共同研究者の資料や論文を使ってしまうという事例が続きましたが、小保方晴子問題で揺れる早稲田大学准教授も教え子の論文を盗用していたという話が出てきました。
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福岡教育大学教育学部教授、教え子の卒業論文のほぼ全文を盗用 ■
教え子の論文盗用?福岡教育大学教育学部・榊原浩晃教授の経歴●早稲田大学准教授も教え子の論文盗用疑惑
以前から判明していた話ですけど、聞いたことなかったので、記事のタイトルになっているようにTOCANAのスクープかもしれません。
スクープ! 小保方氏よりも悪質か! 早稲田大学准教授に「論文盗用疑惑」発覚! 地に堕ちた早稲田ブランド TOCANA 2015.11.11 村上和巳
疑惑が浮上したのは遡ること1年以上前の14年7月。内部通報からだった。しかも、その疑惑は商学学術院商学研究科ビジネス専攻に所属する准教授が、自らが指導した学生の修士論文を盗用し、学会誌に単著論文を発表していたというものである。(中略)
盗用疑惑を指摘されているのが、件の准教授が13年と14年に「日本経営学会誌」に単著として発表した論文と、やはり同准教授が14年に早稲田大学発行の学術雑誌「早稲田国際経営研究」に単著として発表した論文2本の計4本である。ある商学学術院関係者がその経緯を次のように語る。
●小保方晴子氏より悪質とされる理由
小保方氏よりも悪質かもしれないという根拠は、以下あたりです。
一般に博士号取得の際の博士論文は取得大学にかかわらず、完全公開で国会図書館でも閲覧可能だ。ただ、修士論文の場合は大学により対応は異なり、概ね非公開のケースが多い。(中略)
非公開となった学生の修士論文は、学内関係者しかアクセスできない。つまり非公開の修士論文を盗用したとしても、学外ではほとんど検証不能である。その意味では、博士論文での盗用疑惑が指摘された小保方氏の事件よりも悪質性は高いといえるだろう。
●共同研究者の研究の方が間違って盗用しやすい
ただ、冒頭でリンクした他の盗用の件でも書いたように、むしろ共同研究者の書いた論文や資料の扱いの方が盲点だと思われます。
一つは「非公開」となっているように、そもそも修士論文以下の論文はレベルが格段に低いということです。博士論文とは全然レベルが違いますので、普通の論文のような意識を持たれないおそれがあります。
また、未発表資料でしたら、それを新たに論文にすることは構いません。公開されていないため、未発表だと勘違いする可能性も出てきます。
さらに、他の研究室の論文であれば明らかに盗用だとわかるものの、共同研究者ということでそこらへんの区別が曖昧になることがあります。
それから、先生のやっている分野の研究の一部を、学生が担う形になることが多いというのがあります。卒業論文・修士論文レベルだと、学生の研究というよりは、実質的に研究室の先生の研究となっている可能性があり、自分の研究だと誤解しやすくなります。中には、学生は自分の仕事を手伝ってもらうアシスタントだと明言する先生もいます。
●二重投稿疑惑が発端
ただし、これがもちろん望ましいことかと言うと、そうではありません。できれば、改善されるべきものでしょう。また、今回のケースの中身を見ても、あまり仕方ないとは言えないものでした。
上記の問題は盗用だけでなく、二重投稿やオーサーシップの問題がある可能性がありますが、もともとスタート地点は、准教授の論文同士での二重投稿疑惑だったようです。これが本当なら明らかにアウトであり、勘違いしやすいものではありません。
「もともとはその准教授が日本経営学会誌に発表した論文のうち1本と早稲田国際経営研究に発表された論文のうち1本が二重投稿ではないかとの指摘から始まったのです。その調査過程で、学生の修士論文を盗用している疑いが浮上してきました」
二重投稿というのは同じような内容を2カ所以上の雑誌等に投稿することで、研究倫理上は不正行為とはいわずに不適切行為といわれる。
●単著としての発表
また、今回の件においても、単著としてしまったことはやはり問題があります。
調査委員会での聴取や上申書などで、准教授は単独名義で発表した論文の執筆の際に、学生と共著論文や未発表の共著論文原稿を参照したものの、修士論文そのものは参照していないと主張。また、単著として発表した論文は、自分が学生の研究を進化・発展させたものであるとの認識を示した。
ただ、盗用元として疑われている修士論文を執筆した学生3人から単著としての執筆許諾は得ておらず、単著論文内に参照論文として共著論文や修士論文を記載しなかったことや論文内で当該学生に謝辞を述べていないことなどの「著作権侵害」は認めたが、あくまで過失であり、意図的な「盗用」は否定している。
●「意図的盗用」と判定
さらに、学術研究倫理委員会には、内容的に似ている部分が多すぎると判断されました。
同大学学術研究倫理委員会では、准教授の単著論文では、学生の修士論文内の図表をそのまま引用し、修士論文と単著論文に酷似した記載が目立つこと、またヒアリングの内容などを総合し、准教授による「意図的盗用」との判断を下している。
●なぜか処分は停職止まりで懲戒解雇なし
上記のような判断でしたので、当然厳しい処分が下されたのだと思ったのですが、何とそうじゃないというのです。早稲田大学にはいつも驚かされることばかりですが、またしても驚かされました。
というのも、小保方晴子さんら学生の問題を抜きにしたとしても、最近の教員の不正事件と対応が異なるのです。(関連:
早大蛭田啓准教授、盗用8割なのに懲戒解雇処分に不服申し立てか?)
前年の蛭田准教授の例では10年以上前の大学学術誌での2論文の盗用で懲戒解雇に至ったのだから、この2年以内に学会誌も含めて意図的とも思われる不正行為を認定された4本の論文が発覚したこの准教授についてもほぼ同様の処分が下されるだろうと思うのが一般的であろう。
ところがその後、水面下で進行した事態では「予想外」の展開となった。結論を先に言うと、学術研究倫理委員会の最終報告書での認定が、時間の経過とともに覆され、冒頭に示した臨時教授会では査問委員会が勧告した停職4カ月という判断がギリギリの票差で議決されたのである。
小保方晴子のコメントに早稲田大学が反論 1回で不合格は嘘などなどで書いているように、小保方晴子さんと他の学生との扱いが異なるのでは?と疑念を感じています。
また、何度も書いているように、中国人留学生の場合は一切の特別措置がなく博士号が取り消されました。(
早稲田大学、中国人の晏英の博士号剥奪 小保方晴子なら生活破壊なので学位維持?)
それに加えて教員の処分もバラバラ…もう、早稲田大学は本当わけわからないですね。どうなっているんでしょう、この大学は?
追加
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教え子の論文盗用の早稲田大学教員は田村泰一准教授 経歴と著書(お名前含めて発表がありました)
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盗用の早大・田村泰一准教授が解雇じゃないのは文科省出身だから? 関連
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研究不正疑惑についての投稿まとめ
Appendix
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