2015/11/19:
ワクチンの副作用で多くの少女が犠牲と報道されたが…?
子宮頸がんワクチンの副作用を問題視しているのは日本政府だけ
WHO「子宮頸がん予防ワクチンの副作用が疑われる理由は一切ない」
2018/09/22:
子宮頸がんワクチンに対する恐怖を広めた論文が不適切で撤回に
●ワクチンの副作用で多くの少女が犠牲と報道されたが…?
2015/11/19:子宮頸がんワクチンに関するシリーズ記事がありました。
あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか 日本発「薬害騒動」の真相(前篇) WEDGE Infinity(ウェッジ) 2015年10月20日(Tue) 村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
子宮頸がんワクチン薬害説にサイエンスはあるか 日本発「薬害騒動」の真相(中篇) WEDGE Infinity(ウェッジ) 2015年10月21日(Wed) 村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
子宮頸がんワクチンのせいだと苦しむ少女たちをどう救うのか 日本発「薬害騒動」の真相(後篇) WEDGE Infinity(ウェッジ) 2015年10月23日(Fri) 村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
私はこの記事を見るまでに目にした覚えはなかったのですが、子宮頸がんワクチンの副作用がひどいという報道が大きくなされたようです。以下は、ネット記事のものですが、既存マスメディアも一斉に報じていました。
186人が今も苦しむ子宮頸がんワクチン被害 “推奨”した国の責任を改めて考える ウートピ / 2015年10月7日 13時0分(内野チエ)
子宮頸がん予防ワクチンの接種後の健康被害を訴える患者が相次いでいる問題で、厚生労働省が追跡調査の結果をまとめました。
子宮頸がん予防ワクチンの定期接種は、小学校6年~高校1年の少女たちを対象に、2013年4月から開始。しかしけいれんや記憶障害、運動障害などの重い副作用が相次いで報告され、わずか2か月後の6月に、厚生労働省が「積極的な接種勧奨の一時差し控え」を発表しました。
その後の追跡調査で、2014年11月までにワクチンを接種した約338万人のうち、副反応がみられたのは2,584人で、うち1,550人が通院不要まで回復したものの、186人は未だ重い症状に苦しめられていることが明らかになりました。
国が推し進めたワクチンを接種したことにより、これまで元気だった少女たちの生活は一変してしまいました。学校に行くこともできなくなった少女や、娘の将来のためにとワクチン接種を承諾した家族の心境を思うと、言葉を失うばかりです。
記事では、子宮頸がんワクチンについての説明もありました。子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因のひとつであるヒトパピローマウィルス(HPV)に効果があるとされています。
厚生労働省によると、HPVに感染するのは性交渉経験のある女性の50~80%にのぼり、数年から数十年後を経て子宮頸がんを発症するといいます。したがって、HPVから身を守るためにも、本来であればワクチンの接種が必要であると考えられます。
●子宮頸がんワクチンの副作用を問題視しているのは日本政府だけ
この話を取り上げようと思っていたものの、何しろ長いこと、難しいことで、後回しにしていました。また、迷ったのが微妙な問題であり、ワクチンの摂取が必要だという話を広めてしまって良いものか、判断が難しかったということです。
ただ、シリーズ最後の記事の
ブロゴス版におけるコメント欄で、以下のような指摘があり、やはり取り上げる意味があるのでは?と感じました。
三諸
HPVワクチンについての国際動向
http://csis.org/files/publication/140605_Wilson_HPVVaccination_Japanese_Web.pdf
その中からWHOの勧告
>同様の警告が他国から一切なく世界的に使用が増加していることを考えると、
>HPV ワクチン [の副作用] が疑われる理由は一切ない。各国の国民の声を認識した上で、
>当委員会は、各症例に関する詳細な記録資料の作成および、最も適切な治療指針を
>作成するため、医師による確定診断のための徹底的な調査を要請する。
(原文http://www.who.int/vaccine_safety/committee/reports/Jun_2013/en/)
ウートピは以下のような主張もしていたものの、上記のWHOの「同様の警告が他国から一切なく」「世界的に使用が増加」「HPV ワクチン [の副作用] が疑われる理由は一切ない」という見解と方向性が一致しないように見えるので、根拠を知りたいところです。
ワクチンの積極導入が推し進められた背景には、子宮頸がん対策において、日本が世界に遅れをとっているという理由があげられていました。しかし、海外で効果がみられているのは、ワクチンではなく、検診です。
●WHO「子宮頸がん予防ワクチンの副作用が疑われる理由は一切ない」
一応、引用元も確認してみました。書いているのは、グローバル・ヘルス・ポリシー・センターというところ。もともとは英語のようです。
日本におけるHPVワクチン接種状況 2014年5月 authors Rose Wilson Pauline Paterson Heidi J. Larson A Report of the CSIS Global Health Policy Center
日本におけるHPVに関する問題の国際的認識
WHOは、HPVワクチン接種の推奨を一時中止するという日本政府の決定に対し、WHOのワクチンの安全性に関する諮問委員会(GACVS)の報告書(2013年6月)でヒトパピローマウイルスワクチンに関する最新情報を提供することで対応した。同報告書では、次のように述べられている。
同様の警告が他国から一切なく世界的に使用が増加していることを考えると、HPVワクチン[の副作用] が疑われる理由は一切ない。
「HPVワクチン接種の推奨を一時中止した日本の対応に関する海外の報道は、主にワクチン接種に反対する団体から称賛されたが、世界の科学界を困惑させた」ともありました。
また、「ソーシャルネットワーク経由で拡散し、反対の感情が強まる結果」とも書いています。「放射能」騒ぎなどのように、陰謀論を唱える人など、一部の人にウケは良かったものの、科学的根拠に欠けるというパターンに見えます。ですので、副作用説に疑いを持つ主張を紹介することには意義があると判断しました。
●子宮頸がんワクチンに対する恐怖を広めた論文が不適切で撤回に
2018/09/22:その後、子宮頸がんワクチンに対する恐怖を広めることになったという日本の論文が撤回されました。どうも子宮頸がんワクチンが悪いとしたいがために、ムチャな実験条件で無理やり問題を引き起こしていたようです。この件は、
不正研究?子宮頸がんワクチン副作用の根拠論文が撤回 中島利博東京医科大学教授らの研究で書いています。
また、子宮頸がんワクチンが副作用を起こしているとされた、別の実験も科学的な実験ではなかったことが判明。こちらは、
池田修一、子宮頸がんワクチン副作用捏造は否定せず名誉毀損で訴訟で書きました。
子宮頸がんワクチン問題では、結論ありきの研究者が問題を大きくした模様です。最初の投稿部分で出てきたようにHPVに感染するのは性交渉経験のある女性の50~80%、そして、毎年数千人が子宮頸がんで亡くなっていることもわかっていました。近年の問題ある研究のせいで、かなり犠牲者が増えたと考えられます。
【本文中でリンクした投稿】
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不正研究?子宮頸がんワクチン副作用の根拠論文が撤回 中島利博東京医科大学教授らの研究 ■
池田修一、子宮頸がんワクチン副作用捏造は否定せず名誉毀損で訴訟【関連投稿】
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