2020/04/06:
●この普通のペンを売ってみて…という営業の面接は意味あるの?
●「オレにこのペンを売ってみろ」が素晴らしい質問である理由
●答えを覚えていれば誰でも合格できる面接って意味ないんじゃ…
●覚えていれば簡単な「ペンを売ってみて」の正しい答えとは?
●訪問販売で全米トップだったジグ・ジグラー氏もやっていた方法
●この普通のペンを売ってみて…という営業の面接は意味あるの?
2020/04/06:「今からこの何の変哲もないペンを売って見せてください。あなたならどう売り込みますか?」というのが、面接などで出ることがあるそうです。たぶん営業での力を特にみたいんだと思われます。また、単純にアドリブ力を見たいというのもありそうですね。
ただ、正直言うと、意味がない、企業のレベルの低さを示す面接方法ではないか?といった疑いも持ってしまいました。ものすごく意味がありそうで意味がない採用法としては、
グーグルがやめたフェルミ推定を今さらやる日本 電柱は何本ある?東京にマンホールは何個ある?といった質問の無意味さとのイメージの近さも感じます。
また、
普通の面接は無意味だった 就職後の業績がわかるのは構造化面接でやったように、そもそもほとんどの面接方法が採用後の仕事のパフォーマンスと相関性があまりないことが研究でわかっていますからね。以上のような理由から、役に立っている可能性は低そうに見えました。
●「オレにこのペンを売ってみろ」が素晴らしい質問である理由
ただ、実際問題、こういう一見意味がありそうな質問というのは好まれるために、面接で質問されることはあるでしょう。ということで、検索して見つけた
「オレにこのペンを売ってみろ」面接でこの質問をされたらどう答える? | ライフハッカー[日本版](2016.09.01)という記事を読んでみました。
記事は、これを良い質問だと高評価するスタンス。アホな採用をやっている…といった批判的なものではありません。作者によると、ダメなセールスマンと本物のデキるセールスマンをふるいにかける質問として、世界中で面接時に使われているテクニックだとのこと。また、以下のようにも書いていました。
<この質問はとても良い質問です。それは回答が難しいからではなく、むしろ簡単だからです。そして、もしあなたの会社の内定者が面接時にその答えを知らなければその人はおそらく営業の基本が分かっていないでしょう>
●答えを覚えていれば誰でも合格できる面接って意味ないんじゃ…
でも、答えを覚えていれば合格できる面接というのは、むしろ悪い面接だと私は思いますけどね。暗記系の問題であるのであれば、よりふさわしい採用方法があるでしょう。例えば、面接関係の本を読んだ学生が、みんな同じような自己アピールする…ということに、世間の面接担当者はうんざりしています。自己アピールを暗記系テストに…というのは望まれていないはずです。
自己アピールが暗記系科目になってしまって同じ答えばかりなので、そこで違いを出せる学生を選んでみる…といったこともこれにより起きています。ただ、これも結局、本当に仕事に必要な能力を持った人を選べているわけではない…というのが、前述の研究の結果でした。
あと、もし本当に知っているかどうかだけを調べるなら、テストで済ました方が効率的ではないかと感じます。ただし、研究によると、テストも意味のあるものとないものがあり、知識的なテストもイマイチかもしれませんね。就職後の成績と相関性が高いテストは、記憶力では対処しづらいIQ系のテストみたいでした。
とはいえ、営業はIQと関係しないという極めて特殊な仕事であるので、営業に関してだけ言えばIQテストは向かない感じですけどね。これは、
営業はIQが高い人は向かない?余計成績が悪いという研究がある 他の仕事では関係ない能力が営業では必要でやっている話です。
●覚えていれば簡単な「ペンを売ってみて」の正しい答えとは?
本当に仕事に必要な能力を持った人を採用できれば、会社に入って教えればすぐ覚えられそうなものなのですけど、作者が言う「営業の基本」がわかっていることと同じ意味になる「正しい答え」は、大体以下のようなものでした。
<もしペンを売り込みたければ、顧客に質問をする。相手にどのくらいの間ペンを探していたのか、どうしてペンが必要なのか、ペンを持つことでどんな利点があるのかを聞く>
もしあなたの会社の内定者が、そのペンが持っている他社にない強みなどを探すのではなく質問をし始めたらその人は営業の基本が分かっていると判断して間違いないでしょう、としていました。
●訪問販売で全米トップだったジグ・ジグラー氏もやっていた方法
訪問販売で全米トップの成績を収め、現在は作家となっているジグ・ジグラーさんも、インタビューアーに灰皿を売るように言われた際に、「売る前に、どうしてあなたがこの灰皿を欲しいのか知る必要があります」と聞いていたそうです。
さらに、「でもこの灰皿にあなたがどのくらい価値をつけるか教えてくれないと」と続けて、「20ドルくらいじゃないでしょうか」と価格まで言わせて、「商談成立ですね」などとやっていました。
ただし、この質問の類型では「何の変哲もない普通のシャープペンを1万円で売ってみせろ」みたいな無茶振りするものもあり、上記の方法では使えません。そして、これはさらに意味ないんじゃないんか?って質問ですね。不毛な面接に膨大な時間が使われ、なおかつその面接を元に能力の低い社員を採用している可能性があり、心配になります。
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