●外食より自炊が健康的というのは思い込み 不健康になりやすい理由
2015/12/7:今回紹介するのは、
「外食より手料理が健康的」という常識の落とし穴|男の健康|ダイヤモンド・オンラインという記事。記事のトーンもちょっとどうかな?と思いますが、外食より自炊が健康的というのは思い込みであること、自炊にも不健康になりやすい弱点があることは、賛成できます。
健康的な食べ物というのが世の中に存在して、それを食べると健康的になるわけではありません。私はしつこく書いていますが、問題はバランスです。で、自炊が不健康に繋がってしまうおそれがあるというのも、この偏りの問題です。
記事の場合、作者の笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー] さんが<自炊の落とし穴は、摂る食材が偏りがちになることでしょう>という書き方をしていました。その前に<自炊がリスクの誘因になる、なんてことはなかなか想像しない方が多いと思います>と書いており、確かに意外だろうと思われます。
●意識の高い食生活を送っているのになぜか体の調子が悪い人の理由
個別の例であり、あまりこれを強調するのはどうかな?と思いますが、それも一応紹介しておきましょう。意識の高い食生活をしているの体調が良くないという方の例です。
奥様と二人暮らしのAさん(42歳)は、健康志向の高い奥様のおかげで、食事のほとんどは手料理、という方だとのこと。会社には毎日お弁当を持参。お酒もあまり好きではなく、付き合い以外は飲みません。これで健康でないわけがない!というような恵まれた条件ですが、“目の下のクマ”“頭痛”“疲労感”がありました。
“目の下のクマ”“頭痛”“疲労感”とくると、鉄分がしっかり摂れているかどうかが気になるところ。食事カウンセラーである作者の笠井奈津子さんが、1週間分の食事記録をみても、赤身のお肉の登場回数が2回、貝類が0回…となっていたことから、鉄分不足が疑れるものでした。
ただ、これを指摘したところ、「あ!食事記録に書いていないんですけど、毎朝、プルーンを5個も食べています!」とのこと。むしろかなり食べていたんですね。ところが、これが最初にも書いたように「偏り」になっています。健康そうなプルーンをたくさん食べているから良い…ではなく、むしろ偏ってダメということです。
笠井奈津子さんは、植物性食品に含まれる鉄は、動物性食品に含まれる鉄に含まれる鉄よりも吸収率が低いうえ、手でさわるとべたつくくらい甘いプルーンを毎日そんなにたくさん食べていたら、糖分を摂りすぎていないかが気になるとしていました。同じ植物性食品由来でも分散させるべきとも指摘しています。
●外食が健康的という意味でもない 同じ食材は続けないことが大事
さて、バランスが問題!ということですので、外食や中食ばかりしていれば健康…という意味では、もちろんありません。ただ、自炊だとついつい同じようなものを買ってしまうということが起きやすい…という話ですね。ですから、外食で同じものばかり食べているという人は、やっぱり要注意です。
記事では、過去形で「“一日に30品目食べましょう”と言われていた時代がありました」と紹介していました。これも一日に30品目食べると健康だと言い切れるわけではないものの、食べる品目が少ないときよりも栄養素が分散しやすくなるとは言えます。可能性の問題ですね。
そうは言っても、いろんな食品を買うというのは難しいでしょう。特に一人暮らしにはキツイ話ですよね。"食材を食べ切ることを考えると、何品もストックしておくわけにはいかない"ためです。そこで、作者は、“買い物をするときには1/2は前回とは違う食材を選択する”というルールを紹介していました。
私は肉・魚・野菜をキッチンスケールで測って調整していますが、それ以外にもこのルールと似たようなこと(もう少し厳しめ?)をしています。同じ野菜が冷蔵庫にある間は買わないようにしていますし、食べ終わったとしても次回の買い物は必ず別のものを買うようにしています。1人暮らしなので食べ終えるまで同じ野菜を食べ続けるのは仕方ありませんけど、その後は必ずしばらく食べない期間を設けているわけです。
●肉は食べずに魚、ヘルシーだから鶏肉ではなく、偏らないように…
さらに私は野菜以外に、肉・魚でもこの野菜の考え方と似たようなルールを適用しています。牛肉は悪い肉で、それより豚肉がよく、鶏肉が一番良いみたいな主張が世の中にはありますが、鶏肉ばかり食べていたら、それも十二分に偏った食べ方だと言えるでしょう。
先の記事の作者である笠井奈津子さんも「牛肉を食べる頻度はどのくらいですか?」と聞くことがあるようです。"タンパク源を何から補給するか…といった面から見ただけでも、どうやら偏りがありそうですよね"とも書いており、やはり同じ肉ばかり食べるのも望ましくないということでしょう。
最近久しぶりに買ってきたものの、正直言うと、私も牛肉を買うのはついつい尻込みしてしまいます。ただ、最低限、豚肉・鶏肉の両方を用意して極端に偏らないように食べていますし、食べ終えた場合は同じ鶏肉・豚肉であっても、同じ部位を買わない期間を設けて、多様性を持たせています。
魚も同様ですが、こちらは種類が多いので部位ではなくて、ちゃんと2,3種類用意しておくのは簡単です。そして、食べ終えたときはやはり、同じものは買わない期間を作っています。肉はあまり使いませんが、魚だと缶詰もありますので、バラエティを増やしやすくて簡単ですね。
とりあえず、私の場合はもうちょっと牛肉を食べる機会も増やそうかな…と反省しました。
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