●日本人ノーベル賞候補に長谷川成人(医学)・谷口尚・渡辺賢司(物理)
2022/09/25:英科学情報会社「クラリベイト」が、学術論文の引用回数などを基にしたノーベル賞有力候補者を発表。
ノーベル賞有力候補 日本から長谷川成人氏ら3人 英情報会社 毎日新聞 2022/9/21 16:00によると、2022年は20人で、うち3人が日本人でした。かなり高い確率ですね。
・東京都医学総合研究所の長谷川成人(まさと)氏 (医学・生理学)
<筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの病気の進行につながるたんぱく質を発見した>
・国立研究開発法人「物質・材料研究機構」の谷口尚(たかし)氏と、渡辺賢司氏 (物理学)
<「六方晶窒化ホウ素」と呼ばれる物質の結晶を高純度で作ることに成功した。六方晶窒化ホウ素は、量子コンピューターなどへの応用が期待される「グラフェン」という物質の研究に欠かせない>
グラフェンと聞くと、
グラフェンナノリボン論文撤回 名古屋大伊丹健一郎教授らの研究を思い出します。日本が得意そうな分野であるとともに、競争が激しそうな分野でもあり、海外の研究者による画期的とされる研究の発表もありました。注目分野であるがために、論文引用数が多く、ノーベル賞有力と言えるのでしょう。
●世界で初めてタウのリン酸化部位の同定に成功していた長谷川成人氏
長谷川成人さんの経歴を検索してみたのですが、意外なことにわかりやすい経歴が見つからず。見つけた中では、以下のインタビュー記事のときのプロフィールが比較的良さげです。このときの肩書は、「公益財団法人 東京都医学総合研究所 認知症・高次脳機能研究分野 分野長」。「プロジェクトリーダー」としているサイトもあります。
<1986年筑波大学大学院修士課程修了。化学系企業勤務ののち、1988年に東京都老人総合研究所で非常勤職としてアルツハイマー病の研究に携わる。世界で初めてタウのリン酸化部位の同定に成功し博士号を取得。93年東京大学医学部脳研究施設助手。95年英国MRC Labotatory of Molecular Biologyに留学、ミシェル・ゴダート (Michel Goedert)教授に師事。99年東京大学大学院薬学系研究科講師。2001年東京都精神医学総合研究所分子神経生物部門長。2013年より現職。タウ、αシヌクレイン、TDP-43など、細胞内タンパク質の構造異常と神経変性疾患の発症機構解明、治療に関する研究を行っている>
(
第5回 | フクロウ博士の森の教室 シリーズ2 脳の不思議を考えよう | 中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室より)
●ネイチャーで「最も多作の研究者」として紹介された谷口尚氏の経歴
国立研究開発法人「物質・材料研究機構」の谷口尚(たかし)さんと、渡辺賢司さんについても経歴探し。谷口尚(たかし)さんは以前も紹介したような気がしていたのですが、ブログ内検索しても出てきませんでした。
谷口尚 - Wikipediaによると、渡邊賢司さんと共著者となった論文を多数発表し、ネイチャーに「最も多作の研究者」として紹介された方だそうです。
・谷口尚(たかし)氏の経歴
<1982年東京農工大学工学部工業化学科卒業[1][2][1]。1984年東京工業大学修士[3]。1987年東京工業大学大学院総合理工学研究科材料科学専攻博士後期課程修了、工学博士[1]。
1987年東京工業大学工業材料研究所研究生。同年東京工業大学工学部無機材料工学科助手[2][4]。
1989年科学技術庁無機材質研究所主任研究官。1994年ロンドン大学地球惑星科学科滞在研究員。2001年物質・材料研究機構超高圧グループグループリーダー[2][4]。
2015年日本高圧力学会会長[4]。2018年物質・材料研究機構フェロー[5]。2019年国際高圧力科学技術連合(AIRAPT)副会長[4]>
(
谷口尚 - Wikipediaより)
・渡辺賢司氏の経歴
学歴
2007 年 3 月 同志社大学 工学部 機能分子工学科 卒業
2009 年 3 月 同志社大学大学院 工学研究科工業化学専攻 博士前期課程 修了(指導教員:加納 航治 教授)
(この間、2008 年 3 月‒2008 年 8 月 アメリカ合衆国スタンフォード大学 交換留学)
2012 年 3 月 同志社大学大学院 工学研究科工業化学専攻 博士後期課程 修了(指導教員:加納 航治 教授)
博士(工学)
職歴
2012 年 4 月‒2013 年 2 月
同志社大学 高等研究教育機構 助手(研究室主宰者:加納 航治 教授)
2013 年 3 月‒2018 年 3 月
九州大学大学院 薬学研究院 環境調和創薬化学分野 特任助教(研究室主宰者:大嶋 孝志 教授)
2018 年 4 月‒(現職)
国立研究開発法人理化学研究所(RIKEN)生命機能科学研究センター(BDR)分子標的化学研究チーム 研究員
(
PDF 渡邊 賢司(わたなべけんじ) - 生命機能科学研究センターより)
【本文中でリンクした投稿】
■
グラフェンナノリボン論文撤回 名古屋大伊丹健一郎教授らの研究【関連投稿】
■
ペロブスカイト太陽電池で宮坂力氏がノーベル賞候補 韓国人も候補で実用化では日本出遅れ ■
ノーベル賞候補に中村祐輔と藤田誠…東大が期待してるのはどっち? ■
韓国のノーベル賞予想で有力な玄澤煥教授が受賞が難しい理由 ■
ノーベル賞物理学賞、日本の香取秀俊(光格子時計)や佐川真人(ネオジム磁石)が有力 ■
村井眞二氏はノーベル賞・化学賞有力 日本人が得意な有機物の合成 ■
科学・疑似科学についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|