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グーグルの採用条件は「自分より優秀」 上司の評価を軽視する人事評価制度


 最初の投稿時は、"グーグルが大企業病にかからず、ベンチャー精神を保っている理由"というタイトルでした。このときには、日本のベンチャー企業の経営者での似たような話も、いっしょに紹介していました。(2015/12/5)

 その後、グーグルに関する別の話を読んだので、"グーグルの採用条件は「自分より優秀」 上司の評価を軽視する人事評価制度"として追加。タイトルもそちらに改めました。(2017/04/28)

●グーグルが大企業病にかからず、ベンチャー精神を保っている理由

2015/12/5:グーグルのラズロ・ボック人事担当上級副社長のワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変えるという本の紹介記事が、ありました。

 紹介記事のタイトルはなぜ、グーグルは社員が自ら120%で働くのか? ~『ワーク・ルールズ!』(ラズロ・ボック著)を読む|ダイヤモンド・オンライン(文/情報工場 シニアエディター 浅羽登志也 2015年10月10日)というもの。

 実際にはグーグルも大企業病の症状が見られているとの指摘が、最近ちらほらあります。ただ、グーグルが比較的ベンチャー精神を保つことができている理由について、記事では以下のようにまとめていました。
 本書に書かれているもっとも重要なメッセージは、「採用がすべてだ」ではないかと思う。Googleのように現場主導で発展する企業をつくるために、いちばん重要なことは、企業のミッションに適した人材を集めること、そしてその人材に120%の力を発揮させることなのではないか。(中略)

 本書でGoogleのことを知るにつれ、かつて私が立ち上げから参画したIT企業のことが思い返される。そこでは、初期の頃、皆、嬉々として120%以上働いていた。(中略)

ミッションを明確に持つことがいかに大事かということと、そのミッションに対して120%コミットして働ける人材を時間とコストをかけて採用すること。そして集まった者たちが力を発揮しやすい環境を徹底的に考えて整え、仕組み化すること。それが社員が自由闊達に働く、楽しい会社をつくる秘訣のようだ。

●競争相手とも見られていなかったリブセンスの「ジョブセンス」

 最初この話はそれほど興味を持っていなかったのですが、昔読んだ別記事のメモをちょうど見たために、大事かもと思い直しました。

 その記事というのは、Talknote(トークノート)というサービスの小池温男社長のもの。しかし、私がおもしろかったのは、かつてやっていた失敗事業の方です。
共通価値観が浸透した“いい会社”とは?トークノート・小池温男さんに聞く | 東京IT新聞 2013年9月7日(土) 07:00

 過去にアルバイトの求人で苦労した経験から、06年に完全成果報酬型の求人サイト「ラピジョブ」を立ち上げた。(中略)

 リスクなく掲載できる成果報酬型求人サイトは、採用担当者の支持を得て順調に掲載企業を増やしていた。

 成果報酬型求人サイトと言うと、今はジョブセンスというのがあり、運営しているリブセンスがトップ企業で東証一部上場を果たすまでに成長しています。小池温男社長も当時「競合調査をしていた時に『ジョブセンス』というサイトを見つけ」たそうです。

 で、何が一番おもしろいかと思うと、このジョブセンスが当時は全然大したサービスに見えなかったことです。

「当時はサイトにバグが多く残っていたり、情報量が少なかったりとあまりいい状態ではなかったので、特に競合視していなかったんです。運営しているリブセンスの村上太一社長と会って情報交換をしてみると、彼らは大学生が3~4人でやっていて資本金は数百万で、まだ会社を作ったばかりとのこと。僕らはリリース当初から総勢20人くらいのスタッフでやっていたので、従業員数や事業にかけているお金、経験、どれをとっても僕らの方が有利。だから負けるわけがないと思っていました」


●圧倒的有利だと思われたラピジョブが逆転されて、倒産危機に

 "求人情報サイトの善し悪しは「(求人案件の)質×量」で決まる"そうです。大したことないと見たように、これも"当時、小池さんが運営していたラピジョブとジョブセンスでは、前者の方が求人件数が多かった"とのこと。相手になりません。

 ところが、"この後どんどんジョブセンスの求人件数が増加。ラピジョブの求人件数を追い抜き、評判も高まって"きます。逆転されてしまいました。

 同じ頃に、ラピジョブは別の危機にも陥ってしまいました。社員の1人が突然の退職宣言。それを皮切りに、1人また1人と去っていき、20人近くいた従業員は、1人を残して皆いなくなってしまったのです。開発者も営業担当者もいなくなってしまった社内。一気に倒産の危機にまで直面してしまいました。


