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ハム業界の陰謀で加工肉の発がん性うやむや 亜硝酸ナトリウムという添加物が悪いという主張


 タイトルの時点で陰謀論くさくって腹が立っていたんですが、読んでみると想像以上にめちゃくちゃな話で本当頭にきました。

ハム業界の逆襲でうやむやに…加工肉発がん性問題の真相|ニュース3面鏡|ダイヤモンド・オンライン(窪田順生 [ノンフィクションライター] 2015年11月18日)


●ハム業界の陰謀論を唱える作者

 作者の窪田順生さんの話は過去にも複数読んでいます。で、社会系の話が主流であり、発がん性みたいな話は完全に専門外です。お前は黙ってろ!という話。

 とりあえず、陰謀論の部分から紹介しますが、そもそも今回の発表が誤解を招いたためにフォローしているというのは、ハム業界だけではありません。
 10月26日、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が、ハムやベーコン2~3枚分(50グラム)を毎日食べ続けると、がん発症率が18%高まるというデータを示し、「ヒトに対して発がん性がある」という評価を公表したのは記憶に新しいが、今度はお歳暮商戦が目前に迫った大手加工肉メーカーが、相次いで「ネガ情報に対するカウンター」を打ち出している。(中略)

 こういう報道を見るたび、毎日ベーコンやらソーセージやら、なにかしらの加工肉を食している身としては「ですよねえ」と胸をなでおろしているのだが、そういう個人的嗜好を差っ引いて、ここまでの論調を客観的に振り返ってみると、加工肉業界側の緻密な「広報戦略」の存在に気づく。

 どのようなものかというと、IARCの公表に対してただ闇雲に反論をするのではなく、微妙な「論点ずらし」をおこない、時間が経過するにつれてまったく異なる話題へ見事にすり替えるという戦略だ。

●WHO自身が風評被害防止に努力

 過去に書いたように、国立がん研究センターなどの専門機関が見解を発表している他、WHO自らが事態の沈静化をはかっています。ハム業界だけが注意喚起しているのではないのです。

 窪田順生さんはハム業界が異なる話題へのすり替えを行っているとしていますが、そういったすり替えを行っているのは窪田さんの方です。

  ■日本の食品安全委員会、加工肉・食肉の発がん性リスク高を否定 WHO・IARCの発表への見解
  ■日本人の平均的な肉の摂取量なら発がん性リスク小 国立がん研究センターも見解発表
  ■発がん性問題:WHOも肉にメリットと回答 魚・鶏肉食べ過ぎも不健康になる理由


●「亜硝酸ナトリウム」という添加物が悪いという主張

 タイトルの時点では想像つかなかったのですが、「加工肉発がん性問題の真相」というのが思った以上にひどくて呆れました。誰もそんなこと言っていないだろうというのを、突然持ち出してきています。
 細かい程度はわからないが、発がん性があるよというわけで、そこで「容疑者」として挙げているのが、「加工や調理の過程で生成される化学物質」だ。名指しはされぬものの、これが「亜硝酸ナトリウム」だというのは容易に想像できる。

 加工肉が黒ずむのを避けて美味そうな艶を出す発色剤「亜硝酸ナトリウム」単体は発がん性物質などではない。ただ、魚などに含まれるアミン類と反応すると発がん物質となるという研究もあって、1970年代から加工肉批判の根拠とされている。そんなトラディショナルな疑惑をIARCが蒸し返しているのは、牛肉や豚肉という「加工前の肉」が「発がん性がある」と評価されていないことが大きい。要は、肉に問題がないのなら、加工時につけられる添加物がクサいという消去法である。

 こういうIARC公表の「真意」を受け取れば、普通の感覚では「添加物」に関心がいく。しかし、どういうわけかほとんどのメディアが「公表結果を鵜呑みにするな」とか「業界は猛反発している」などというポジショントークに終始しているのだ。ぶっちゃけ、かなり不自然だと言わざるをえない。

●発がん性物質は家庭の調理でも発生

 これも都合の悪い情報を隠蔽して、話をミスリードしているというものですね。

 まず、"「加工前の肉」が「発がん性がある」と評価されていない"は本当ですが、「発がん性がない」とされたわけではありません。しかも、加工の有無への言及はないものの豚肉・牛肉などの肉自体(赤肉)が「発がん性がおそらくある」と、今回いっしょに発表されています。

 また、市販の加工肉だけでなく、家庭の調理でも発がん性物質が多量発生 ハム・ソーセージだけの話という誤解でやったように、未加工の食肉を家で調理しても発がん性物質が発生することが今回報告されています。(22:40追記:ひょっとしたら、上記と同じことを意味しているのかもしれません)

 上記の解釈には全然繋がらない情報ばかりです。なのに、添加物や「亜硝酸ナトリウム」なんてWHOが言っていないことを勝手に捏造して…本当、腹立ちますわ。


●「食事はバランスが大事」は無関係という主張

 以下も、お前は馬鹿なんだから黙ってろという話。
 そういう市場の現実や消費者の健康志向をふまえれば、「添加物」の是非を問う記者がひとりくらいたっていいのだが、みなさん気持ちがいいくらいにスルーしている。なかには、「食事はバランスが大事」とか本題とあまり関係のない結論へ誘導するメディアもある。

●食事バランスが大切な理由

 しつこく書いてきたように、食事のバランスは当然関係があります。窪田さん自身が冒頭で"ハムやベーコン2~3枚分(50グラム)を毎日食べ続けると、がん発症率が18%高まる"と書いているように、摂取量が関係あるためです。

 窪田さんは今回、赤肉の発がん性の疑いを隠すやり方をしてしまったためわからなくなっていますが、加工肉以外の肉もまた食べすぎるとがんになる確率が上がると、同時に発表されていました。

 これらの量は一日に食べる肉の量としてはちょっと多く、バランスが悪いと考えられます。ですから、肉ばかり食べ過ぎない=バランス良く食べるということで、たいへん大事なことになってきます。

 なお、日本人の平均的な肉の摂取量なら発がん性リスク小 国立がん研究センターも見解発表で書いたように、日本人で食べ過ぎている人は少ないです。日本人の平均的な摂取量は、加工肉以外も含めて63gでした。これでしたら問題ないというのが、国立がん研究センターの説明です。

 また、発がん性問題:WHOも肉にメリットと回答 魚・鶏肉食べ過ぎも不健康になる理由では、もともと肉を適度に食べていてなおかつ魚の摂取量が多い日本人が肉の摂取量を減らした場合、死亡率が余計高まる可能性についても書きました。肉と魚をバランス良く食べるのが理想的なのです。


 面倒くさくなったので、以上。4割しか読みませんでしたが、それでもこれだけ問題があります。窪田順生さんはもう筆を折った方が良いというほど、ひどすぎでした。


 関連
  ■日本人の平均的な肉の摂取量なら発がん性リスク小 国立がん研究センターも見解発表
  ■日本の食品安全委員会、加工肉・食肉の発がん性リスク高を否定 WHO・IARCの発表への見解
  ■発がん性問題:WHOも肉にメリットと回答 魚・鶏肉食べ過ぎも不健康になる理由
  ■市販の加工肉だけでなく、家庭の調理でも発がん性物質が多量発生 ハム・ソーセージだけの話という誤解
  ■WHO・IARCが発表の加工肉の発がん性リスク、喫煙と同じは嘘 ベーコン・ハム・ソーセージなどや赤身肉の危険性
  ■加工肉は喫煙だけでなく、太陽光とも同じ発がん性のグループ
  ■食べ物・飲み物・嗜好品についての投稿まとめ

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