●親の関心が高い子供のスマホ禁止!あのジョブズも実践していた
2015/11/18:スマホ禁止に関する話は、以前も結構やっています。例えば、
子供のスマホ利用は悪影響、ノーメディアを アップルのジョブズ元社長がそういうもの。スマホを売っていたアップルのスティーブ・ジョブズさんは、子供に対して禁止していたという話です。
また、
子供の携帯電話制限で生じる新たな問題とフィルタリングの有効性は携帯電話全般の話ですが、スマホ禁止に関する話も出てきます。この投稿の場合は、子供のスマホを禁止するのは現実的には難しいよという話でした。
さらに、最近のものでは、
恋愛は無駄なので母親は阻止を!息子3人が東大の佐藤ママの受験論で、スマホ禁止を訴えている人の話が出ていました。今回は学校の成績を絡めたスマホ禁止の話なので、この投稿が一番関係しそうな感じです。
●スマホ禁止は逆効果?スマホ未使用の子の成績、意外に良くない
その今回の話というのは、
なぜ、スマホ使用「0時間の子」は「2時間未満の子」より点数が劣るのか 親技のカガク【9・前編】:PRESIDENT Online - プレジデント(2015年9月1日)という記事であった話。文部科学省が2013年4月に行われた全国学力テストの分析結果を発表したことについてです。
分析では、子どもたちのテレビの視聴時間やインターネットの利用時間(スマートフォンの利用を含む)と、成績との間に、明確な相関関係があったとしています。いずれの科目でも、成績が最もよかったのは、インターネット利用時間(平日)が、1時間未満の子どもたちでした。利用時間が長くなるにつれて成績は下がり、4時間以上になると9点から17点もの差がつきました。
となると、利用時間ゼロの子が最高成績…と思いきや、そうでもないのです。利用時間がゼロの子どもたちの成績は意外にも高くなく、利用時間が1~2時間の子どもたちと同程度で、むしろ若干劣る数字。さらに1時間未満の子どもたちと比較すると、3~4点劣っているといった成績でした。
●スマホばっかりやっている子の成績が悪いのは当然 時間がないから
"利用時間が長くなるにつれて成績は下がり"は、わかりやすいですね。単純な話、スマホばっかりやっていれば、他のことができません。当然、勉強時間も削られます。
恋愛は無駄なので母親は阻止を!息子3人が東大の佐藤ママの受験論では、子どもたちを洗脳して勉強をさせようという試みを批判しましたが、勉強時間が長い方が成績向上に有利に働くこと自体は「そりゃそうだ」という話です。
このデータだけですと、スマホによって成績が下がっているとは断定できず、こういう単純な時間の使い方だけの可能性があります。スマホであろうがなんであろうが、他のことに時間を使いすぎることで勉強できない状態になっている…といった感じです。
●スマホ時間をコントロールできる子が勉強もできる?意志の力の差説
問題は、スマホを全くやっていない子の成績が、それほど良くなかったことです。記事では以下のような話をしていました。
完全に制限(ゼロ)してしまうと、なぜ成績が悪いのでしょうか。
食卓で新聞を読みながら「フシギだねえ」とつぶやいた私に、通りかかった当時高1の三女があっさり言い放ちました。
「意志が強いからだよ」
確かに、インターネットを使うけれど、1日平均で1時間未満に抑えられるということは、本人の意志力の賜です。そして、意志の強い子どもは勉強にも打ち込める。
しかし、利用時間ゼロの子の成績が悪かったのは?
これは憶測ですが、利用ゼロはきっと本人の意志ではないのでしょう。親の強制です。もちろん逆かもしれません。成績が悪いのでネット利用を禁止している、のかも。
●我慢強い子は勉強ができる 「勉強しなさい」と言うまでもない
上記も結局憶測であり、正しいかどうかはわかりません。ただ、ある程度説得力も感じます。よく「勉強しなさい」と言うのは逆効果だと指摘されているんですよ。また、勉強ができる子は、「勉強しなさい」と言われなくていない、言われなくてもする子だという話も聞くことがあります。
ただ、これは「勉強しなさい」を言わないと、勉強ができる子になる…とは別の話です。もともと忍耐力がある子が勉強もできるという場合が考えられます。
幼児期の子供はIQより自制心の強さが大事 マシュマロ実験の結果も似たような話でした。我慢強い子が勉強も仕事もできるという研究です。
また、苦手なことはやりたくないものですから、勉強ができる子は自然と言われなくてもする子が集まっている、という可能性があります。まあ、強制がやる気を減退することも確かにありますから、「勉強しなさい」は言わない方が良いということそのものは賛成しますけどね。
●スマホを買えない低所得者層の子だから成績が悪かった可能性
一方、文科省は上記について、「視聴時間を決めるなど、節度を守って見れば知識の習得に役立つ」という全然根拠のない話をしていました。これは明らかにダメですね。いくら何でも話を作りすぎです。
あと、敢えて別の類推もしてみると、価格の高いスマホを持てない家庭の子が成績を押し下げたという可能性もあるかもしれません。残酷な話ですが、一般的に経済的に豊かな家庭の子ほど、学業成績が良い傾向にあります。
まあ、これももちろん勝手な予想です。このデータだけでは全然わかりませんね。なぜ利用時間が0時間だったかによって、かなり状況が異なってきそうです。
●約束を守らない人の子供は頭が悪くなりやすい?信頼性の問題
例によって最後まで読まずに書き始めていたのですが、記事でもさっき紹介したマシュマロ実験の話(
幼児期の子供はIQより自制心の強さが大事 マシュマロ実験の結果)がこの後、出ていました。さらに私が記憶していなかった実験の話もありました。これは収穫かもしれません。
2012年、ロチェスター大学の認知脳科学者のセレステ・キッド(Celeste Kidd)は改良型のマシュマロ実験を行いました。そして「子どもたちは、約束への信頼と理性(計算)で食べなかったのだ」と結論づけました。
彼女は子どもたちを2群に分けました。
「約束守られた群(reliable)」と「約束裏切られた群(unreliable)」です。各々、マシュマロ実験の直前に、ある約束が守られた、もしくは破られた経験をしています。
その結果、「約束裏切られた群」が平均3分しかガマンできなかったのに比べ、「約束守られた群」は4倍の平均12分もガマンできました。
つまり、ガマンできるかできないかを分けていたのは、約束相手が「信頼」できるかどうか、ガマンしたとき報酬が本当に得られるのかを計算できる「理性」の強弱だったというわけです。
そして、もともとのマシュマロ実験の追跡調査の結果は、「(周りとの)約束が信頼できる環境に育った子どもは、有能で学力の高い子に育つ」ということだったのだろうとキッドたちは解釈しました。
かなりひねっている実験ですが、おもしろいことはおもしろいですね。私は子供をコントロールしようという「教育」全般が嫌いですが、特に嘘をついて子供を思い通りにしようとするものは嫌います。これは「約束」とはちょっと異なるものの、後で親の嘘が判明した場合は、約束破り同様にやはり子どもたちにとってマイナスに働くかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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