共産党やアウンサン将軍率いるビルマ国民軍などが合同。1945年3月27日、アウンサン将軍が指揮するビルマ国民軍は日本及びその指導下にあるビルマ国政府に対してクーデターを起こし、イギリス側に寝返りました。その後、将軍は国内の政治家に暗殺されますが、今もなお国民から人気があります。(Wikipediaより)


●ミャンマー軍に配慮し支援してきた国、クーデターで対応苦慮

2021/02/10:その後の報道を見ても、やはりクーデターを支持できるような話は出てきていません。また、以前の軍事政権がまだ悪くなかったのではないか?という理由は、ロヒンギャ問題だけでなく、そもそも緩やかに民政へ移行しようと努力していたため…というものですから、その動きを逆転させたものが支持できるはずがありません。軍部内で方針が変わったのかもしれませんね。

 ところで、ミャンマー軍の話というよりは、日本の話ということになるのですが、政府、対ミャンマーで苦慮=米国とスタンスに開き 2021/02/08 18:20 時事通信という記事が出ていました。こちらの解説によると、日本政府はミャンマー軍との関係が近いそうです。

<国軍によるクーデターが発生したミャンマーへの対応をめぐり、日本政府が米国とのスタンスの開きに苦慮している。これまで築いてきた国軍との良好な関係を維持したい日本と異なり、米国は制裁も辞さない姿勢を見せているためだ>
<対ミャンマー外交に関し、日本は「独自色」(外務省関係者)を貫いてきた。07年の民主化運動弾圧で欧米各国が制裁を強化した後も、日本は軍政との関係を切らさず、民生部門を中心に支援を継続した。
 こうした「伝統」から、茂木敏充外相は昨年8月のミャンマー訪問の際、スー・チー氏だけでなく、国軍のミン・アウン・フライン総司令官とも会談し、配慮を見せた。(中略)茂木氏は2日の記者会見で、制裁について「民主化プロセスを回復することが極めて重要だ」と述べるにとどめ、難しい立場をにじませた>


●ミャンマーに詳しいジャーナリスト「日本人はスーチーさんを誤解」

2021/03/03:「日本人はスーチーさんを誤解」 ミャンマー取材27年の記者が読むクーデター:朝日新聞GLOBE+(2021.02.03)という記事があり、「えっ、どういう意味?」と思いました。これは、27年間にわたりミャンマーの取材を続けているフォトジャーナリストの宇田有三さん(57)の以下のような主張する部分から来ているみたいです。

「ミャンマー国民の間で、スーチーさんへの信頼は絶大だ。だが、それは国を現実的に切り盛りする政治家として頼りにしているのであり、人権や民主主義の象徴だけという欧米からみた視点での支持ではない」
「日本人はスーチーさんを誤解している部分がある。ミャンマーの人々はスーチーさんをアメ・スー(スーお母さん)と呼ぶ。それは大きな国難に遭ったときは母の慈愛を頼りたいというミャンマー社会に根ざした価値観から来ているのだ」

 ただ、正直理解しづらい説明。「国を現実的に切り盛りする政治家として頼りにしている」と「母」というのは、両立しづらく、むしろ矛盾するようにも感じます。一般的に、母への愛というのは、政治的手腕などの能力への愛ではないことが多いです。なのd,むしろ政治的手腕への期待ではない支持といった主張の方がすっきりします。


●ロヒンギャ難民問題でアウン・サン・スー・チー氏は間違ってない?

 私は「日本人はスーチーさんを誤解」という記事タイトルを見た時点では、アウン・サン・スー・チーさんがロヒンギャ迫害を放置していることへの擁護かな?と思いました。直接的にタイトルになっていたのは上記の部分であり、ロヒンギャ問題とは無関係そうでしたが、ロヒンギャ問題擁護そのものは出ています。

<ミャンマーは近年、ロヒンギャ難民問題で国際社会の批判を浴びてきた。スーチー氏はコフィ・アナン元国連事務総長を委員長とする第三者の調査委員会を設置し、問題の解決を探ってきた。宇田さんは「結局はスーチーさんのやり方しかない。委員会の提言をきちんと遂行しているのか、という検証は必要だが、方向性は間違っていない」と語る。
「ロヒンギャは国籍の問題であり、民族問題ではない。日本人もそうだが、ロヒンギャ難民問題とロヒンギャの問題、これらを生み出したミャンマーの問題を十分理解していないから混乱が起きる」と語る>

 ただ、ここらへんの主張はミスリードかな?という感じ。ロヒンギャでは難民問題だけでなく、国内での差別も問題になっており、そこらへんはアウン・サン・スー・チーさんにも責任があります。宇田有三さんは全体にアウン・サン・スー・チーさんらを美化しすぎな感じがしますね。

 軍政でひどい時期があったのは事実で、今回のクーデターも悪く、それらは大いに批判されるべきでしょう。ただ、アウン・サン・スー・チー氏のノーベル平和賞取り消しを!受賞者らも批判で書いたように、アウン・サン・スー・チーさんらも、自分たちに逆らう人たちを逮捕しまくるなど、相当ひどいことをやっており、美化しすぎるのも変です。


