2015/11/20:
●災害時に役立つ電気自動車 災害大国の日本がなぜEVを冷遇?
●世界最初のEVメーカー富士重工業「EVなら1週間も生活可能」
●移動する電源車…防災の視点でも重要な電気自動車
2018/10/15:
●北海道の地震でも活躍のEV、JAFの実験結果は?
2021/07/19:
●日本に縁が深いEV…関連技術でノーベル賞、別の受賞者もEV研究 【NEW】
●災害時に役立つ電気自動車 災害大国の日本がなぜEVを冷遇?
2015/11/20:
[安倍宏行]【政府はEVとPHVの普及促進を】~ガソリン車が消える日、トヨタの決断~ Japan In-depth / 2015年10月15日 21時28分という記事は、トヨタが「2050年までにガソリン車をゼロにする」としたという話。"トヨタの内山田会長はこれを「天変地異」と表現した"そうです。
ただ、2050年というのはずっと先の話。しかも、以前からガソリン車が衰退するという話は飽きるほど聞いています。私はインパクトある話とは感じず、何を今更という話だと感じました。それより私が気になったのは別の話です。作者の安倍宏行さんは、EV(電気自動車)はFCV(燃料電池車)が本格普及するまでのつなぎだと考えているようですが、私は日本はEVをより優遇すべきだと思います。災害対策効果があるためです。
EVはFCVが本格普及するまでのつなぎとして重要な戦略技術であるにもかかわらず、政府は思い切ったEV優遇措置を取っていない。普及の足かせは、航続距離の短さ(フル充電で250~280㎞)と充電設備の少なさだが、特に後者は規制緩和と投資優遇税制などで後押しすべきだった。HVで先行しているトヨタへの気兼ねがあったわけでもないだろうが、充電設備を急速に増やすような政策は取られなかった。コインパーキングや駐車場を併設するコンビニ、商業施設などに充電設備を普及させるための後押しがあっても良いのではないか。実際、PHVにとっても充電設備は必要なのだから。
また住宅のインナーガレージに蓄電池としてEVを置けば災害時などに家庭用電源として利用できる点もあまり重視されていない。(FCVも無論家庭用電源になりうる)太陽光発電など再エネによる電力で充電すれば更にエコである。街全体の住宅が再エネで発電し、EVやPHVに接続されていれば、リアルタイムで電力需要・供給が制御できる。いわゆるスマートシティである。技術的には可能であるが、複数の都市で実証実験レベルであり、全国的に普及しているとはとても言えない。
こうしてみてくると、CO2削減と災害時における利便性を考えると、当面日本政府はEVとPHVの普及促進を図ることが得策だと思われる。
●世界最初のEVメーカー富士重工業「EVなら1週間も生活可能」
災害対策としての電気自動車という記事は結構簡単に見つかります。以下の書き始めは、"世界で初の量産型電気自動車(EV)メーカーになった三菱自動車と富士重工業"とあったので、日本メーカーが全くやっていなかった分野ではなかったという意味でも、こっちを重視しない理由がますますわからないと感じた話です。
(年度不明) 3月9日(火曜日)付 日刊工業新聞 5面から
三菱自は09年10月の「東京モーターショー」にEVを中心とした住宅コンセプト「ミーブ・ハウス」を出展した。住宅の太陽電池パネルとEVを組み合わせ、いわば“エネルギーの自給自足”を目指す内容。(中略)
ミーブ・ハウスは太陽光発電による電力を家庭用電源として使用し、余剰分をEVに蓄える。悪天候などで太陽光から十分な電気が得られなければ、EVの蓄電分を家庭用電源に回す。
また災害時にはバックアップ電力として活用する構想だ。さらに余った電力を送電網に戻す役割を担う。(中略)
富士重も国内では災害時に蓄電池としての重要性が高いと見ている。日本の電力網はすでに高度に発展しているが、地震などの災害リスクが高いからだ。
同社のEV「プラグインステラ」には約10キロワット時の電力が蓄えられるという。「一般的な家庭で節約しながら使えば1週間は生活できる」(鈴木主査)計算だ。
●移動する電源車…防災の視点でも重要な電気自動車
さらに別の記事で、
「電気自動車 災害時も活躍」2015/7/20 函館新聞社/函館地域ニュース by e-HAKODATE(2015/7/20 10:15)というものも紹介。これは、電気自動車の魅力などを語りあう「北海道EVオーナーミーティング」が開かれて、電気自動車の普及に向けて意見を交わしたというニュースです。
進行役を務めた函館中央三菱自動車販売の力石嘉孝EVブランド推進室長は、「電気自動車は環境資源を守るだけではなく、移動する電源車として災害時などに役立つ」と強調。他の市町村が補助金を活用して電気自動車の普及を促している例を紹介し、「防災対策の視点でも必要性を訴えることが重要だ」と力説したそうです。
日本は災害の多い国だとか、防災は重要だとか、政治家らも強調することがあるんですが、実際に役に立ちそうなときには全然働きませんね。
●北海道の地震でも活躍のEV、JAFの実験結果は?
