世界滅亡の予言は数え切れないほど外れているのですが、工事予定のごとく「延期のお知らせ」が出ていて笑ったので追加。当初書いていた話は、2011/1/18に書いた2012年地球滅亡説でマヤ暦やアセンションに絡むものでした。(2017/10/02)
●世界滅亡の日が「延期のお知らせ」 2度目の変更で10月21日の予定に
2017/10/02:オカルトサイトのTOCANAの記事なんですが、
【悲報】世界滅亡のXデーが10月21日に延期される! 専門家「ニビル接近後に大地震発生…世界は終わり、7年の大混乱へ」(2017年9月30日)というタイトルの時点で笑えます。また、滅亡日時の変更は今回だけでなく、その前にもやっていたとのこと。軽いノリですね。
(1)聖書研究家で天体観測家のデイヴィッド・ミードさんが、昨年出版した書籍で、地球に災いをもたらすと信じられている惑星X「ニビル」が2017年10月に衝突と予言。
(2)8月21日、アメリカ大陸を横断した皆既日食「グレート・エクリプス」を考慮、カバラ的な独自の計算で9月23日がXデーであるとし、急遽、衝突時期を修正。
(3)さらに予定を変更し、衝突のXデーは10月21日で確定したと明言。
ややこしいのですが、地球滅亡ではなく世界の滅亡、しかも現在の世界の滅亡といった感じ。「10月の終盤に7年にわたる大混乱に突入する可能性があります。混乱の後は、1000年の平和が訪れるでしょう」「世界は終わりません。しかし、我々が知っている世界は終わります」などとしていました。
また、最近のニュースに乗っかたのか、「ニビルが地球に十分に接近した場合、太陽フレアの影響で数週間、あるいはそれ以上の長期にわたり電子機器が使用不可能になります」ともおっしゃっていました。以前から言っていた可能性もあるんですが、覚えたての知識を披露したって感じじゃないですかね?
オカルトはもともとあまり普段使われない難しめの用語を使いたがります。もっともらしく聞こえるためでしょう。また、最近話題になったものに乗っかるというのは、オカルトの他、ニセ科学や詐欺でも多用されます。ここらへんは似たところがありますね。
●地球滅亡の鍵となるマヤ暦とは何か?
2011/1/18:いつものように気になったニュースをざざっと読んでいると、
「2012年地球滅亡」 「マヤの予言」めぐり騒動続く 2011/1/16 J-CASTというものが。
これは以前調べた話です。記事には出てこなかったけど、なんかカタカナの言葉がこれに絡んでいたような……と思い、検索するとその言葉とは「アセンション」でした。
この「アセンション」は後述することにして、まずはマヤ暦の説明から。
マヤの人々は天体観測に優れ、非常に精密な暦を持っていたとみられており、主に二つのカレンダーを用いていた。
ツォルキン……一周期260日(13日の20サイクル)。宗教的、儀礼的な役割。
ハアブ……一年(1トゥン)を360日(20日の18ヶ月)とし、その年の最後に5日のワイエブ月を追加することで365日とする太陽暦。
ワイエブ月を除いたハアブ暦(360日)とツォルキン暦(260日)の組み合わせは、約13年(13トゥン)ごとに一巡する。さらにこれをベースとして4サイクルの約52年を周期とする 。このようなカレンダーの周期のことをカレンダー・ラウンドという。
また、紀元前3114年に置かれた基準日からの経過日数で表わされた、長期暦(ロング=カウント)と呼ばれるカレンダーも使われていた。
ハアブ暦の閏については、そのずれを調整していなかったものの、新月が全く同じ月日にあらわれるメトン周期(6939.6日)を把握し、1年を365日とした場合の季節のずれを認識していたと、神殿の彫刻などから考えられている。(以上、マヤ文明より)
●「マヤの予言」と「2012年地球滅亡」説
で、これだけだと特に何の問題もないんですけど、これに「2012年地球滅亡」「マヤの予言」が絡んできます。
最初の記事では、インターネットのブログで2012年に人類が滅亡するというマヤの伝説を根拠に「終末が近づいている」という警告や、「政府が何かを隠している」といった陰謀説が飛び交い、これらを大手メディアが取り上げたことで騒動になっている、という朝日新聞の11年1月9日付の記事を紹介しています。
また、西日本新聞は10年12月29日付けで、フランス南部の小村ビュガラッシュに世界各地の終末思想信奉者が「2012年の世界の終わりを逃れる聖地」として流入し、住民が困惑している、などと報道されたとのこと。
この2012年というのは、先程のマヤ文明の暦が紀元前3113年以降5125年を一つの周期にしていて、2012年12月21日で終了するからという説が由来です。高い文明を持っていた彼らが暦をこの日を最後にしたのはなぜなのかと議論になり、マヤ文明が栄えたメキシコ南東部ではUFOの目撃情報が多かったり、ピラミッドの中に「宇宙船」にそっくりな壁画があったりするため、古代マヤ人と宇宙人の関係なども取り沙汰され「滅亡」の話は大きくなっていったのだとか。
●「アセンション」とは何か?
そして、これにさらにアセンションの話です。
これは元々「昇る」という意味らしく、「The Ascension」で「キリストの昇天」を示す宗教用語となります。
ところが、
アセンション Wikipediaによると、ニューエイジ、新興宗教などでは、「惑星地球の次元上昇」を表し、人間もしくは世界そのものが現在の三次元からより高次元の存在へと進化することとされるそうです。そして、現在の地球の環境問題や混沌とした社会現象、人間の善悪に対する意識レベルの低下をその変化への前触れであると見なしているようです。
しかし、当然のことながら、この説はあまり支持されていません。
マヤ文明 Wikipediaでは、ニューエイジ関連の書物でマヤの長期暦は2012年の冬至付近で終わり、終末論と絡めた形でホピ族の預言も成就し、フォトン(光子)ベルトに突入する時期としているものが多いそうです。
しかし、このフォトンベルトというのは既に否定された説です。また、マヤの暦も現サイクルが終了すれば新しいサイクルに入るというだけで永遠に終わらないとされており、多くのマヤ文明の研究家たちも終末説を否定しているそうです。
この他に、カール・コールマン博士という方の計算によると「マヤ暦の最終日は2011年10月28日」との説もあり、本も出ています。
●マヤ文明の地では大迷惑?
また、最初の記事でも「12年12月21日以降に何が起きるのかという記述はない」とあります。
そして、09年11月15日放送のTBS系「日立 世界ふしぎ発見!」では、マヤ文明の現地にリーポーターが出かけ、マヤの末裔・キチェの人々や、マヤ歴を司るサセルドーテ(司祭)にインタビューしたところ、 12年12月21日以降に何が起こるのかどころか、「マヤの予言」さえ知っている人は少なかったとのこと。
勝手に滅亡だとかアセンションだとかにされると、現地の方も迷惑でしょう。
実際、テレビ東京で10年12月24日放送した「やりすぎコージー都市伝説スペシャル」では、現地でマヤ民族の血を受け継ぐ伝道者のアク・タさんが、マヤ民族が持つ知識が間違って世の中に伝わっていることを嘆いたそうです。そして、12年12月21日で暦が止まっている理由を、カレンダーが一つの周期を終え、新時代の幕開けを示しているものだと説明したとのこと。
「ねぇ、そうでしょ、そうでしょ」と思って読んでいたのですが、その「新時代」については、
13年以降に生まれてくる子供達のDNAが飛躍的に進化し、様々な分野でその才能を開花させる世界なのだとの説明でした。…あれ?この説明って、アセンションと結構近いものがありません?
ということで、アセンションを信じる方々はどうぞご安心ください。
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