●韓国上場・中国企業化してたSNK、サウジアラビア皇太子買収
2021/02/15:サウジアラビア皇太子系の財団がSNKを買収する方向性…と報じられていたと聞いたので検索してみると、そもそも韓国に上場していたり、中国企業傘下との情報があったりで、予想外にいろいろあって混乱してきました。このうち、とりあえず、サウジアラビアの買収の話を最初にやります。
「ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は間違い」としている人もいたものの、報道ではサルマーン皇太子系としているものだばかりで、誤報という確認は取れませんでした。このサルマーン皇太子は、自分に批判的なジャーナリストを暗殺したことが疑われている皇太子であるため、この点でも話題になっています。
<サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、自分が所有する、青少年にフォーカスを置いているチャリティファンドのMiSKを通して、ゲーム企業SNKの33.3%の株を購入した。(中略)MiSKは同社株の51%を取得して単独過半数保有を目指しているとアナウンスした>
<この動きは早速物議を醸している。ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子はワシントン・ポストのジャーナリスト、ジャマル・カショギの殺害に直接関与しているとされ、カナダに暗殺部隊を派遣した疑いがかかっており、またさまざまな人権侵害問題でたびたび批判を浴びている国家の実質上の最高指導者――第一副首相兼国防大臣兼経済開発評議会議長という肩書で――を務めている人物だからである>
<MiSKファンドの発表によると、SNKの株の過半数取得へ向けた動きは「青少年のエンパワーメントに最大限に寄与する当団体の新たな戦略の一環として、経済連携の構築によってサウジの男性と女性を力づける」手段だという>
(
物議を醸したサウジアラビアの皇太子が大量のSNK株を取得、単独過半数も視野に 2020年12月1日より)
●韓国に上場しているため日本ではなく韓国から情報が出てくるSNK
別記事では韓国に上場していたという話が出てきます。この関係で、今回のニュースは当初、韓国由来の情報ばかりだったようです。また、こちらでは関連団体のマンガプロダクションズについても説明しており、「サルマーン皇太子は間違い」という情報は、こっちのマンガプロダクションズの直接的な代表ではないといった意味だったのかもしれません。
<SNKは、韓国金融監督院の電子公示システムDARTを通じ、「筆頭株主変更を伴う株式譲渡契約の締結」を発表しました。これは、SNKの持株33.3%をサウジアラビアのElectronic Gaming Development Companyのものとし、筆頭株主とする契約。なお、この告知が韓国からであるのはSNKの上場が韓国にて行われているためです>
<このElectronic Gaming Development Companyですが、その親となる「Mohammed Bin Salman Bin Abdulaziz Al Saud Foundation(MiSK Foundation、ミスク財団)」はサウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマン氏の設立した財団です。サルマン氏は以前よりSNKなどに同財団を通じ人材のインターンシップ派遣を行っていた形。また、ミスク財団の別子会社マンガプロダクションズは以前『THE KING OF FIGHTERS XIV』にて新キャラ「ナジュド」と新ステージ「リヤード」の元となったデザインコンペを主催していたなど、以前から関係深いものとなっています>
(
サウジアラビア皇太子設立財団がSNK筆頭株主へ―同財団は『KOF14』の「ナジュド」にも関連 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト 2020.11.27 より)
●SNKは中国上海37Games系のファンドに買収されていた時期もある
ここまでの情報だけでも十分ややこしいのですが、
SNK (2001年設立の企業) - Wikipediaを見ると、中国企業傘下という情報があってびっくり。ここが直接ミスク財団系のElectronic Gaming Development Companyに売ったのか、途中で別なところが買っていたのかもよくわかりませんでした。とりあえず、「中国メーカー傘下に」という項目では以下のように書かれています。
<海外ではMVS/ネオジオ時代から中国・韓国を中心とするアジア地域で強みを持ち、日本ではパチスロ事業がほぼ本業となっていた2010年代でもアジア地域では未だにアーケードでの人気が高い。特に中国では『拳皇』と呼ばれる『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズは絶大な人気を持ち、e-Sportsの大会なども盛んである>
<2015年8月、川崎会長夫妻が所有するSNKプレイモア株を中国のゲーム会社・上海37Gamesが取得したことが発表。川崎会長が持つ旧SNKおよびSNKプレイモアの全てのライセンスIPも同社へと移管される>
さらにややこしいのが、上海37Gamesが取得したことについて、実際に買収したのは英Ledo Millennium社であるとの注釈がついていることです。37Gamesのグループ会社であり、37Gamesが買収したという理解ではあるものの、直接的にはぜんぜん違う名前の会社が買収したということみたいですね。以下のように説明されていました。
<Ledo社は楽遊科技(leyou technologies)を母体とする森宝グループの会社(投資ファンド)で、以前よりSNKプレイモアを買収する意向を示していた(ちなみに楽遊科技はゲームに興味を示す前は福建森宝食品と言う食品加工会社だった)。Ledo社は37Gamesや東方花旗証券(City Orient Securities、米シティグループ証券と上海東方証券の合弁会社)などが出資しているが、いずれにせよ買収は37Gamesの意向で、この買収によってSNKプレイモアは実質的に37Gamesのグループ会社となる>
●韓国預託決済院が100%保有、筆頭株主がZUIKAKUという情報も…
ところが、まだまだ混乱する情報があります。上記より後の株式会社SNK (2020-11-13). 第19期(2019年8月1日 - 2020年7月31日)有価証券報告書を見ると、筆頭株主はLedo Millennium社でも37Gamesでもないんですよ。株式上位3社は以下の通りでしたので、この時点で上海37Gamesはすでに手放していた可能性が高そうでした。
主要株主
ZUIKAKU CO., LIMITED 34.02%
PERFECT WORLD CO.,LTD. 18.70%
RONSEN(H.K.) CO., LIMITED 8.47%
また、<当社普通株式は韓国預託決済院が100%保有しているため、主要株主は韓国預託決済院が当社普通株式を裏付資産として発行した預託証券の保有者>とも書かれていてわかりづらいです。これは、手続き的な問題で実質的には、ZUIKAKU(瑞鶴?)が所有していたということでしょうか。検索してみると、このZUIKAKUこそがサウジアラビアに売却した大株主という話は出てきました。SNKは大株主の出入りが激しいみたいですね。
<2020年11月26日、SNKは最大株主変更を伴う株式譲渡契約を締結したことについて、韓国金融監督院 電子公示システムDARTにて公示を行った。
公示によると、合計発行株式の28.8%がZUIKAKUからElectronic Gaming Development Companyへと譲渡される。譲渡金額は2073億4572万5ウォン(1億8727万339.60ドル)にのぼるとのこと。日本円にして200億円弱での取引となったわけだが、さらにElectronic Gaming Development Companyは、SNKの大株主であるPerfect Worldと同日付で株式譲渡契約を締結し、その保有株式4.5%も同日付で取得。合計発行株式の33.3%を取得する形となった>
(サウジアラビア企業がSNK株を大量取得、33%を保持する筆頭株主に。将来的には51%を取得するとも発表 2020/11/27(金) 20:40配信 ファミ通.comよりより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/260f7b007b8f6e53581e2234e475ef0b972e73f4
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