2018/10/15:北海道胆振東部地震においては、震源地と同じ町に道内最大の発電所があったこともあり、北海道全域で停電となりました。しかし、自動車のコンセントから延長コードを使って家まで電源を引っ張ったことで、冷蔵庫の食材を傷めずにすんだり、ランプ、携帯電話の充電用として使ったりした…という人もいたそうです。
また、北海道を拠点とするコンビニエンスストア「セイコーマート」は、すべての店舗で、停電の際に、電気自動車にかかわらず、車から電源を確保してレジを動かせるようにしていて、ほとんどの店舗で営業を続けることができたというので驚きでした。
とはいえ、ガソリン車ではあまり役に立ちません。JAF=日本自動車連盟は、ガソリンで走る一般的な車、ハイブリッド車、電気自動車などで実験。ガソリン車の場合は、シガーソケットを電源に変換する「インバーター」を使っています。しかし、「消費電力の大きな家電製品は、たとえエンジンをつけていても長時間使うことは難しい」(JAFの担当者)とのこと。
一方、ハイブリッド車は、消費電力の高い電気ストーブやホットプレートも使うことができました。ただ、なんと言っても電気自動車ですね。1、2リットル電気ポットで何回お湯を沸かせるかという実験では、エンジンを切った状態でハイブリッド車が1回だったのに対し、電気自動車では30回沸かしてもまだ3分の2近いバッテリーが残っていたといいます。
(
News Up 暗闇の街 救った車 | NHKニュース 2018年9月21日 12時21分より)
最初にも書いたように、政府は災害のことを考えて、もっとEVの普及を推進していくべきだと思うのですけど…。
●日本に縁が深いEV…関連技術でノーベル賞、別の受賞者もEV研究
2021/07/19:最初のときに、"世界で初の量産型電気自動車(EV)メーカーになった三菱自動車と富士重工業"という話が出ていました。本来、EV技術は日本と関係が深いんですよね。ご存知の通り、吉野彰・旭化成フェローがリチウムイオン電池関連でノーベル賞を受賞。他に、元ソニー技術者の西美緒さんも同時受賞が期待されていた方です。
あと、ノーベル賞関連で言うと、一見リチウムイオン電池とは関係なさそうな天野浩・名古屋大教授もEV関連の研究をしていました。以前、この天野浩・名古屋大教授らのグループが、窒化ガリウム(GaN)を利用し、通常より2割以上省エネの電気自動車を走らせることができたと発表していたんですよ。
EVでは、バッテリーの直流電流を「インバーター」という装置で交流電流に変えてモーターを動かします。
省エネ&エコな電気自動車 ノーベル賞天野さんら開発:朝日新聞デジタル(木村俊介 2019年10月23日08時37分)によると、このインバーターの材料に通常のシリコンではなくGaNを使うことで省エネを実現し、これまでの電気自動車よりも電気を使わずに済むとされていました。
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