●なぜ軍は突如方針転換しクーデターを起こした?その理由とは…

 なお、勉強になる話はありました。マスコミの普通の記事ではなかった、突然軍が豹変した理由に関する推測があったのです。「軍部内で方針が変わったのかもしれませんね」と私は以前書いていて、権力者が変わった可能性も考えました。ただ、権力者自体は独裁者のタンシュエ上級大将で変わらないものの、権益の関係で方針転換したのでは?といった説明です。

 まず、欧米諸国からの投資がどっと増え、軍の得る利権の規模が広がったため、軍は民主化当初、実は最も得をしていたとのこと。これらが民主化を軍が進めた理由でしょう。ただ、アウン・サン・スー・チー政権が「麻薬取り締まり」や「国営企業の民営化」という軍の利権に手を出してきたために、方針転換したのではないかといった説明です。

 この説明自体は納得。ただし、ロヒンギャ迫害では問題を後回しにするという「理想より現実」という政策をとったアウン・サン・スー・チー政権が、「麻薬取り締まり」や「国営企業の民営化」では現実無視で拙速に理想をとりに行って失敗した…といった格好ですから、腑に落ちない感じはありますね。やっぱり普通にロヒンギャ迫害に興味ないだけな気がします。

 あと、ミャンマーの人々は心情的には中国を嫌っているのは間違いなく、中国系やインド系の人々がミャンマー経済を牛耳ってきたから、助けてくれる国が他になかったから付き合っていた…といった説明もあったのですけど、意外なことに軍よりもアウン・サン・スー・チー政権の方が中国政府に協力的だったという逸話が出てきてこれも混乱。全体に信頼して良いのかわからない感じがありますね。

<宇田さんによれば、中国はインド洋に出るためのルートとして、ミャンマーにガスパイプライン、鉄道、高速道路の建設を提案した。これに対し、軍は鉄道と道路の敷設には難色を示した。しかし、NLD政府の許可によって、鉄道の建設も決まったという経緯があったという。ガスパイプラインはすでに稼働済みだ>


●ミャンマー軍が脱中国依存でアウン・サン・スー・チーが親中だった?

2021/03/25:その後、ミャンマーでの軍政ではデモ弾圧が続き、多数の死者が出ています。アウン・サン・スー・チー政権時代を美化することはできませんが、確かに軍政の方がひどいというのは賛成。しかも、比較できないほどの圧倒的なひどさですね。軍政を支持できる要素は全くありません。

 一方、今回追記したのは、アウン・サン・スー・チー政権以前の軍政時代についての話。ミャンマー軍は中国との関係が言われているものの、思ったより複雑ですね。前回の最後でも書いたように、軍がむしろ中国依存を脱却しようとしていて、アウン・サン・スー・チー政権が中国に近づいたというところもあるようです。

<(引用者注:沿海都市チャオピューから延びるルートは、)中東産原油を、チャオピューで荷揚げした後に同じくマンダレー、昆明を経て重慶まで運ぶ(同771㌔メートル、同1632㌔メートル)。こちらも10年に建設が始まり15年に完成した。だが、脱中国依存の姿勢を示したテイン・セイン政権下で棚上げとなった。輸送が開始されたのは、スー・チー政権発足後の17年で、輸送能力は日量44万バレルで、フル稼働を前提とすると18年の中国の原油総輸入の日量924万バレルの4・8%を占める。ちなみに、同年の中東産原油は中国の原油輸入の約4割を占める>
<90年代からの欧米諸国の経済制裁下で孤立していたミャンマーの軍事政権に援助の手を差し伸べてきたのが中国である。しかしながら、11年に軍事政権の流れを組む連邦団結発展党(USDP)の代表として政権を担ったテイン・セイン大統領は、ミャンマー北部カチン州で中国が進めていたミッソン・ダムの建設を、地元住民の反対の声に配慮して凍結している。(中略)テイン・セイン政権にとりミッソン・ダムの建設凍結が欧米諸国から歓迎され、経済制裁解除の1つのきっかけになったとも考えられる>
(ミャンマー貫く〝援習ルート〟 クーデター後の対中関係の行方 「一帯一路」大解剖 知れば知るほど日本はチャンス WEDGE Infinity(ウェッジ) 2021年3月24日 石田正美 (日本大学生物資源科学部国際地域開発学科教授)より)

 ただし、<スー・チー氏率いるNLD政権も、中国への債務依存が強まり、インフラの管理権が中国に渡る「債務の罠」への懸念が根強い>とも指摘。<中国の国営企業である中国中信集団(CITIC)を中心とするコンソーシアムが予定していたチャオピュー経済特区では、大型船が着岸し積荷の積み降ろしが可能な深海港のバースの数を10から2まで削減し、総工費を73億㌦から13億㌦まで交渉により縮小させている>としていた他、以下のように書かれていました。

<実際、国内総生産(GDP)に占める対中債務の割合は、減少傾向を示している(2月7日付日本経済新聞)。また、中国とインドが新型コロナウイルス感染症のワクチン外交を展開する中、同政権はインドからも中国からも供給を受ける約束を取り付けており、ロヒンギャ問題で国際的に孤立する中でも極端な対中依存は避けていた>


●非難のコメントが殺到!日本大使館がミャンマーで炎上した理由とは?

