2015/11/18:
●肉は食べちゃいけないの? WHOも肉を食べることにメリットありと回答
●「鶏肉は健康」のイメージと逆…牛肉・豚肉より食べ過ぎに注意
●魚の食べ過ぎも不健康になる理由 片方だけではなく肉も魚も大事
●肉は食べちゃいけないの? WHOも肉を食べることにメリットありと回答
2015/11/18:
日本人の平均的な肉の摂取量なら発がん性リスク小 国立がん研究センターも見解発表で使った記事では、他にも興味深い話がありました。国際がん研究組織(IARC)が加工肉などに発がん性があると発表した後に問い合わせが殺到したことから、IARCの上部団体であるWHOは10月29日に、公式サイトでQ&A集を掲載したとのこと。以下のような内容みたいですね。
Q.「肉を食べるのを止めるべきか?」
A. 肉類の摂取には健康上の利点が確認されている
Q.「鶏肉と魚だけ食べればいいの?」
A.鶏肉や魚とがんリスクの検討は行われていない
Q.「ベジタリアンになるべき?」
A.ベジタリアンと肉のみを食べている人の健康リスクを比べた研究はなく、実施も難しい
(
【健百】ハムやソーセージの「発がん性」、日本人は心配なし? | あなたの健康百科 2015年11月04日 17:00 公開 より)
WHOはそこまで突っ込んでいませんが、「鶏肉と魚だけ」だと食べるものに偏りがあるのでバランス良く食べた方が良いと思います。
あと、「ベジタリアンになるべき?」の回答が論点ずらしみたいになっていて、良くないですね。ただ、ベジタリアンが良いと言えないのは確かでしょう。ベジタリアンも肉ばかり食べる人と同様に栄養が偏りやすいので、好き嫌いせずにお肉も食べておいた方が無難だと思います。その前のQ&Aでも「肉類の摂取には健康上の利点が確認されている」とありますしね。
●「鶏肉は健康」のイメージと逆…牛肉・豚肉より食べ過ぎに注意
以前も引用した内容と一部重なりますが、国立がんセンターが行った過去の日本人の調査結果も、「鶏肉と魚だけ食べればいいの?」の参考になると思われます。 国立がんセンターは、2011年に、国内の45~74歳の男女約8万人を対象に赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて追跡調査を行った結果を発表していました。
この結果では、例えば、女性では毎日赤肉を80g(調理前の重量。調理後は20%程度重量が減少)以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられなかったといったことがわかっています。男性でも鶏肉も含む肉全体では摂取量の最も高いグループでリスク上昇がみられました。
ただし、男性では、なんと赤肉では関連なしという結果になりました。また、加工肉については男女ともに関連はみられなかったともしています。赤肉や加工肉が悪いというイメージとは、かなり異なる調査結果になっていました。
国立がんセンターでは結論として、大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さいと言えるとしていたそうです。
(
国立がん研、日本人における赤肉・加工肉のがんリスクについての見解を公開 | マイナビニュース [2015/10/29]より)
この結果だけ見ると、鶏肉の方がむしろ悪そうな感じ。ただ、リスクが上がっているケースを見ると、基本的に肉類の摂取量が多すぎるというもの。なので、食べ過ぎている場合は、食べている肉が赤肉だろうが鶏肉だろうが、リスクが上昇すると考えていた方が良さそうです。
また、これまで何度も言ってきたように肉類を食べ過ぎていない人は、摂取について心配する必要はありません。以前も書いた通り、日本人の平均的な摂取量である63g程度なら、問題ないという見解だそうです。
●魚の食べ過ぎも不健康になる理由 片方だけではなく肉も魚も大事
また、魚だけ食べればいいってこともありません。以前から魚ばかり食べている人が特定の病気になりやすいことがわかっています。
さらに言えば、肉を食べない人の死亡率が上昇するという研究までありました。WHOが「肉類の摂取には健康上の利点が確認されている」としている通り、むしろお肉もきちんと食べるべきでしょう。偏食はいけません。
<健康全般を考慮した場合、赤肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛といった健康維持にとって有用な成分をたくさん含んでいるほか、飽和脂肪酸も摂りすぎは動脈硬化、その結果としての心筋梗塞のリスクを高めるものの、少なすぎると脳卒中(特に、出血性)のリスクを高めることも分かっており、日本においては心筋梗塞より脳卒中の罹患率の方が高いことから、総合的にみても、今回の評価を受けて極端に量を制限する必要性はないと言えると同センターではコメントしている>
日本人は脳卒中が多いので、特に肉を極端に減らすのは良くないという話みたいですね。たぶん日本人が魚をよく食べているというのも関係していると思われます。
マーガリンは危険?トランス脂肪酸の健康被害の嘘と本当・日本と欧米の違いで書いたようなトランス脂肪酸など、こういった欧米との食生活の違いを無視した主張が多いのは困ったところです。肉や脂肪酸を普段から摂取する量が多すぎる人の場合、積極的に減らす必要があるというのは本当でしょう。しかし、多くの日本人はそもそも食べ過ぎていないのですから、無理して減らすと別の弊害が出るおそれがあります。
塩分なんかもそうなんですが、減らしすぎると困る物質というのはあります。適正範囲内に収まっていたり、問題のない摂取量であったりすれば健康なのであって、減らせば減らすほど健康になるというわけではありません。
ここらへんの話が理解できていると、「~という物質が危険だ!」と不安を煽る商売にも騙されなくて済むのですが…。
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