「日本の若者は切羽詰まった危機感を抱くことない」という記事で、経営コンサルタント・大前研一さんの名前を知りました。人口減少は“国家の一大事”という危機感はわかるものの、あとは正直わからない話。貧しい時代だから海外で活躍できた、今の日本の若者はそういう気概と能力を急速に失った、といった話が展開されていました。
●少子化は日本経済の国際競争力を削いでいる…という主張
2011/1/16:
日本の若者は切羽詰まった危機感を抱くことないと大前研一氏 2011.01.14 週刊ポスト2011年1月28日号は、編集による記事の導入部によると、人口減少は“国家の一大事”であり、「人口=国力」であるというお話だそうです。この部分だけ見ると興味深いと思って読み始めたのですが、最後まで読み終えると大きなはてなマークが…。なんかおかしくない?という内容でした。
とりあえず、著者の大前研一さんは、「少子化は日本経済の国際競争力を削いでいる」と書いていました。
少子化の問題点はズバリ二点 経済の停滞と社会保障の維持困難などでやっているように、少子化が問題なのは本当です。
ただ、大前さんの挙げている<親は子供が1人しかいない場合、子を危ない所にはやれない、子がいなくなったら老後はどうなるのかという風に子供の留学や海外赴任に対して否定的になる>という理由はよくわからないものでした。また、
日本は韓国以下!でも国際競争力も貿易黒字も貿易赤字も無意味?でやっているように、「国際競争力」という考え方も意味がないという指摘があります。
●大前研一氏「日本の若者は気概と能力がない」「貧しい時代は良かった」
あと、今の若者はダメといういわゆる「俗流若者論」的なものも見られて、どうかと思いました。それに至る前の部分では、まず、以下のように次男三男が日本を経済成長させたという、これまた根拠が本当にあるのかよくわからない主張をされています。
<子供は昔農山漁村では長男が後を継ぎ、貧しい時代だから、次男三男は家を出て、大都市に集団就職するか、海外へ移民するしか選択肢がなかった。戦後は、そういう人たちが日本企業の“国際化の先兵”として海外に雄飛(引用者注:大きな 志をいだいて盛んに活動すること)し、世界に冠たる日本のブランドを築き上げた>
この上記部分に続き、<しかし、今の日本の若者は、そういう気概と能力を急速に失っており、漠然と将来の不安は感じていても、バイトや非正規社員でもそこそこ食べていけるから、切羽詰まった危機感を抱くことすらない>と、若者を叩いているんですね。かなり偏見がある感じです。
仮に以前は「貧しい時代だから」「選択肢がなかった」から良かった…という主張を受け入れたとしても、また変な話になりそうですね。貧しくて就職の選択肢がない方が良かったとなると、もっと不景気にすれば国際競争力がつくといった話にもなりかねず、全体にめちゃくちゃな主張だと感じました。
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