2021/04/09:<ミャンマーに対して英米のように経済制裁を科すわけでもなく、具体的方針も打ち出していない日本。加えて、在ミャンマー日本大使館が発したメッセージが、フェイスブックで炎上している>とする記事が出ていました。軍へ配慮する日本に対して、ミャンマーの市民は怒りと失望の眼差しを向けているといいます。

 この記事は、クーリエ・ジャポンの<ミャンマーで日本政府によるメッセージが炎上!「失望」の烙印は押されたのか>(3/27(土) 15:00配信)というもの。クーデターの当初は、日本の外務省関係者が「日本はミャンマー政府へ圧力をかけて犠牲者を減らす」と説明していたものの、ご存知の通り多数の死者が出ている最悪の状況のため、説得力が乏しくなってしまいました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e786d6d9166370f9be4dfa95f586dba72d37353d

 クーデターやデモ弾圧に対し、英米は国軍に制裁を科すことを決定。英米だけでなく、韓国も軍事物資輸出を禁止し、ODAを見直すと発表。一方で、日本はODA新規案件停止の検討にとどまるなど、独自性が目立ちます。一方で、ミャンマーに人々に衝撃を与えたのが3月8日夜、在ミャンマー日本大使館によるフェイスブックへの投稿だったとのことです。

<丸山市郎大使が“ワナ・マウン・ルウィン外相”と首都ネピドーで会談し、民間人への暴力の即時停止やスー・チー氏らの解放を申し入れた、とビルマ語、英語、日本語で記したのだ。
 ワナ・マウン・ルウィン氏は、クーデター後に国軍が外相に任命した人物である。クーデター以前はスー・チー氏が外相を務めていただけに、ワナ・マウン・ルウィン氏を「外相」と呼ぶことは、軍政の正統性を日本政府が認めたと受け取られかねない。ちなみに2月に行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)の非公式会合では、インドネシアとシンガポールが「外相」との呼称を使わず、軍政との距離を置いていることを明確に示した>

 ミャンマーの市民からは「ワナ・マウン・ルウィンはわれわれの外相ではない」といった非難のコメントが殺到して「炎上」。茂木敏充外相が10日の衆院外務委員会で呼称の見直し検討を表明するに事態に追い込まれました。なお、企業にも批判があり、ヤンゴンでは中国系工場の襲撃放火が発生。日本企業は声明を出したり合弁解消をするなど、軍と距離を取ろうとしているそうです。


●国軍式典に中国だけでなく、ロシア・インド・タイなどの代表が出席

 中国系工場が破壊されているように、最も軍に近いと思われているのは中国。ただ、上記までで見てきたように、中国との関係は複雑で単純ではありません。さらに、そうなの!?と驚いたのが、軍の式典に中国だけでなくロシアやインドなどの国が参加していたということです。特にインドは意外でしょう。

<国軍は国軍記念日の27日、首都ネピドーで式典を開き、ミン・アウン・フライン最高司令官が演説でクーデターを改めて正当化した。(中略)
式典には陸海空軍や警察などから約8000人が参加した。ロシアのアレクサンドル・フォミン国防次官のほか、中国やインドなど8か国の代表が出席した>
(ミャンマーで抗議デモ参加者ら91人死亡…国軍式典に中露印の代表出席(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース 2021/03/27より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c01b2c2564f95b2fcb1a05e284964e182cd56be1

 こちらの式典では、英米だけでなく日本もさすがに欠席。それだけにインドの参加は目立ちますね。なお、この毎年3月27日の国軍記念日は、日本軍占領下で結成された抗日組織が1945年3月27日に武装蜂起したことにちなんでおり、日本にとってはもともと「反日的」で嬉しくない記念日だったのかもしれません。

 他の参加国も検索。ミャンマーで将軍たち祝宴 市民100人以上虐殺の夜 - BBCニュースによると、ロシア、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、ベトナム、ラオス、タイの8カ国の代表が出席したそうです。親日国と言われるベトナムやタイも意外ですが、イスラム教徒であるロヒンギャ弾圧がある中、イスラム教国が参加しているのも意外でした。


【本文中でリンクした投稿】
  ■アウン・サン・スー・チー氏のノーベル平和賞取り消しを!受賞者らも批判
  ■アウンサンスーチー氏に無視されているロヒンギャ族 ミャンマーで迫害
  ■群馬県館林市にミャンマーの民族ロヒンギャ族定住 グンマーネタと誤解される

【関連投稿】
  ■ミャンマーと日本の関係 ~民主化で経済も政治ももっと仲良く~
  ■カンボジアに日本人が行くと「日本が大好き」と話しかけられる理由
  ■海外・世界・国際についての投稿まとめ

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