●価値観も目標もないから失敗した

 この理由について、小池温男社長はジョブセンスとの競争やサービスの内容などの問題ではなく、社内の問題だという分析をしていました。

「問題の根幹はコミュニケーションにあったと思っています。うまくコミュニケーションがとれていなくて、共通の価値観も目標も全く浸透していなかった。(中略)僕が発信していかなければいけない思いも、みんなの考えていることも、成果や目標に対する進捗、顧客の声、クレーム、問題なども何も共有できていなかった。みんな頑張っているのに頑張る向きがバラバラだから全然結果に繋がらない。会社の雰囲気、人間関係も悪くなってきて、みんな会社にいるのが嫌になってしまったんだと思います」

 ミッションを明確に持つことが大事というグーグルの話と重なるものがあり、2つ合わせて見るとおもしろいと感じました。


●グーグルば採用を何よりも重視する理由

2017/04/28:グーグル関係の投稿に追記…と思ってこれにしたら、あまりグーグルの話がありませんでした。ただ、ちょうど同じ書籍に関するものでしたので、最初のところと内容は似た部分があります。

 まず、楽しく力を発揮するということに関して、"グーグルが「もっとも働きたい会社」ランキング上位の常連になっているのは、給料が高かったり、全社員に株式が与えられたり、福利厚生が充実していたり、美味しい社員食堂があったり、会社のなかをジャグリングしながら一輪車で走り回ったりできるからだけではない"という指摘。

 そうではなく、グーグラーになれば、自分が「世界を変えている」という実感を持つことができるという「内発的動機づけ」こそが、グーグルの魅力の核心なのだとしていました。

 また、私が紹介したいと思ったのは、「採用がすべてだ」の関連。グーグルが採用を重視するのは、以下のどちらのコストパフォーマンスが良いかを考えればわかります。

A 上位10%以内の人材を雇う。彼らはすぐに素晴らしい仕事をはじめる。
B 平均的な人材を雇ってトレーニングする。彼らはやがて、上位10%の人材と同じ成果をあげるようになる。

 一方で、グーグルでは、パフォーマンスが期待を下回ってもただちに解雇されるわけではないそうです。ただし、これも人情のようなものではなく、経済的合理性のため。

 先程のABを比較すると、既に人材を雇っている場合は、Aの「新たに雇う」より、Bのトレーニングを選んだ方が良いということがわかります。これが理由でした。…こういう判断を冷たいと思う人もいるかもしれませんが、私は大好きな考え方。筋が通っています。
(「世界を変える人材」をどう採用し、成果を出すのか?[橘玲の日々刻々]|橘玲の日々刻々 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン 2015年12月17日より)


●グーグルの採用条件は「自分より優秀」  上司の評価を軽視する人事評価制度

 ただ、私が一番おもしろいと思ったのはここではなく、採用の原則が「自分より優秀なひとだけを雇う」というもの。最高の人材を求めている以上、候補者の能力が自分より劣っているようでは意味がないと考えるのだそうです。

 マネージャー(管理職)を採用する際、彼が指揮するはずの部署のスタッフ(将来の部下)が面接するとも書かれていたので、部下が上司を選ぶ場合なら、「自分より優秀」はそれほど違和感ないでしょう。ただ、「原則」なので、上司が部下を採用する場合にも、この方針が適用されるということなのでしょう。

 日本の企業では、「部下が使えない」などと愚痴をこぼしつつも、優秀すぎる部下が来ると潰されることがあります。私のいた会社でも、上司にえらく辛く当たられる新人がそういう目に合っていたのではないか?と、ある先輩が推測していました。できすぎてもダメなのです。たぶん上司の手足となって動く従順な奴隷みたいなのが、理想なのでしょう。

 なお、このエピソードにも関連するおもしろい話が、グーグルは部下の評価に関し、直接的な上司の情報を重視しないということ。同僚の評価も重視するというのもありますが、これだけならよくあるものの。すごいと思ったのが、別のグループの上司も評価に加わるということで、業績評価だけでなく、昇進に関してまで直属の上司以外を含めた集団での評価になるのです。

 グーグルは常にそのやり方が正しく機能しているかをチェックして改善を加えていますので、おそらくこの方法の方が精度が高いということなのでしょう。このやり方は自分の力で部下を引っ張り上げる制度に慣れた他社からの転職者には評判が悪いようですが、特定の上司が力を持ちすぎる制度は良くないというデータが出ているのだと思われます。

 先の採用の場合にも実は同様で、その部門とはまったく関係のないグループも面接し、すべての評価(フィードバック)がデータ化されて採用委員会に送られています。この場合には、統計解析の結果、一人の評価が「集合知」を上回ることがほとんどないとわかったからだ、と明記されていました。業績評価も同様だと予想されます。


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