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B-1グランプリ、巨大化・商業化の弊害で退会団体続出 小倉焼うどん,みしまコロッケ,姫路おでんなど


 B-1グランプリに問題が見られるという話…なのですが、その前にまず好意的な記事から。

●まちおこしとして成功しているB-1グランプリ

 検索かけてポジティブな話はこれがいいかな?と思ったのが、地方を救う「B-1グランプリ」(後編)…グルメだけじゃない : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)(2015年10月30日 09時55分)。

 ただ、よく見てみると、書いているのは愛Bリーグ事務局長の俵慎一さんのようです。第三者が褒めているわけではなく、自画自賛の格好でした。
 来年2016年は本大会を休み、17年に11回大会を開くことを十和田大会の閉会式で発表した。代わりに来年は地域の情報発信を、首都圏でのイベントを通じて行うことを考えている。来年のイベントはB-1グランプリ本大会ではないが、B-1グランプリ的な楽しさで愛Bリーグ加盟団体が中心となり、地方の魅力を伝えるイベントにする予定だ。

 また11回大会以降も「地方都市での開催」「地域資源として集客力の定着してきたご当地グルメを旗印にするまちおこしイベント」という基本コンセプトは変わらない。来年のイベントでの地域情報発信の新たな試みをきっかけとして、11回大会以降、新しいテーマの地域資源をエッセンスとして加え、今まで以上に地方の魅力を発信できる「壮大な装置」として、B-1グランプリを進化させていきたい。引き続きB-1グランプリと愛Bリーグ加盟団体を注目していただきたい。

●B-1グランプリ、巨大化・商業化の弊害

 B-1グランプリが成功しているのは間違いありません。"第1回大会には1万7千人"だったのが、"数十万人を集めるまでに成長"し、イベントとしても巨大化しました。ただ、この巨大化による問題や、イベントの影響力が強くなりすぎたことによる傲慢さのようなものが指摘されていました。

 まず、巨大化による問題。来場者が増えているので、さぞかしみんな儲かっているのかと思いきや、参加団体はかなり苦しいようなのです。
古豪の退会相次ぐB―1グランプリ 10年目の曲がり角:朝日新聞デジタル 吉田啓 2015年12月5日13時53分

 ショウガ醬油(じょうゆ)をかけた独特の食べ方をする「姫路おでん」でまちおこしをする「姫路おでん普及委員会」(兵庫県姫路市)は市からの助成金が14年度に打ち切られたのを機に、愛Bリーグを退会した。

 グランプリでは1日数千食を提供するため20人前後の人手が必要だった。ボランティアを募っても交通費や宿泊費などで数百万円を要した。原価200円のおでんを400円で4千食売っても大きな赤字が残り、助成金なしでは立ちゆかなくなった。代表の前川裕司さん(60)は「身の丈に合った活動に戻ろう」と退会を決め、おでんでまちおこしをはかる各地の団体などと協力し、年1回、おでんサミットを開催している。

●B-1グランプリ事務局が各団体の開発商品から売り上げの一部を徴収

 より深刻なのは、傲慢さかも?という話の方。「事務局の運営に違和感を覚えるようになった」と退会した小倉焼うどん研究所代表の竹中康二さん(47)は、以下のような話をしていました。
 違和感を覚え始めたのは、(中略)リーグ事務局がブランド管理を強化するようになってからだ。

 例えば、各団体が食品メーカーやコンビニと商品を共同開発して販売する場合、「B―1グランプリ」のロゴを入れて、愛Bリーグとその団体に売り上げの一部が支払われる契約を結ぶよう求められた。

 「B-1グランプリ」のロゴを入れる場合は使用料を支払うというのはわかりますが、上記の書き方だと必ず入れるようにというものです。


●各団体の頂点にB-1グランプリ事務局が君臨して口出し

 また、"地域でご当地グルメでのまちおこしに取り組む、愛Bリーグには加盟していない団体と協力しあう組織を立ち上げたときは、「愛Bリーグの理念を理解していない団体との活動は好ましくない」と注意を受けた"と言います。B-1グランプリ以外の各団体の活動にも、影響力を与えるようになってきました。

 さらにあり得ないと思ったのが、「代表の交代を」とまで言われるようになったという話。完全に各団体は事務局の下部組織という扱いです。


●干渉が強すぎるB-1グランプリ事務局

 「小倉焼うどん研究所」(北九州市)は、"1回から欠かさず参加を続けてきた"という最古参で、今年6月の退会でした。

 一方、"09年に初出場"した"地元名産のジャガイモを使ったコロッケでまちを売り出す「みしまコロッケの会」(静岡県三島市)"は、参加して数年で退会(12年8月に退会)しています。

