2022/04/03追記:
●「エコカーの本命はプリウスPHV」とトヨタ強調もさっぱり売れず 【NEW】
●日本でPHEVが普及しないのは、ハイブリッドやEVが先にあるせい 【NEW】
●EVなんかよりトヨタなどのPHV(PHEV)が現実的で有望?メリットは…
2021/02/25:
「現実解」のPHVに電池の壁、トヨタRAV4年内打ち止め:日経ビジネス電子版(菊池 貴之 日経ビジネス記者 2020年7月6日)という記事があって気になっていました。プラグインハイブリッド(PHVもしくはPHEVと略)が有望だと思われていたのに、意外に苦戦という話です。
なので、まず、プラグインハイブリッドが有望であるという記事から紹介しようと検索。ところが、出てきたのがこれまた
【「理想形」のはずが…】PHEVが日本で八方ふさがりの苦しい事情 - 自動車情報誌「ベストカー」(2019年8月27日 鈴木直也)というネガティブなタイトルの記事でした。
ベストカーによると、とりあえずメリットとして言われていたものは、バッテリーの容量が普通のハイブリッドよりも大きいため、EV走行距離はかなり長く、条件次第ではEVとしてだけ使うことも可能であるということ。しかもガソリン車と同等の走行性能を持ち、充電することもできるということである意味「最強」で良いところ取りのパワーユニットだとされていました。
●理想的に見えるプラグインハイブリッドがあまり売れていない理由は?
ただ、この理想的であるはずのプラグインハイブリッドがあまり売れていないそうです。ベストカーによると、価格が単純に高すぎるというのが一番の理由。意外なことにこのプラグインハイブリッドは、ヨーロッパの方が先行しているそうですが、これは環境規制当局による“インセンティブ”のためだとのことです。
作者の鈴木直也さんは、「PHEVも悪くはないんだけれど、やっぱり環境パワートレーンの本命は低コストなハイブリッド。そこから、ピュアEVに緩やかに移行してゆくというのが自然なんじゃないかなぁ?」としていました。EVシフト失敗は揶揄しておりEVが良いとしているわけでもなく、まずハイブリッドで…という考えのようです。
一方、もともと読もうと思っていた
「現実解」のPHVに電池の壁、トヨタRAV4年内打ち止め:日経ビジネス電子版の記事は、製造の問題点を指摘したものでした。トヨタ自動車がSUV(多目的スポーツ車)「RAV4」のプラグインハイブリッド車(PHV)の国内受注を一時停止。月販300台という販売目標を上回った受注に年度内は電池の生産が追いつかないというのが理由だそうです。
●今のプラグインハイブリッドはもう性能が向上せず 技術革新もだいぶ先
人気があるためだから仕方ない…と思うかもしれませんが、月販300台という微々たるもの。月販300台と設定したのは、そもそもトヨタ自身、プラグインハイブリッドがこれから売れるようになると考えていなかったのでしょう。トヨタは車両電動化のスピードが従来の想定より5年早く進んでいることを認めており、読み違いしていたようです。
米系調査会社アーサー・ディ・リトル・ジャパンは、EV、PHVともに年率で前年比11%増のペースで世界的に生産が伸びていくと推測。ただ、ある国内証券アナリストは「液体を使った現在の電池をこれ以上いじっても性能は向上しない。トヨタが開発している全固体電池を搭載した市販車も2030年までに出てくればいいレベル」としていました。これは技術的に非現実的というかなり厳しい見方です。
なお、この国内証券アナリストはEVの方も推しておらず、「EVの普及というより、当面の現実解はHV」としていました。ベストカーの鈴木直也さんと同じく、今はハイブリッドカーしかないという考えのようです。記事全体も単にトヨタの生産計画のまずさを指摘するものでEVと比較しているわけではなく、EVの方が有望といった書き方はしていませんでした。
●「エコカーの本命はプリウスPHV」とトヨタ強調もさっぱり売れず
2022/04/03追記:プラグインハイブリッド(PHV)の新しい記事を探したものの、おもしろそうな話がなし。そもそもPHV)が話題になっていないのか、記事も少ないですね。結局、前回と同時期で同テーマである
ハイブリッドは人気なのに… トヨタも後押しするPHEVが日本で普及しない理由 | くるまのニュース(2020.05.20 桃田健史)が目についたくらいでした。
同じテーマですので中身も見ていて「EVとHVの良いとこ取り」なのに売れていないという、以前と同じような指摘になっています。この記事の場合は以下のようにトヨタが力を入れていることも強調しており、「それなのに売れていない!」とも説明していました。
<新車発表会見では、初代プリウスの開発者だった内山田竹志会長が自ら登壇。トヨタのハイブリッド車累積販売台数1000万台超え達成に対してユーザーへの感謝を述べた後、長期的な環境戦略のなかで「エコカーは普及してこそ環境への貢献」とし、プリウスPHVを「普及の要」また「本流」と呼びました。
また、最近では豪雨災害などで家庭や企業への電力供給が途絶えた地域で、トヨタディーラー各社が連携してプリウスPHVによる給電サービスをおこなうなど、PHEVの有効性に注目が集まりました。
こうしたトヨタの強い推しがあるにもかかわらず、日本ではPHEVの普及がまだまだ進んでいないように感じます>
●日本でPHEVが普及しないのは、ハイブリッドやEVが先にあるせい
一方で、ヨーロッパではPHEVの普及が日本より先に進んでいるのですが、この理由は「CO2規制が厳しいため」というもの。また、前回同様にインセンティブも指摘しています。以下のように日本で普及しづらい理由が価格という指摘も、やはり前回と同様の見方でした。
<PHEVにとってもっとも大きな課題は、ハイブリッド車、ガソリン車、ディーゼル車との価格差だと思います。プリウスとプリウスPHVの各エントリーモデルで比較すると、その差は67万2100円です。(中略)
補助金により差額は45万円まで縮小しますが、各メーカーでのガソリン車とハイブリッド車との価格差が現在、30万円程度であることを考えると、「当面はハイブリッドで十分」と考える人が多いのも納得できる気がします>
今後は欧州を含めて世界的にPHEVが増えることで、量産効果で価格が下がり、日本でもプラグインハイブリッド車の普及が一気に進むか?については、今回の作者・桃田健史さんもやはり「難しい」という考え。以下のように普及の順番やライバルの存在を挙げており、ここらへんは前回とはちょっと違う視点ですね。
<欧州では、そもそもハイブリッド車が普及していなかったところにPHEVが登場しましたが、日本ではすでにハイブリッド車文化が根付いています。日本市場に特化した、日産の「e-POWER」の認知度も高いです。
また日本には、価格が安く、しかも税制優遇があり、さらに下取り価格が高いという軽自動車が存在します。日産と三菱が共同開発している新型の軽EVも、PHEVの手強いライバルになるかもしれません>
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