 2年連続で入賞しており、料理の評判が悪かったわけではありません。「愛Bリーグと目指す方向性の相違がある」という理由だとしていました。
 副会長の渡辺靖乃さん(50)は「愛Bリーグの厳しい運営方針についていけなくなった」と話す。例えばテレビ局の取材を受ける際、地方局なら個々の団体が、キー局なら愛Bリーグが対応することになるが、判別が難しいときもあり、取材を受けて注意されることもあった。

 1日数千食を提供するB―1グランプリで、協力してくれる地元業者中心のブースを出した際も、「特定の業者が中心となると、まちおこしが広まらないこともある」と注意された。

●他にも退会団体が続出

 なお、これ以外にも退会があるようですね。Wikipediaには、"2012年以降、愛Bリーグ本部との考え方の違い等を理由に、「厚木シロコロ・ホルモン探検隊」や「久留米焼きとり文化振興会」といったB-1グランプリ初期から参加してきた団体が愛Bリーグから退会するケースが見られる"とありました。

 ただ、このうち、「厚木シロコロ・ホルモン探検隊」は朝日新聞によると、"「厚木と言えばシロコロ」と言われるように普及をはかるという当初の目的が達成されたため"ということで、円満退会のような感じです。

 一方、「久留米焼きとり文化振興会」については、以下のような記述を見つけました。(会員資格の厳格化そのものは、趣旨と異なる団体の排除、より巨大化するのを防ぐためなどで必要とは思いますが)
「B-1グランプリ」が曲がり角に来ている件 - 日本一“熱い街”熊谷の社長日記 2012-10-22

何でもそうですがプロジェクトが巨大化すれば、当然そこには利権が発生するわけです。具体的には、優勝することによる利権もさることながら、上位入賞の利権、さらには正会員、準会員というヒエラルキー創造による愛Bリーグ加盟そのもののハードルを高くしての正式加盟の利権まで発生しており、そんな中、主催者側との運営を巡る考え方の相違から、「三島コロッケ」「久留米焼き鳥」など愛Bリーグを脱退する有力団体も相次いでいると聞きます。

●町おこしという当初の目的が変質し競技大会に?

 事務局以外の話も…と検索すると、Wikipediaでもあった"経済効果や地名度の上昇にあたり競争意識が生じ見本市やフェスティバルイベントから競技大会となりつつあり"に触れているブログが見つかりました。
B-1グランプリはB級グルメ日本一を決める大会ではない|気になることを調べてみましょう 2015-03-05 12:41:21

愛Bリーグの入会資格は、「食のまちおこしを通じて、地域を元気にしようという志を持ち、一定の活動実績がある団体であること。」となっています。企業や飲食店などが営利を目的として入会することはできません。(中略)

B-1グランプリでは、箸を投票することによってグランプリを決めています。これは、どの料理がグランプリなのかを決めるのではなく、どの町おこし団体がグランプリなのかを決めています。(中略)

B-1グランプリが町おこしの イベントであることを来場者のどれくらいの人が理解しているのか疑問です。料理の善し悪しだけでどこに投票するのかを決めている人が多いと思います。主催者側は町おこしのイベントだと主張していますが、グルメイベントだと言われても仕方ないかもしれません。

●俵慎一事務局長は反論せず

 朝日新聞であった事務局への批判的な話についてですが、これらは一方的な退会団体側の言い分なので注意が必要です。

 ただ、俵慎一事務局長は「退会した団体に反論はしない」とのこと。潔い感じではあるものの、各団体への干渉が事実だと認めたとも受け取れます。

 それでも、「愛Bリーグはご当地グルメでまちおこしに取り組む互助団体。ルールはすべて参加団体による話し合いで決めており、当初からの理念は基本的に変わっていない」と、理念は変質していないとは主張していました。

 ちなみに俵慎一さんは、「みしまコロッケの会」と同じ2009年から事務局長とのことで、初期からのメンバーではないかもしれません。(以下は、読売新聞の経歴より)
 1965年千葉県生まれ。東北大学工学部電子工学科卒。リクルートで新卒採用、求人情報誌事業、旅行情報誌事業を10年間担当し、98年に独立。数千軒に及ぶ全国各地の食べ歩きで日本中のご当地グルメに精通するとともに、「長崎さるく博」「ほんもの体験フォーラム」をはじめ、各地の地域活性化事業に携わる。09年より愛Bリーグ事務局長就任、11年より(社)愛Bリーグ本部専務理事。食によるまちおこしに関わる講演・執筆を手掛ける。

 こうやって巨大化し、商業化することで弊害が生まれるというのはありがちなんですが、やっぱり気分の良い話ではありませんね。


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